Data Dictionary ソリューションの開発

Data Dictionary 構築ブロックを使用すると、ミドルウェア開発者はプログラムや単純なユーザーインターフェイスを使用して、データディクショナリの作成と変更を実行できます。

通常、ミドルウェア開発者がデータディクショナリを作成します。この開発者は特定のドメインとそのオブジェクトについて知識が豊富であり、ドメインエンティティやその間の適切な関係を理解しています。例えば、金融部門の開発者は、口座、残高などのドメインオブジェクトについて認識しています。

データディクショナリの作成

データディクショナリを作成するには、データディクショナリエディターを使用します。あとからフィールドなどの必須の情報を追加して、このデータディクショナリを拡張できます。データディクショナリエディターは、2 種類のデータディクショナリ作成方法をサポートしています。手動でデータディクショナリ要素を作成するか、既存のデータモデル(FML)や XSD スキーマからデータディクショナリを読み込むことができます。データディクショナリの作成方法を問わず、ビジネスプロセスの所有者にはバックエンドシステムに関する知識が必要がありません。ビジネスプロセスの所有者に必要とされるのは、プロセスのドメインオブジェクトとその宛先に関する知識だけです。

データディクショナリを作成するには、管理ウィンドウを選択して、「データディクショナリ」タブを選択します。「新規」をクリックしてデータディクショナリを作成し、データディクショナリエディターを起動します。

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新しいデータディクショナリの作成

システムデータディクショナリ

アセットタイプ定義を使用して、Platform Content のユーザーインターフェイス関連の環境設定を設定できます。アセットタイプ定義は、アセットタイプを表すシステムデータディクショナリです。例えば Correspondence Management Solution では、特定のアセットタイプを事前に設定したデータディクショナリが、FML ファイルの形式で提供されます。これらのファイルは再パッケージ化し、再デプロイすることができます。

データディクショナリの手動作成

データディクショナリを手動で作成する際には、各要素をデータディクショナリエディターに 1 つずつ入力する必要があります。その後、データディクショナリそのものに相当する拡張プロパティを手動で入力します。これらはメタデータ属性として保存されます。

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データディクショナリの拡張プロパティ

さらに、関連するプロパティと共にデータディクショナリ要素を追加します。データディクショナリ要素の属性については、データディクショナリ要素を参照してください。

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データディクショナリ要素

XSD からのデータディクショナリの作成

XSD スキーマからデータディクショナリを作成する際には、データディクショナリエディターを使用してスキーマを読み込みます。データディクショナリエディターの「定義」タブで、「データディクショナリを読み込み (XSD)」をクリックします。

データディクショナリの作成時には、以下の重要な点について考慮してください。

  • XSD は、1 つのトップレベルノードからしか作成できません。複数のトップレベルノードを伴うスキーマを読み込もうとすると、1 つのトップレベルノードを選択するようにデータディクショナリエディターから求められます。

  • データディクショナリ要素の定義は、空のキーをサポートしていません。空の値は無視されます。拡張プロパティのキーまたは値の内部でコロン(:)や縦棒(|)の文字を使用しないでください。使用すると、キーが消失するか、複数のキーに分割される可能性があります。

  • 属性を含むデータディクショナリからはサンプル XML データを作成することはできません。サンプル XML データの生成では、正確な XML が生成されません。このエラーは、サンプル XML データ生成では属性と要素のどちらも要素として処理されることによります。

要素のプロパティと同様に、データディクショナリのプロパティも編集できます。拡張プロパティはこの時点で定義できます。適切な形式のスキーマの例については、データディクショナリに読み込み可能なサンプルスキーマを参照してください。

既存のモデルからのデータディクショナリの作成

既存のモデル(FML)からデータディクショナリを作成する際には、データディクショナリエディターを使用してモデルを読み込みます。データディクショナリエディターの「定義」タブで、「データディクショナリを読み込み (FML)」をクリックします。データディクショナリエディターを使用して作成されたデータディクショナリは拡張されており、カスタム注釈の注釈が付けられています。詳しくは、データディクショナリと一般的なアドビアプリケーションモデリングテクノロジーとの違いを参照してください。

この方法で作成されたデータディクショナリには、データディクショナリの「プロパティ」と「定義」の両方が存在します。

データディクショナリの移行

データディクショナリの作成後は、他の環境にそれを移行できます。例えば、ステージング環境で作成されたデータディクショナリを実稼動環境に移行できます。データディクショナリを注釈付きモデル(FML)に書き出した後、新しいシステムに読み込みます。データディクショナリの移行には、データディクショナリエディターを使用します。データディクショナリエディターでデータディクショナリを開き、「FML を書き出し」アイコンをクリックして、注釈付き FML ファイルを保存します。また、発行されたデータディクショナリは、アセットを管理ユーザーインターフェイスを使用して書き出したり、新しいインストール環境に読み込んだりすることができます。

この FML ファイルを他のシステムにコピーできます。新しいシステムでデータディクショナリエディターを起動し、「FML を読み込み」を使用して、データディクショナリを新しいシステムに読み込みます。

注意: データディクショナリエディターを使用して作成されたデータディクショナリは拡張されており、カスタム注釈の注釈が付けられています。したがって、データディクショナリエディターを使用して書き出された FML ファイルしか読み込むことができません。詳しくは、データディクショナリと一般的なアドビアプリケーションモデリングテクノロジーとの違いを参照してください。

データディクショナリ向けサンプル XML データの生成

サンプル XML データを生成し、テストデータとして使用することができます。データディクショナリエディターで、「定義」タブの「サンプル XML データを取得」オプションを使用し、データディクショナリのサンプル XML データを書き出します。