プロセスへのユーザーの関与

ユーザーが関与するプロセスには、一般にユーザーが情報を確認するか、情報を提供するか、またはその両方が必要です。

  • User サービスは、Workspace のユーザーのタスクリストに表示されるタスクを作成します。ユーザーはフォーム、ガイド、またはドキュメントに表示された情報の確認、新しい情報の入力、ファイルの添付、メモの追加、タスクの送信ができます。

  • ユーザーは Workspace エンドポイントを使用して、Workspace の「Start Process」ページからタスクを開いて、それらを送信し、プロセスを呼び出すことができます。

PDF フォームを使用する場合、タスクフォームを電子メールでユーザーに送信することもできます。ユーザーは Acrobat Professional および Acrobat Standard または Adobe Reader を使用して、フォームを開いて記入できます。

ユーザーがタスクを完了すると、タスクに関するすべての情報が LiveCycle サーバーに送信されます。

  • フォームまたはガイドに入力された情報

  • 添付ファイルとメモ

  • タスク ID、タスクが割り当てられ、完了した日時、タスクを完了したユーザーなどのタスクメタデータ

プロセス変数に情報を保存したら、プロセスの後でそれを使用できます。例えば、送信したフォームデータを別のタスクで使用して、別のユーザーがそれを操作できるようにすることができます。一般に、情報はルーティングを決めるためにも使われます。XPath 式を使用して、ルート条件に使用するフォームデータの項目を取得できます。例えば、購買注文の例で、購入費用がルーティングの決定に使われるとします。低コストの購入は自動的に行われ、高コストの購入には承認が必要です。

注意: User サービスは Workspace と電子メールでのみ使用できます。別のアプリケーションを使用して、ユーザーがフォームを受信し、開いて、送信できるようにするには、ユーザーにタスクを割り当てるカスタムサービスを作成します

ユーザーがプロセスを起動できるようにする

ユーザーは Workspace スタートポイントを使用して、Workspace からプロセスを起動できます。Workspace スタートポイントをプロセスダイアグラムに追加すると、Workspace の「Start Process」ページにプロセスカードが表示されます。ユーザーがカードをクリックすると、フォームまたはガイドが開きます。ユーザーがフォームまたはガイドを送信すると、プロセスが起動します。

スタートポイントのプロパティによって、Workspace に開くフォームまたはガイドが決定します。さらに、レンダリングプロパティと使用可能な Workspace 機能も指定します。

Workspace スタートポイントによって、LiveCycle サーバーに、対応する TaskManager エンドポイントが作成されます。Workspace スタートポイントを含むプロセスを保存すると、管理コンソールを使用して変更されたエンドポイントのプロパティが上書きされます。

Workspace スタートポイントの追加および設定方法については、スタートポイントを使用するプロセスの開始を参照してください。

1 人のユーザーへのタスクの送信

User サービスの「Assign Task」操作によって、1 人のユーザーまたは 1 つのグループに割り当てる 1 つのタスクを作成します。

タスクの作成

「Assign Task」操作は、一連の人が情報を取得したり、利用したりする場合に便利です。例えば、従業員が購買注文要求を送信するとします。次に、要求はレビューのために調達部門の担当者にルーティングされます。詳細については、Assign Task 操作を参照してください。

複数のユーザーへのタスクの同時送信

User サービスの「Assign Multiple Tasks」操作によって、複数のユーザーまたはグループ(またはその両方)に同時に割り当てられるタスクを作成します。タスクはすべて同じ情報を表示するため、同じです。ユーザーのリストを作成し、リストを使用して、複数のタスクを割り当てることができます。ユーザーリストは、特定のグループの人が、複数のプロセスのレビュー作業に携わる場合に便利です。

各タスクで送信された情報は Task Result Collection 変数に保存されます。XPath 式を使用して、各タスクから情報を取得し、処理できます。

「Assign Multiple Tasks」操作は、プロセスで複数の人が類似の情報を提供する必要がある場合に便利です。例えば、各会計四半期末に、プロセスにより組織の各地域の営業グループの副社長にタスクが割り当てられるとします。タスクを完了するには、各副社長が四半期ごとの営業報告書を添付して、タスクを送信します。プロセスにより、タスク結果のコレクションから各添付ファイルが取得され、後で上級副社長に送信することができます。

同様に、「Assign Multiple Tasks」操作は、ドキュメントレビューや承認プロセスなどのプロセスで複数の人が同じ情報を確認する必要がある場合に便利です。詳細については、Assign Multiple Tasks 操作を参照してください。

