既存のソリューションの LiveCycle ES3 へのアップグレード

新機能を最大限に活かした LiveCycle ES3 ソリューションを開発するための土台として既存のプロセス、リソースおよびイベントを使用します。既存のプロセス、リソースおよびカスタムイベントをアプリケーションに読み込んだ後、既存のランタイムインスタンスから独立させます。そのうえで、必要に応じてアセットに変更を加えます。

参照されているすべてのプロセス、リソースおよびカスタムイベントが読み込み済みであることを確認してください。例えば、プロセスをアップグレードする場合は、プロセスだけでなく、そこで使用されているその他のリソース(フォームなど)、カスタムイベント、カスタムレンダリングプロセス、カスタム送信プロセスおよびサブプロセスを読み込みます(アプリケーションへのリソース、プロセスおよびイベントの読み込みを参照)。

既存のアーティファクトのアップグレード

Workbench の Upgrade ES Artifacts ツールでは、既存のソリューションとアーティファクトをアップグレードするプロセスが自動実行されます。既存のプロセスとその依存関係(フォーム、画像など)をLiveCycle ES3 アプリケーションにバンドルできます。Workbench は、実行時に必要な参照を維持するのではなく、(アプリケーションへの追加対象として選択されている場合)既存のアーティファクトのコピーを LiveCycle サーバーに作成します。プロセスをアップグレードする前に、アップグレードした環境についてを参照してください。
  1. Workbench で、FileUpgrade ES Artifacts にアクセスします。

  2. Process Selection 画面で、アップグレードしたいプロセスを選択します。アプリケーションへの追加対象として特定のバージョンのプロセスを選択できる点に注目してください。目的のプロセスのバージョンまでドリルダウンして選択します。すべてのプロセスを選択するには、「Select All Processes」オプションを使用します。「Next」をクリックします。

    注意: Workbench に付属している設定済みシステムプロセスの読み込みまたはアップグレードは行わないでください。例えば、Process Management Email(システム)です。
  3. 選択したプロセスの概要を Process Preview 画面で確認します。選択した覚えのないプロセスが Implicit として表示される場合があります。これらは、先ほど Process Selection 画面で選択したプロセスによって参照されているプロセス(他のプロセスが依存しているプロセス)です。この依存関係を満たすために、これらのプロセスはアップグレードの対象として暗黙的に選択され、アプリケーションにバンドルされます。このように暗黙的に選択された結果は、適宜アセットの選択を解除することによって上書きすることができます。「Next」をクリックします。

  4. Resource Selection 画面で、アップグレードしたいリソースを選択します。「Next」をクリックします。

  5. 選択内容を Selection Process 画面で確認します。選択するリソースの数が 400 個を超えないようにすることをお勧めします。「Next」をクリックします。

  6. Enter Application Information 画面で、アプリケーションの名前とわかりやすい説明を入力します。「Finish」をクリックします。

  7. ダイアログボックスに一覧表示される手動のタスクをすべて実行します。

注意: Process Selection 画面でフォルダーレベルで選択した場合、最新バージョンのプロセスがデフォルトで選択されます。以前のバージョンのプロセスを選択するには、フォルダーレベルの選択を解除してください。

既存のランタイムインスタンスとのリンクの解除

既存のランタイムインスタンスに影響を与えることなくアセットに変更を加えるには、読み込んだアセットとその既存のランタイム関係機能とのリンクを解除します。

例えば、LiveCycle ES3 環境のアプリケーションから既存のフォームを参照したいとします。この新しいアプリケーションは、フォームに手を加える必要があります。しかし、そのフォームは既存のプロセスで今も使用されており、変更するとそれらのプロセスでエラーが発生します。このような場合は、フォームをアプリケーションに追加してから、フォームとランタイム関係機能とのリンクを解除します。既存のプロセスに対する変更の影響を回避することができます。

