アセットの使用

アプリケーションを構成するコンポーネントは、「アセット」と呼ばれます。アプリケーションのデプロイ時にアプリケーションを実行するために必要なすべてのファイルを、アプリケーションに追加する必要があります。アプリケーションの実行に必要ではないが、後で追加されるか、別のアプリケーションで使用される可能性があるアセットを含めることもできます。例えば、別のアプリケーションのアセットのライブラリとして機能するアプリケーションを作成できます。アセットには、プロセス、フォームデザイン、画像、DDX ファイルなどがあります。

アプリケーションには、LiveCycle で作成したアセットを含めることもできます。読み込み先のアプリケーション内でアセットを使用する場合、アセットの元のプロパティは保持されます。ただし、そのようなアセットを別のアプリケーションにコピーした場合、アセットは LiveCycle アプリケーションアセットになります(LiveCycle ES3 での既存のソリューションの活用を参照)。

重要: アプリケーションのデプロイメントと実行に関する問題を回避するには、LiveCycle ES(8.x)アセットからデプロイメント ID を手動で削除してから、LiveCycle で参照します。または、Archive Migration Tool を使用して LiveCycle ES(8.x)アセットを移行してから、LiveCycle で使用します。

アプリケーションアセットを使用する場合、次のアクションを実行できます。

  • アセットの追加と削除

  • アセットの編成

  • アセットの編集と表示

アセットの追加と削除

アプリケーションにアセットを追加するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • Workbench でアセットを作成し、アセットの追加先となるアプリケーションを指定します。

  • 別のアプリケーションからアセットをコピーします。

  • グラフィックファイルやテキストファイルなど、Workbench の外部で作成されたアセットを追加します。

作成するアセットは、最初はローカルフォルダーに作成されます。サーバーで使用できるようにするには、アセットが存在するアプリケーションまたは特定のアセットをチェックインします。

Workbench でのアセットの作成

次のアセットの作成手順を示す New Asset ウィザードでは、アセットの追加先となるアプリケーションを選択する必要があります。

アセットの作成:

  1. 次のいずれかの方法を使用して、作成するアセットのタイプを選択します。

    • File/New/[asset type] を選択します。[asset type] は、有効なアセットタイプの名前です。

    • File/New/Other を選択し、リストからアセットタイプを選択します。

  2. ウィザードの手順に従います。

注意: File/New/Other を選択すると、ローカルファイルシステムのツリー構造に Enter Or Select The Parent Folder ボックスが表示されます。ここには Workbench の Applications ビューは表示されません。

アセット名を作成する場合は、次のルールに従います。

  • 英数字、2 バイト文字およびスペースを使用できます。

  • 使用できない文字は次のとおりです。/\:+$?%*: |"<>.[]タブ。

  • 制御文字(ASCII 値が 32 未満の文字)は使用できません。

  • 文字とスペースの最大数は 40 です。

注意: アセットのフルパスは 256 文字を超えることはできません。このパスには、アセットがキャッシュされているコンピューター上の場所へのパス全体が含まれます。

別のアプリケーションからのアセットのコピー

アセットのコピー元のアプリケーションがローカルシステム上にある必要があります。このため、ソースアプリケーションがサーバー上にある場合は、まず「Get Application」コマンドを使用してアプリケーションをローカルビューに追加します。

アプリケーション間のアセットのコピー:

  1. (オプション)File/Get Application を選択し、ローカルシステムに追加するアプリケーションを選択します。

  2. Applications ビューでアプリケーションツリーを展開し、コピーするアセットを選択します。

  3. 次のいずれかの方法を使用してアセットをコピーします。

    • Edit/Copy を選択します。

    • Copy  ボタンをクリックします。

    • アセットを右クリックし、「Copy」を選択します。

    • Ctrl + C キーを押します。

  4. コピー先の場所でフォルダーまたはアプリケーションのバージョンを選択し、次のいずれかの方法を使用してアセットを貼り付けます。

    • Edit/Paste を選択します。

    • Paste  ボタンをクリックします。

    • コピー先のフォルダーまたはアプリケーションのバージョンを右クリックし、「Paste」を選択します。

    • Ctrl + V キーを押します。

    Ctrl キーを押しながらアセットを 1 つの場所から別の場所へドラッグすることもできます。
注意: アセットは他のアセットを参照できます。アセットが異なる場所(別のフォルダーやアプリケーション)にコピーされた場合も、すべての参照は古い場所を指したままとなります。何らかの理由で古い場所への参照が切断されている場合、新しい場所でのプロセスは実行時に失敗します(例えば、古い場所のアセットが削除された場合)。この問題を回避するには、アセットを新しい場所にコピーした後、参照をすべて更新します。

LiveCycle の外部で作成されたアセットの追加

アプリケーションには別のアプリケーションで作成されたアセットを含めることができます。例えば、プロセスでフォーム上に図が表示されたり、スプレッドシートが使用されたりする場合、アプリケーションにそれらのファイルが含まれている必要があります。

