操作用データの入出力

プロセスのほとんどの操作で入力データを受け入れ、データを処理するか、またはデータに基づいてアクションを実行し、出力として返します。操作のプロパティを設定して、入力データおよび出力データを保存する場所を指定します。通常、プロパティは、「Process Properties」ビューで「Input」プロパティグループと「Output」プロパティグループに整理されます。一部の操作では、他のプロパティグループが使用されます。

この操作によって、プロパティ値に使用する必要があるデータのタイプが決定されます。また、この操作では、さまざまなフォーマットで値を指定できます。

フォーマット

説明

推奨される用途

リテラル値

このプロパティ値はテキストボックスに入力して、または「Process Properties」ビューのドロップダウンリストを使用して指定されます。

この値は、プロセス内の 1 つの操作のプロパティのみに使用されます。

値が複数回にわたって使用される場合、変数または XPath 式を使用することによって、同じ値を再入力する時間を節約できます。

テンプレート

このデータは XPath 式が埋め込まれた文字列として指定され、この式は {$...$} 記号で囲まれます(テンプレート式の指定を参照)。

この操作のプロパティには文字列値が必要で、その値には静的テキストと、プロセスインスタンスに応じて変わるテキストの両方が含まれます。

例えば、このフォーマットはタスクの説明を入力するときに使用できます(タスクの手順の指定を参照)。

変数

このデータは、リストから選択した変数として指定されます。変数で保存される値はプロパティ値として使用されます(プロセス変数を参照)。

この値は既に変数に保存されています。

  • プロセスが起動されると、値がプロセスに渡されます。

  • 変数を作成し、明示的に値を設定します。

XPath 式

この値は XPath 式によって指定されます。XPath 式は「XPath Builder」ダイアログボックスを使用して作成できます(XPath 式の作成を参照)。

この値はプロセスデータモデルに保存され、変数値全体、または変数データのサブセットを指定できます。

例えば、XPath 式を使用して、送信されたフォームからのデータの特定の項目の値を指定します(フォームフィールドの値の取得を参照)。

通常、プロパティのリテラル値を指定する方が、変数を使用するよりも簡単です。ただし、次のような状況では、プロパティ値として変数を指定することは推奨されません。

  • この値はプロセス呼び出しパラメーターとしてプロセスに渡され、変数に保存されます。

  • 操作によって値が返され、変数に保存されます。

  • プロセス内の複数の操作のプロパティに同じ値を使用します。

入出力データの設定

「Process Properties」ビューで操作の入出力データを設定します。このセクションの手順は汎用です。指定する値は操作に応じて異なります。

注意: 「Process Properties」ビューでアスタリスク(*)でマークされた値は必須です。

操作の入出力データを設定します。

  1. プロセスダイアグラムで操作を選択します。

  2. 「Process Properties」ビューを開きます。

  3. 「Input」カテゴリが存在する場合は、これを展開し、データタイプを指定して、入力データの値およびプロパティを入力します。

  4. 「Output」カテゴリが存在する場合は、これを展開し、データタイプを指定して、出力データの値およびプロパティを入力します。

  5. 他のカテゴリに入出力データが含まれる場合、それらのカテゴリを展開し、データの値およびプロパティを入力します。

データ強制

操作に特定のデータタイプのデータが必要な場合、別のデータタイプのデータが指定されると、自動データ強制によってデータタイプの不一致が処理される可能性があります。LiveCycle がデータタイプの不一致を検出した場合、まず、DSC によって実装されたコンテキストに固有の強制を使用して取得しようと試みます。これに失敗した場合、LiveCycle は内部強制ルールテーブルを参照して問題を解決します。これに失敗した場合のみ、強制例外がスローされます。

例えば、操作にタイプ int の入力値が必要なものの、string が指定されている場合、LiveCycle サーバーは強制または string から int への変換を試行します。string に文字列 "123" のような数値が含まれる場合、強制が行われ、操作を続行でき、値を整数 123 として扱います。

注意: 現在のデータタイプが要求されたデータタイプと一致する場合、常に強制が成功します。

次の表に内部強制ルールテーブルを示します。これは、特定のデータタイプの組み合わせの限定的な強制の結果を説明しています。

注意: この表では、数値がデータタイプ int、short、long、byte、および float を表します。

現在のデータタイプ

要求されるデータタイプ

強制

あらゆるタイプ

string

成功

あらゆるタイプ

binary (byte[])

成功

あらゆるタイプ

numeric

失敗

あらゆるタイプ

org.w3c.dom.Document

失敗

あらゆるタイプ

com.adobe.idp.Document

失敗

あらゆるタイプ

java.util.List

失敗

あらゆるタイプ

java.util.Map

失敗

binary (byte[])

com.adobe.idp.Document

成功

binary (byte[])

where byte[] is a list

java.util.List

成功

binary (byte[])

where byte[] is a map

java.util.Map

成功

Boolean

int

成功

Boolean

short

成功

Boolean

long

成功

Boolean

byte

成功

Boolean

float

成功

numeric

Boolean

成功

numeric

numeric

成功

document

org.w3c.dom.Document

成功

java.io.InputStream

java.util.List

成功

java.io.InputStream

java.util.Map

成功

org.w3c.dom.Document

com.adobe.idp.Document

成功

string

numeric

成功

string

Boolean

成功

string

org.w3c.dom.Document

成功

string

com.adobe.idp.Document

成功

その他の場合はすべて強制が試行されますが、結果は実行時まで不明です。LiveCycle がコンテキストに固有の強制の検出を試行する場合、検出に失敗すると、強制に失敗します。

注意: 上記の表で説明したデータの強制は、Service のカスタムエディターではサポートされません。

テンプレート式の指定

テンプレート式は XPath 式が埋め込まれた文字列で、{$...$} 記号で囲まれます。この形式は、電子メールメッセージまたはその他の通知メッセージでカスタマイズされた説明が必要な場所に操作の入出力データを指定する場合に使用されます。

テンプレート式を作成する場合:

  1. 指定された場所に、文字列を入力します。

  2. 「Insert Expression」をクリックし、「XPath Builder」で XPath 変数を選択します。

  3. 必要に応じて、手順を繰り返します。

例えば、ユーザーへのメッセージが含まれる出力データの変数が必要で、プロセス変数が指定される場所にデータ値を代入するとします。次の式を使用できます。

Dear {$/process_data/@title$} {$/process_data/@lastname$}, 
Your order {$/process_data/@order_id$} has been received.

出力時に、テンプレート式によって次のテキストが出力されます。

Dear Mrs. Jones, 
Your order 12345 has been received.