ランタイム環境から読み込まれたすべての項目は、対応するデプロイメント ID プロパティの値を持ちます。ランタイム環境における項目の場所は、このプロパティによって識別されます。この値には、読み込まれたアセットとそのランタイム関係機能とのリンクを維持する役割もあります。リンクを解除するには、このプロパティの値を削除します。

既存のアセットのランタイムインスタンスには、リンクを解除した後も変更を加えることができます。プロセスのバージョン、リソースまたはイベントタイプをランタイム環境から再度読み込んでください。

デプロイメント ID 値の削除:

  1. アプリケーションビューでアセットを右クリックし、「Properties」をクリックします。

  2. 「Deployment ID」ボックスの横にある「Reset」ボタンをクリックし、「OK」をクリックします。

注意: 今後既存のプロセスを呼び出す必要がない場合は、そのプロセスのエンドポイントを削除してください。

プロセスのエンドポイントの作成

読み込んだプロセスのデプロイメント ID プロパティをリセットした場合、LiveCycle ES 環境に作成されたエンドポイントとの関連付けは失われます。同じタイプのエンドポイントを使用してプロセスを呼び出すには、エンドポイントを作成します。

LiveCycle ES3 でエンドポイントを作成するには、プロセスダイアグラムにスタートポイントを追加します。アプリケーションをデプロイすると、そのスタートポイントによって自動的にエンドポイントが作成されます。次のタイプのスタートポイントを追加できます。

Workspace:
ユーザーは、Workspace からプロセスを呼び出します。

Email:
ユーザーは、LiveCycle サーバーに電子メールを送信してプロセスを呼び出します。

Mobile:
ユーザーは、携帯電話にインストールされた LiveCycle Express を介してプロセスを呼び出します。

Programmatic:
Oracle™ Java™ と Web サービスアプリケーション、REST および Flex で作成されたアプリケーションからプロセスを呼び出すことができます。

スタートポイントを追加する前に、LiveCycle ES 環境で使用されていたエンドポイントを、管理コンソールを使用して確認してください。エンドポイントのプロパティをスタートポイントのプロパティに複製できるようにメモに控えておきます(エンドポイントの管理を参照)。

注意: Workspace スタートポイントでは Task Manager エンドポイントが生成されます。Workspace のスタートポイントを設定する前に、アセットおよび xml 変数を設定してください(人間中心のプロセスのアップグレードを参照)。

スタートポイントを追加する前に、デプロイメント ID プロパティをリセットしておく必要があります(既存のランタイムインスタンスとのリンクの解除を参照)。

スタートポイントを追加するには:

  1. スタートポイントアイコン をプロセスダイアグラムにドラッグします。

  2. スタートポイントのタイプを選択して追加し、「OK」をクリックします。

  3. スタートポイントをクリックし、プロセスのプロパティビューでプロパティの値を指定します。

既存のサブプロセスの置き換え

特定のプロセスから既存のプロセス(サブプロセス)を呼び出す場合は、既存のサブプロセスをアプリケーションに読み込み、デプロイメント ID をリセットします。呼び出すサブプロセスを含んだアプリケーションがデプロイされている必要があります。デプロイされている場合、LiveCycle ES3 にそのプロセスのサービスが作成されます。

既存のサブプロセスを置き換える前に、その名前とプロパティの値をメモしてください。

既存のサブプロセスの置き換え:

  1. サブプロセスのアイコンをプロセスダイアグラムから削除します。

  2. サブプロセスアイコン をプロセスダイアグラムにドラッグします。

  3. Define Subprocess Activity ダイアログボックスの「Find」ボックスに、呼び出すプロセスの名前を入力します。

  4. アプリケーションに存在するプロセスを選択し、「OK」をクリックします。

  5. サブプロセスアイコンを選択し、プロセスのプロパティビューでプロパティを設定します。

セキュリティ設定の指定

デプロイメント ID プロパティをリセットした場合、既存のプロセスのセキュリティ設定は維持されません。管理コンソールを使用して手動でセキュリティ設定を行ってください(サービスのセキュリティ設定の変更を参照)。