LiveCycle の外部で作成されたアセットの追加:

 ファイルをデスクトップまたはフォルダーからアプリケーションまたはアプリケーションフォルダーにドラッグします。

アセットの削除

アプリケーションで不要になったアセットは簡単に削除できます。アセットを削除する場合は、次の状況に注意してください。

  • ローカルフォルダーのみに存在し、リポジトリにチェックインされていないアセットは、アプリケーションから直ちに削除されます。アプリケーションツリーのローカルアセットのアイコンの右下には、緑の背景の白い十字が表示されます。

  • リポジトリに少なくとも 1 回チェックインされたアセットは削除のマークが付けられ、チェックイン操作の実行後にアプリケーションから削除されます。削除のマークが付けられたアセットのアイコンには、赤い X が付けられます。

    削除されたアセット - 赤い X マークの付いたアイコン

アセットの削除:

  1. アセットを右クリックし、「Delete」を選択します。

  2. 「Yes」をクリックして削除を確認します。ローカルアセットはリストから直ちに削除されます。リポジトリにチェックインされたアセットは赤い X マークが付けられます。

  3. 赤い X マークの付いたアセットを右クリックし、「Check In」を選択します。アセットはローカルリストとリポジトリから削除されます。

アセットの編成

アセットは、1 つのリストのアプリケーションのルートの下に配置できます。または、フォルダーおよびサブフォルダー内の論理グループに編成できます。ユーザーの特定の要件に合わせて、アプリケーション内にフォルダー構造を作成します。例えば、プロセスで使用されるすべてのフォームを、「Forms」というフォルダーにグループ化することができます。

一度に作成できるフォルダーレベルは 1 つのみであるため、より深いフォルダー構造を作成する場合は、手順を数回繰り返します。

画像ファイル、DDX ファイル、プロセスおよびフォームを含む LiveCycle アプリケーションに、様々なアセットを追加できます。アプリケーション 1 つにつき、含めるアセットは 50 個以下にすることをお勧めします。50 個以上のアセットを含む既存のアプリケーションは、パーティション処理によって小さいアプリケーションに分割してください。アセット数を少なくしておくと、アプリケーションのパフォーマンスと保全性が向上します。

フォルダーの作成

  1. File/New/Folder を選択します。

  2. New Folder パネルでアプリケーションのバージョンを選択し、フォルダーの名前を指定します。

注意: アプリケーションにアセットを追加するときにフォルダーを作成することもできます。

フォルダー名を作成する場合は、次のルールに従います。

  • 英数字、2 バイト文字およびスペースを使用できます。

  • 使用できない文字は次のとおりです。/\:+$?%*: |"<>.[]タブ。

  • 制御文字(ASCII 値が 32 未満の文字)は使用できません。

  • 文字とスペースの最大数は 40 です。

注意: アセットのフルパスは 256 文字を超えることはできません。このパスには、アセットがキャッシュされているコンピューター上の場所へのパス全体が含まれます。

フォルダーへのアセットの追加

 次のいずれかの方法を使用します。
  • アセットの作成時にフォルダー名を選択します。

  • アセットをデスクトップからフォルダーにドラッグします。

  • フォルダー間でアセットをコピー&ペーストします。

フォルダー間でのアセットのコピー&ペースト

  1. アセットを選択し、次のいずれかの方法を使用してコピーします。

    • Edit/Copy を選択します。

    • Copy  ボタンをクリックします。

    • アセットを右クリックし、「Copy」を選択します。

    • Ctrl + C キーを押します。

  2. コピー先のフォルダーを選択し、次のいずれかの方法を使用してアセットを貼り付けます。

    • Edit/Paste を選択します。

    • Paste  ボタンをクリックします。

    • コピー先のフォルダーを右クリックし、「Paste」を選択します。

    • Ctrl + V キーを押します。

    Ctrl キーを押しながらアセットを 1 つの場所から別の場所へドラッグすることもできます。

アセットの名前の変更

デプロイ解除されたアプリケーションアセットの名前を変更できます。アセットの名前を変更する場合は、アセットへのすべての参照を変更する必要があります。例えば、アプリケーションの XSD ファイルの名前を変更する場合は、XSD ファイルを参照するフォームを、新しい名前を使用するように変更する必要があります。

  1. アセットが含まれているアプリケーションを右クリックし、「Undeploy」を選択します。この手順は、アプリケーションがデプロイされている場合にのみ実行する必要があります。

  2. 名前を変更するアセットを右クリックし、「Check Out」を選択します。

  3. Rename ダイアログボックスにアセットの新しい名前を入力し、「OK」をクリックします。

  4. アセットを右クリックし、「Check-In」を選択します。

  5. (オプション)名前を変更したアセットを使用するプロセスとフォームをチェックアウトし、アプリケーションを再デプロイします。

アセットの編集と表示

アプリケーションにアセットを追加した後、アセットの表示、編集およびアセットのプロパティの変更を行うことができます。Workbench 内で開くアセットもあれば、ネイティブプログラムで開くアセットもあります。アセットを開く場合は、自動的にデフォルトのエディターが選択されるようにすることも、手動でエディターを選択することもできます。