ドキュメントレビューと承認プロセス

一般的なビジネスプロセスの要件は、複数のユーザーが情報を確認し、それに対するフィードバックを提供することです。User サービスは複数の人が平行して、または連続して情報を確認する場合をサポートします。

平行:
「Assign Multiple Tasks」操作は複数の人に同時にタスクを割り当てます。タスクでは各ユーザーが同じ情報を確認する必要があります。

例えば、製造会社の変更管理委員会で、既存の製品を改善するための提案を確認するとします。委員会のメンバーは、提案を承認するか拒否するかを投票で決定します。「Assign Multiple Tasks」操作により、変更提案を表示するタスクを作成します。委員会の各メンバーは、Workspace のタスクリストでタスクを受け取り、提案を承認または拒否します。

連続:
Several 「Assign Task」操作を順次実行し、操作ごとにユーザーにタスクを割り当てます。タスクごとに、結果が次の 「Assign Task」操作の入力として使用されます。

例えば、購買発注プロセスで、役員レベルの管理職によって、大量購入が最終的に承認されるとします。役員が要求を確認する前に、まず、組織階層の 1 つまたは複数下のレベルの管理職が購買発注を確認します。レビューを行う各レベルの管理職ごとに、プロセスダイアグラムに 「Assign Task」操作を追加します。

Process Management はレビュープロセスと承認プロセスに役立つ次の機能を備えています。機能によっては、「Assign Task」操作と「Assign Multiple Task」操作の両方に使用できないものもあります。

Workspace 承認ツール

ユーザーがタスクを開くと、タスクにコメントを追加したり、他のレビュー担当者が追加したコメントを表示したりすることができます。また、他のユーザーがタスクを送信するときに選択したアクションを表示することもできます。

コレクションデータおよび XPath 関数

Assign Multiple Tasks 操作のタスクごとに送信される情報は、Task Result Collection という名前のコレクション変数に保存されます。XPath 関数を使用して、この結果を評価することができます。例えば、特定のアクションを選択したユーザーの人数やアクションを送信したユーザーのパーセンテージを調べることができます。これらの機能は、連続して行われるドキュメントレビューの結果を評価するときに便利です。詳細については、レビュー結果と承認結果の評価を参照してください。

完了ポリシー

生成されたタスクの一部が完了していなくても、「Assign Multiple Tasks」操作を完了することができます。この機能は、ある案件について、必ずしもすべての関係者からの返答がなくても、決定を下すときに便利です。例えば、ある提案の承認が、委員会メンバーの多数決で決まるとします。Approve アクションを選択すると、50% 以上のタスクが完了した時点で、「Assign Multiple Tasks」操作を完了できます。「Assign Multiple Tasks」操作への完了ポリシーの追加を参照してください。

電子署名プロセス

電子署名は、特定の人が特定の情報の部分を読んだことを確認する場合に便利です。プロセスに、タスクで使用可能な電子署名を組み込むことができます(Signatureを参照)。

電子署名

PDF ドキュメントの電子署名を使用して、人が特定のドキュメントを読んだことを確認できます。

  • ユーザーは、タスクで、自分の秘密鍵証明書で署名した PDF を送信できます。タスクの送信時に、ドキュメントが送信され、変更されないまま、署名が維持されます。

  • LiveCycle サーバーでは、ユーザーから送信された PDF ドキュメントに署名するように設定できます。

クリックスルー電子署名

ユーザーがタスクを送信したときに、ダイアログボックスに確認メッセージを表示させることができます。このメッセージを契約の成立に使用することができます。

プロセスを操作するための代替ツール

Workspace は、プロセスを操作するための主要ツールですが、電子メールメッセージや特定のモバイルデバイスも使用できます。

電子メール

新しいタスクと、デッドラインとリマインダーの発生に関する通知メッセージの受信に加えて、ユーザーは電子メールを使用してタスクを完了できます。

タスクの割り当て通知への返信:
ユーザーがクリックして、タスクの通知の電子メールに返信できるリンクを含めることができます(通知電子メールに返信してタスクの完了を有効にするを参照)。

PDF フォームの送信:
タスクの PDF フォームをタスクの通知の電子メールメッセージに添付できます。ユーザーはそのフォームを開き、電子メールを使用してそれを送信できます。(電子メールテンプレートの作成を参照)。

モバイルデバイス

タスクを操作するために、特定のモバイルデバイス用のアプリケーションを取得できます。ユーザーはモバイルデバイスからタスクを完了でき、PDF フォームの場合、フォームを開いて表示できます。