LiveCycle 7.x QPAC プロセスのアップグレード

LiveCycle 7.x の QPAC を使用したプロセスは、LiveCycle ES3 では、直接のアップグレードパスが定義されていないため機能しません。このようなプロセスはサポートされておらず、その旨が Workbench からも警告されます。このプロセスを LiveCycle ES3 環境で使用するためには、対応する QPAC を LiveCycle ES Update 1 と互換性のある DSC に置き換える必要があります。この中間手順が完了すると、Upgrade Legacy Artifacts ウィザードを使用して、プロセスとその依存関係を LiveCycle ES3 と互換性のあるアプリケーションにアップグレードすることができます。

Workbench では、機能を DSC に直接置き換えることができる QPAC が示されます。置き換え可能な DSC を見つけるには、QPAC を含むアクティビティを選択し、Process Properties ビューで情報を確認します。表示に従って、QPAC を DSC に置き換えます。

既存のプロセスのアップグレードについて詳しくは、既存のアーティファクトのアップグレードを参照してください。

注意: QPAC によっては、直接 DSC に置き換えただけでは正しく機能しない場合があります。そのような QPAC については、正しく機能する置き換え可能なカスタム DSC を作成する必要があります。

非推奨操作の使用

以前のリリース後、非推奨となった操作が一部存在します。一般に、非推奨のメンバーは新しいメンバーに置き換えられます。改良点を活かすためにも、既存のプロセスに使用されている非推奨の操作は置き換えるようにしてください。また、置き換え後の新しい操作は、非推奨の操作よりも長くサポートされます。

サービス表示など、サービスおよび操作のリストには、非推奨のサービスおよび操作の名前に「(deprecated)」という接尾辞が付きます。

操作のプロパティからの埋め込みドキュメントの書き出し

LiveCycle ES には、プロパティ値として使用するドキュメントをファイルシステムから選択できるサービス操作がいくつかありました。ドキュメントを選択すると、そのドキュメントがプロセスのプロパティに埋め込まれます。例えば、Assembler サービスの invokeDDX 操作と invokeOneDocument 操作は、ファイルシステムから DDX ドキュメントを選択して、そのプロパティを設定することができます。

LiveCycle ES3 では、もっと簡単に更新できるよう、アプリケーションからドキュメントを選択できるようになりました。そのため、埋め込みドキュメントを含むプロセスを読み込んだ後は、プロセスのプロパティビューを使用して、ドキュメントを表示したり編集したりすることはできません。埋め込みドキュメントを表示したり編集したりするには、それらをアプリケーションに書き出しする必要があります。書き出し後、アセットを開いて表示または編集します。

埋め込みドキュメントの書き出しは、プロセスをアプリケーションに読み込んだ後でのみ行うことができます。また、書き出しの際は、プロセスをチェックアウトする必要があります。ドキュメントの書き出しを実行すると、新しいアセットを値として使用するように、操作のプロパティが自動的に設定されます。

埋め込みドキュメントの書き出し:

  1. プロセスダイアグラムで、埋め込みドキュメントをプロパティ値として使用する操作を選択します。

  2. プロセスのプロパティビューで、埋め込みドキュメントを値として使用するプロパティを探します。

  3. 書き出しボタンをクリックします。

    書き出しボタンは、埋め込みドキュメントの値が存在する場合にのみ表示されます。

  4. 「File Name」ボックスにファイルの名前を入力します。正しいファイル名拡張子を使用してください。

  5. アプリケーションのバージョンとファイル保存先フォルダーを選択し、「OK」をクリックします。

XPath 式からヌル値が返されることを前提としたロジックの変更

次の状況を前提としたロジックがプロセスに存在しないか確認します。

  • XPath 式からヌル値が返される。

  • サービスコンポーネントまたはカスタムコンポーネント(サービスコンテナーファイル)のカスタム Java クラスによって定義されたデータタイプから XPath 式によって値が取得される。