編集するアセットを開く場合は、まずアセットをチェックアウトする必要があります。チェックアウトされていないアセットの編集を開始すると、保存する前にアセットをチェックアウトすることを求める自動チェックアウトメッセージが表示されます。チェックアウトを拒否した場合、アセットは読み取り専用状態のままとなります。別の名前でアセットを保存します。

表示または編集する必要がなくなったアセットは閉じます。編集したアセットを閉じた後、アセットはチェックアウトされたままとなります。他のユーザーが変更できるようにするには、アセットを編集した後、チェックインする必要があります。

説明、カスタムメタデータ、デプロイメント情報など、アセットの複数のプロパティを編集することもできます。

アセットを表示または編集用に開く:

  1. 次のいずれかの方法を使用します。

    • アセットを右クリックし、「Open」または Open With/[editor name] を選択します。このコマンドにより、デフォルトのエディターでアセットが開きます。

    • アセットを右クリックし、Open With/Other を選択します。このコマンドにより Editor Selection ダイアログボックスが開き、アセットの編集に使用するエディターを選択できます。エディターは、内部エディターのリストまたは外部プログラムのリストから選択できます。どちらのリストにも必要なエディターがない場合は、特定のエディターの場所を参照できます。

  2. 常に自動的にアセットをチェックアウトするには、Automatic Checkout ダイアログボックスで「Never Show This Dialog Again And Remember My Decision」を選択します。デフォルトの設定に戻り、アセットをチェックアウトするたびに Automatic Checkout ダイアログボックスを表示するには、Window/Preferences/Adobe LiveCycle ES/Preferences を選択し、「Perform Asset(s) Checkout Automatically」を選択解除します。

アセットのプロパティの編集:

アセットにカスタムプロパティが定義されている場合、それらのプロパティは Custom Properties テーブルに一覧表示されています。

「Deployment ID」および「Deployment Version」ボックスには、LiveCycle ES(8.x)アプリケーションから読み込まれたアセットの名前、パスおよびバージョンが表示されます(LiveCycle ES3 での既存のソリューションの活用を参照)。

  1. アセットを右クリックし、「Properties」を選択します。

  2. (オプション)「Description」ボックスで、アセットの説明テキストを変更または追加します。

  3. (オプション)カスタムプロパティを編集するには、Custom Properties テーブルでプロパティを選択し、編集 をクリックして値を変更します。

  4. 「Deployment ID」および「Deployment Version」の値を削除するには、「Reset」をクリックします。

アセットの依存関係の管理

依存関係は、アセットが別のアセットと共有する機能的関係です。アセットは、別のアセットを参照する参照元となっている場合、または従属アセットによって参照される参照先となっている場合があります。アセットおよびアセットのプロパティを変更すると、悪影響がある場合があります。そのような変更が試みられると、Workbench の依存関係の検出機能によって通知されます。次に、依存関係が検出される場合の例を示します。
  • アーカイブファイルの作成:LCA を作成する場合、アプリケーションの外部のアセットへの参照元となっている可能性があります。そのようなアセットは、Archive Properties ダイアログボックスで暗黙的に選択され、選択されたアプリケーションと共にアーカイブされます。該当するアセットの選択を解除することによって、それらのアセットへの参照を省略できます。詳しくは、アーカイブファイルの作成を参照してください。

  • サーバーからのアプリケーションの追加:アプリケーションから、参照元となっているアセットを追加できます。詳しくは、サーバーからのアプリケーションの追加を参照してください。

  • アセットの削除:参照先となっているアセットを削除しようとすると、Workbench では警告が表示されます。従属アセットが機能するために欠かせないアセットは削除しないでください。

  • アセットの名前の変更:参照先となっているアセットの名前を変更しようとすると、Workbench では警告が表示されます。これらの依存関係を維持する場合は、Renaming ダイアログボックスの「Update References」チェックボックスにチェックマークが付いていることを確認します。

依存関係の視覚化

Dependency Visualisation 機能を使用すると、アセットの参照のすべての依存関係を追跡し、監視することができます。アセットのプロパティを変更する前に、アセットの依存関係のインジケータとしてこの機能を使用します。
  1. Workbench で WindowShowViewOther にアクセスし、Show View ダイアログボックスを開きます。General ビューをドリルダウンし、Properties ビューを開きます。

  2. Applications ビューで、参照を表示するアセットを選択します。

  3. Properties ビューで、「Outgoing References」をクリックしてアセットの依存関係のリストを表示します。また、「Incoming References」をクリックして、選択したアセットに依存するアセットのリストを表示します。

注意: アセットの直接レベルの参照のみが表示されます。例えば、プロセス A はプロセス B に対して参照元となっており、プロセス B はプロセス C に対して参照先となっているとします。プロセス A からの参照を表示する場合、プロセス C は参照として表示されません。