LiveCycle ES3 では、この状況での動作が異なります。XPath 式からヌル値は返されません。該当するデータタイプの空値インスタンスが返されます。XPath 式からヌル値が返されることを前提としているビジネスロジックの場合、XPath 式から確実にヌルが返されることを確認する必要があります。または、ビジネスロジックの実装を変更する必要があります。

注意: xml 変数から値を返す XPath 式では、引き続きヌル値がサポートされます。

人間中心のプロセスのアップグレード

アプリケーションに読み込んでデプロイメント ID プロパティをリセットした人間中心のプロセスは、若干変更を加える必要があります。これは、LiveCycle ES2 における次の変更点によるものです。

  • フォームおよびフォームデータの表現方法が変更された。

  • レンダリングサービスおよび送信サービスの設定方法が変更された。

  • Task Manager エンドポイントが Workspace スタートポイントを使用して作成される。

  • User サービスが非推奨となり、User 2.0 サービスに置き換えられた。

注意: User サービスはサポートされますが、製品の変更に伴って、LiveCycle ES3 ソリューションではその扱いが複雑化しています。User 2.0 サービスを使用するよう強くお勧めします。

User サービスまたは Task Manager エンドポイントを使用するプロセスには、次の変更が必要となります。

フォーム固有の変数の置き換え

Workspace スタートポイントの設定

User 2.0 サービスの使用

プロセス(カスタムのレンダリングプロセスと送信プロセスおよびサブプロセスを含む)、フォームなど各種のリソースをあらかじめ 1 つ以上のアプリケーションに読み込んでおく必要があります(アプリケーションへのリソース、プロセスおよびイベントの読み込みを参照)。また、デプロイメント ID プロパティをリセットする必要があります(既存のランタイムインスタンスとのリンクの解除を参照)。

フォーム固有の変数の置き換え

LiveCycle ES3 では、フォームやフォームデータを表現する際に xfaForm、Document Form および Form 変数は使用されません。代わりに、フォームアセットが直接参照され、データは xml 変数に保存されます。フォームから送信された PDF ドキュメントは、ドキュメント変数に保存されます。

注意: レンダリングサービスおよび送信サービスは、今後、フォーム変数プロパティで設定することはできません。これらのサービスは、フォームアセットプロパティのアクションプロファイルに関連付けられます。アクションプロファイルは、使用するレンダリングサービスと送信サービスなど、ユーザーに対するアセットやデータの提示に関するプロパティを制御します。

xfaForm、Document Form または Form 変数を置き換える際は、あらかじめそのプロパティ値をメモしておいてください。プロセス内の xfaForm、Document Form および Form 変数ごとに、対応する xml 変数を作成するには、次の手順を実行します。変数が表しているフォームをアプリケーションにあらかじめ読み込んでおく必要があります。

xml 変数の作成:

  1. 変数ビューで、 (新しい変数の作成)をクリックします。

  2. 「Name」ボックスに変数の名前を入力します。次の命名規則に従ってください。

    • 有効な XML 文字のみを含んだ有効な XML 要素名であること。

    • 先頭文字が数字でないこと。

    • 文字数が 100 文字未満であること。

    • 一意であること。したがって、プロセスデータモデルで必ず使用される予約済みの変数(idcreate_timeupdate_timecreator_id status)は使用できません。

  3. 「Type」リストで xml を選択します。

  4. 変数を使用してプロセスデータを格納する場合、Purpose 領域で「Process Variable」を選択します。

    • プロセスの開始時に指定された入力データをこの変数に格納する場合は、「Input」を選択します。

    • プロセスが完了したときにその開始者に返されるデータをこの変数に格納する場合は、「Output」を選択します。

    • プロセスを開始するための必須の入力データをこの変数に格納する場合は、「Required」を選択します。

  5. XPath Builder に xml データの構造を表示するためのスキーマを読み込むには、「Import Asset」をクリックします。

  6. 埋め込みスキーマを含んだ XSD ファイルまたは XDP ファイルをアプリケーションから選択し、「OK」をクリックします。

  7. 「OK」をクリックします。

既存のレンダリングプロセスと送信プロセスの使用

アクションプロファイルは、フォームをはじめとするプレゼンテーションアセットの事前入力、レンダリングおよび送信の柔軟性を高めます。アクションプロファイルの機能を使用すれば、従来のようにカスタムのレンダリングサービスや送信サービスを使う必要はありません。ただし、LiveCycle ES のカスタムレンダリングプロセスとカスタム送信プロセスは、LiveCycle ES3 のソリューションでも引き続き使用できます。

注意: カスタムのレンダリングプロセスと送信プロセスが LiveCycle ES3 でも必要かどうかを判断するには、「データの取得と表示のデザイン」を参照してください。

LiveCycle ES3 では、レンダリングプロセスと送信プロセスに、Task Context タイプの入力変数が含まれている必要があります。既存のレンダリングプロセスと送信プロセスを直接呼び出すには、TaskContext 値を入力として使用するように再設計します。再設計を避けるには、既存のレンダリングプロセスまたは送信プロセスを呼び出す次のようなプロセスを作成します。

  • 既存のレンダリングプロセスと送信プロセスに変更は不要。

  • 既存のプロセスの入力値は、サービスの呼び出し操作で設定される。

  • 呼び出し操作を設定するための有効なデータは、新しいプロセスへと自動的に渡される TaskContext 値に格納される。

カスタムのレンダリングプロセスと送信プロセスを使用する各フォームアセットについて、次の手順を実行します。カスタムのレンダリングプロセスと送信プロセスをあらかじめアプリケーションに読み込んでおく必要があります(アプリケーションへのリソース、プロセスおよびイベントの読み込みを参照)。

デプロイメント ID プロパティのリセット:

  1. 読み込んだ既存のレンダリングプロセスと送信プロセスのデプロイメント ID プロパティをリセットします。リセットすることによって、サブプロセスとしての呼び出しが可能となります(既存のランタイムインスタンスとのリンクの解除を参照)。

  2. レンダリングプロセスと送信プロセスを含んだアプリケーションを右クリックし、「Deploy」をクリックします。

レンダリングプロセスと送信プロセスの新規作成:

  1. アプリケーションビューでアセットを右クリックし、「Manage Action Profiles」をクリックします。

  2. デフォルトのアクションプロファイルを選択するか、デフォルトのアクションを保持するアクションプロファイルを作成します。

  3. レンダリングプロセスを作成するには、「Render Process」で、レンダリングプロセスの作成ボタン をクリックします。

  4. プロセスの名前を入力して「OK」をクリックします。

  5. 送信プロセスを作成するには、「Submit Process」で、送信プロセスの作成ボタン をクリックします。

  6. プロセスの名前を入力して「OK」をクリックします。

  7. 「OK」をクリックして Manage Action Profiles ダイアログボックスを閉じます。

レンダリングプロセスと送信プロセスの設定:

  1. アプリケーションビューで、新しいレンダリングプロセスまたは送信プロセスを右クリックし、「Open」を選択します。

  2. プロセスに自動的に追加された操作を定義します。

    • レンダリングプロセスの場合、Render 操作を右クリックし、「Define Operation」をクリックします。

    • 送信プロセスの場合、Submit 操作を右クリックし、「Define Operation」をクリックします。

  3. 既存のレンダリングプロセスまたは送信プロセスの呼び出し操作を選択し、「OK」を選択します。

  4. Confirm ダイアログボックスで「Yes」をクリックします。

  5. プロセスのプロパティビューで、呼び出し操作の Input プロパティおよび Output プロパティを設定します。

Workspace スタートポイントの設定

プロセスのエンドポイントの作成の手順で追加した Workspace のスタートポイントを設定します。

Workspace のスタートポイントの値の大半は、LiveCycle ES Task Manager のエンドポイントに使用されている値と同じです。次の表は、LiveCycle ES Task Manger のエンドポイントのプロパティの値を使用して、Workspace のスタートポイントを設定する方法を示しています。

LiveCycle ES Task Manager のエンドポイントのプロパティ

対応する Workspace のスタートポイントのプロパティ

Name

General/Name

Description

General/Description

User Can Forward Task

Options/User Can Forward Task

Show Attachment Window

対応するプロパティはありません。Permit Adding Attachments が選択された場合、添付ファイルウィンドウが表示されます。

Allow Attachment Adding

Attachment Options/Permit Adding Attachments

Task Initially Locked

Options/Task Initially Locked

Add ACLs for Shared Queues

Options/Add ACLs For Shared Queues

Task Instructions

General/Task Instructions

Process Owner

General/Contact Info

Categorization

General/Category

Operation Name

不要。現在のプロセスが呼び出されます。

これ以外にも、Workspace のスタートポイントには、以下のようなプロパティがあります。フォームや、フォームデータを格納するための変数は、これらのプロパティによって設定されます。

Asset:
ユーザーに表示されるプレゼンテーションアセットです。省略記号ボタンをクリックし、フォームまたはガイドファイルを選択します。任意のアプリケーションからファイルを選択できます。

Action Profile:
アセットで使用するアクションプロファイルです。表示されるアクションのプロファイルは、選択したアセットに対して既に作成されたものです。

Variable:
送信データを格納する変数です。xml、document、Task Result のいずれかの変数を選択します。
  • アセットから送信されるデータが XML または XDP 形式のフィールドデータである場合は、xml 変数を選択します。

  • アセットが、PDF ドキュメントを送信する PDF フォームである場合は、ドキュメント変数を選択します。

  • フィールドデータだけでなく、タスクに関するその他の情報も保存する場合は、Task Result 変数を選択します。

Reader Submit:
送信ボタンを持たない XDP または PDF フォームの送信を有効にするプロパティです。LiveCycle ES ではこの状況がサポートされていなかったので、このプロパティを設定する必要はありません。

フォームアセットおよび xml 変数は、スタートポイントを設定する前に設定します(フォーム固有の変数の置き換えを参照)。

Workspace のスタートポイントの設定:

  1. プロセスダイアグラムで、Workspace のスタートポイントを選択します。

  2. プロセスのプロパティビューで、LiveCycle ES Task Manager エンドポイントの対応する値(上の表を参照)を使ってプロパティを設定します。

  3. Presentation & Data プロパティグループを展開し、次の値を指定します。

    • Asset:ユーザーに表示するフォームまたは Flex アプリケーションを選択します。

    • Action Profile:使用するアセットのアクションのプロファイルを選択します。

    • Start Point Output:送信データを保存するための xml 変数を選択します。

User 2.0 サービスの使用

プロセスダイアグラム上の各 Assign Task 操作(User サービス)を User 2.0 サービスの Assign Task 操作に置き換えます。

新しい Assign Task 操作の値は、その多くが、非推奨となった Assign Task 操作と共通しています。次の表は、非推奨となった操作に使用されていた値をもとに、新しい Assign Task 操作を設定する方法を示しています。

非推奨の Assign Task プロパティ

対応する Assign Task 操作(User 2.0 サービス)のプロパティ

General プロパティ

General プロパティ

Route Evaluation プロパティ

Route evaluation プロパティ

Initial User Selection プロパティ

Initial User Selection プロパティ

Task Instructions

Task Instructions

Form Data Mappings

対応するプロパティはありません。LiveCycle ES3 では、フォームおよびフォームデータの表現方法が変更されました。

Task Access Control List (ACL) プロパティ

Task Access Control List (ACL) プロパティ

Delegation and Consultation プロパティ

Reassignment Restrictions プロパティ

Attachments and Notes/Show Attachment Window For This Task

Attachments/Show Attachment Window For This Task

Attachments and Notes/Do Not Initialize This Action With Any Notes Or Attachments

Attachments/Input List (入力リストは指定しない)

Attachments and Notes/Copy All Notes and Attachments From Previous Task

Attachments/Input List (前のタスクからの出力添付ファイルを保存した list 変数)

Attachments and Notes/Copy All Notes and Attachments From A List Of Documents

Attachments/Input List

Attachments and Notes/Output Attachments

Attachments//Output Attachments

Routes And Priority/Initialize Task With Route Names

User Actions/Specify Custom Names For Actions。ルート名ごとにユーザーアクションを追加します。

Routes And Priority/User Must Select A Route To Complete The Task

対応するプロパティはありません。LiveCycle ES3 では、ユーザーは、必ずユーザーアクションを選択してタスクを完了する必要があります。

Routes And Priority/Select Priority For This Task

Priority/Task Priority

Reminders プロパティ

Reminders プロパティ

Escalation プロパティ

Escalation プロパティ

Deadline プロパティ

Deadline プロパティ

Custom Email Template プロパティ

Custom Email Template プロパティ

非推奨の Assign Task 操作を置き換える前に、フォームアセットおよび xml 変数を設定しておく必要があります(フォーム固有の変数の置き換えを参照)。非推奨の Assign Task 操作を置き換えるには、次の手順を使用します。

Assign Task 操作の追加:

  1. Assign Task 操作をプロセスダイアグラムにドラッグします。

  2. プロセスのプロパティビューで、置き換えようとする非推奨の Assign Task 操作に対応する値(上の表を参照)を使ってプロパティを設定します。

  3. Presentation & Data プロパティグループを展開します。

  4. 「Use An Application Asset」を選択し、「Asset」ボックスの横の省略記号ボタン をクリックして、フォームアセットを選択します。

  5. 使用するアクションのプロファイルが選択されていることを確認します。

  6. (オプション)アセットへの事前入力を行うには、そのデータを保持する既存の xml 変数を「Variable」リストから選択します。例えば、Start Point Output プロパティの値として使用されていた変数を選択します。プロパティの値として使用する xml 変数を作成するには、新しい変数の作成ボタンをクリックします。

  7. Output プロパティグループを展開します。

  8. (オプション)送信されたタスクデータを保存するには、「Task Result」リストで、Task Result 変数を選択します。プロパティの値として使用する変数を作成するには、新しい変数の作成ボタンをクリックして、Task Result 変数を作成します。

    Task Result 変数が、LiveCycle ES2 で導入されました。この変数には、タスクと共に送信されるすべてのデータ(アセットデータ、タスクに関する情報など)が格納されます。
  9. (オプション)送信されたアセットデータを保存するには、「Output Data」リストで、データを保存するための xml 変数を選択します。アセットデータを個別に保存すると、そのデータを、後続のタスクのアセットにデータを投入する際に役立てることができます。

新しい Assign Task 操作のルートの描画:

  1. 非推奨の Assign Task 操作につながるルートまたは非推奨の Assign Task 操作を起点とするルートに条件が含まれている場合、その条件の式をメモします。

  2. 非推奨の Assign Task 操作につながるルートまたは非推奨の Assign Task 操作を起点とするルートを削除します。

  3. 前の手順で追加した新しい Assign Task 操作を起点または終点としてルートを描きます。

  4. (オプション)非推奨の Assign Task 操作が、タスク送信オプションとしてルート名を使用していた場合、各ルートのユーザーアクションを追加します。例えば、ルート名が Approve と Deny の場合、Approve および Deny という名前のユーザーアクションを追加します。

    • User Actions プロパティグループを展開します。

    • ユーザーアクションの追加ボタン をクリックします。

    • ユーザーに表示するアクションの名前を「Action Name」ボックスに入力します。

    • 「Destination」リストから、ユーザーアクションがクリックされたときに実行する次の操作を選択し、「OK」をクリックします。

  5. (オプション)非推奨の Assign Task 操作につながるルートまたは非推奨の Assign Task 操作を起点とするルートに条件が含まれている場合、新しい Assign Task 操作のルートにその条件を追加します。

    • ルートを選択し、プロセスのプロパティビューで、Conditions プロパティグループを展開します。

    • ルート条件の追加 ボタンをクリックします。

    • 左側の「Expression」ボックスに、式の最初の部分を入力します。条件が複雑な場合、省略記号ボタン をクリックすると、XPath Builder が表示されます。

    • Operation リストで、操作を選択します。

    • 右側の「Expression」ボックスに、式の 2 番目の項を入力します。条件が複雑な場合、省略記号ボタンをクリックすると、XPath Builder が表示されます。

    • 「OK」をクリックして、Route Properties ダイアログボックスを閉じます。

    • Conditions カテゴリに複数のルーティング条件が存在する場合、結合条件を選択して、条件の評価方法を決めます。

      • 「Use AND Join For Conditions」は、すべての条件が True に評価された場合にのみ、ルートが有効であることを意味します。

      • 「Use OR Join For Conditions」は、条件が 1 つでも True と評価された場合、ルートが有効であることを意味します。

      デフォルトの結合条件は「Use OR Join For Conditions」です。

非推奨の Assign Task 操作の削除:

 非推奨の Assign Task 操作を右クリックし、「Delete Operation」をクリックします。

LiveCycle ES3 への LCA の移行

*10 で追加*

Workbench は、LiveCycle アーカイブファイルをアプリケーションモデルにアップグレードできる Archive Migration Tool に統合されています。以前のバージョンではプラグインとして提供されていましたが、Workbench 10 ではこのツールが標準機能として搭載されています。

Archive Migration Tool は、8.x の LCA をアプリケーションモデルに変換します。アプリケーションモデルは、機能的には、LiveCycle 8.x で見られたリソースモデルに相当します。

  1. Archive Migration Tool にアクセスするには、File/Archive Migration Tool を選択します。

  2. 参照ボタンをクリックし、移行対象の LCA をポイントします。

  3. 新しい LiveCycle ES3 アプリケーションの名前と説明を入力します。「Finish」をクリックします。

  4. アプリケーションビューを見ると、新しいアプリケーションが作成済みであることがわかります。

LiveCycle サーバーにはまだ、新たに作成したアプリケーションが保存されていません。同じことは、アプリケーションとそのアセットを Workbench にチェックインして行うこともできます。

LCA の移行後、次のタスクを実行します。
  • LCA を移行すると、プロセス変数とアクティビティ設定に対する参照は解除されます。アクティビティを調べ、その設定とプロセス変数がきちんと保たれていることを確認します。必要であれば、参照を手動で更新してください。

  • 非推奨の API を新しい API に置き換えます。

  • プロセスにイベントが使用されている場合、プロセスを再度デプロイしてイベントビューを更新します。

注意: Archive Migration Tool では、カスタムコンポーネントは移行されません。コンポーネントビューでカスタムコンポーネントを再度読み込み、手動で移行してください。

アセットの参照の更新

既存のプロセス、リソースおよびイベントタイプをアプリケーションに読み込むと、その項目の URL が変更されます。フォーム(相対的位置が変更された場合)内およびカスタムクライアントアプリケーション内の項目に対する参照を更新します。

プロセスサービス

デプロイされているプロセス用に作成されたサービスを、LiveCycle ES SDK で作成したカスタムアプリケーションから呼び出す場合、それらのカスタムアプリケーションに変更を加えます。Java™ コードにおけるこれらのサービスの名前は、LiveCycle ES3 では次の形式になっている必要があります。

[Application Name]/[Service Name]
  • [Application Name] は、プロセスが属しているアプリケーションの名前です。

  • [Service Name] は、プロセスサービスの名前です。

リソース

次の形式の URL を使用するようにリソースへの参照を変更します。

repository:///Applications/[Application Name]/[version]/[legacy path]
  • [Application Name] は、リソースが属しているアプリケーションの名前です。

  • [version] は、アプリケーションのバージョンです。

  • [legacy path] は、リソースビューに表示されたリソースのパスです。

例えば、リソースビューにおけるフォームのパスが Loan/Forms/request.xdp だとします。このフォームを、NewCustomers という名前のアプリケーションのバージョン 1.0 に読み込みます。新しい URL は repository:///Applications/NewCustomers/1.0/Loan/Forms/request.xdp となります。