アンカー枠

アンカー枠の概要と FrameMaker での使用方法について説明します。

アンカー枠について

イラストレーションを特定の文書テキストと共に配置できます。 配置する場合は、アンカー枠(テキストにアンカーされたグラフィック枠)にイラストレーションを挿入します。 テキストの編集中は、枠とその中のオブジェクトが自動的にテキストと一緒に移動します。

アンカー枠はテキストコラム内にあるイラストレーションに使用でき、アンカー記号 アンカー記号 を含む行の下や、コラムの先頭または最後に挿入できます。 段落テキストの行に表示されるサイズの小さいグラフィック(インライングラフィック)や、コラムの間やページの余白部分のアートにもアンカー枠を使用できます。

また、アンカー枠を使用して特殊な効果を出すこともできます。例えば、段落上部の角にアンカー枠を配置して、段落テキストがアンカー枠を回り込むように設定することもできます。


FrameMaker のアンカー枠

A. 段落上端のグラフィック B. テキストコラム内のイラストレーション C. マージンアート D. テキスト行上の小さいサイズのグラフィック

例えば、レターヘッドのロゴなど、ページの特定の場所にイラストを配置したい場合は、アンカー枠を使用しないでください。テキストに挿入ポイントを置かずに、直接ボディページやマスターページにイラストレーションの描画、ペースト、または取り込みを行ってから、 挿入する位置まで移動します

デフォルトではアンカー枠に境界パターンや塗りパターンが設定されていないため、境界線の表示中を除いて、アンカー枠はページ上には表示されません。

アンカー枠を作成する

FrameMaker でアンカー枠を作成する方法について説明します。

挿入ポイントの位置にグラフィックをペーストしたり取り込んだりすると、自動的にアンカー枠が作成されます。 アンカー枠に指定された属性は、保持または変更できます。

挿入 > アンカー枠 コマンドを使用してアンカー枠を作成する場合は、枠の挿入位置やサイズと位置を指定します。また、枠の位置次第で、他の属性も指定できます。 例えば、行内の挿入ポイントの位置に枠を挿入する場合は、テキストのベースラインからの距離を指定できます。 テキストコラム内に枠を挿入する場合は、その整列を指定できます。 枠の位置など、すべての枠の属性は、いつでも変更できます。

アンカー枠を作成するときは、オブジェクトの属性を使用して、アンカーに独自のタグを設定できます。 これらのタグにより、文書のレイアウト構造が作成され、 PDF 形式のタグにマッピングする枠のエレメントを独自に定義できます。

文書にタグを付ける場合は、各文書の属性にも名前を付けます。 タグを使用して、内容を変更せずに、文書の外見を簡単に変更できます。

アンカー枠を自動的に作成する

次のいずれかの操作を行います。

  • オブジェクトをカットまたはコピーして、アンカー記号を挿入するテキストの位置をクリックしてから、編集 > ペーストを選択します。

  • テキストをクリックして、 ファイル > 取り込み > ファイル、または挿入 > 画像を選択し、取り込むグラフィックファイルを選択して、グラフィックをテキストに取り込みます。また、プラットフォームによっては、別の方法でもグラフィックを取り込むことができます。 (「取り込みとリンクの方法」を参照)。

ペーストしたり取り込んだりしたオブジェクトは、現在の行の下に中央揃えに設定したアンカー枠の中に表示されます。 枠の作成後、その属性を変更できます。

特定のオプションでアンカー枠を作成する

  1. テキスト内でアンカー記号を挿入する位置をクリックし、挿入 > アンカー枠を選択します。アンカー枠はテキスト枠内や表セル内に作成できますが、テキスト行内には作成できません。

  2. アンカー枠の位置を選択し、その属性を指定します。 アンカー枠ダイアログボックスに表示される属性は、アンカー枠の位置によって異なります。

  3. 「新規枠」をクリックします。アンカー記号 アンカー記号)は、制御記号の表示中に挿入ポイントの位置に表示されます。

インラインアンカー枠

FrameMaker でのインラインアンカー枠の操作方法、複数コラムレイアウトでのアンカー枠の整列方法、および構造化文書でのアンカー枠の使用方法について説明します。

キーキャップのように小さいサイズのグラフィックを挿入する場合など、段落テキストの行にアンカー枠を挿入するには、アンカー枠ダイアログボックスの「アンカー枠の位置」で「挿入ポイントの位置」を選択します。 アンカー枠の前または後にスペースを入れると、枠は文書の編集時に(前の単語か後の単語について移動するのではなく)1 つの単語のように行間を移動します。

枠をドラッグするか、アンカー枠ダイアログボックスの「ベースラインからの距離」オプションに値を指定して、テキストのベースラインからの距離で、枠の位置を上下に調整できます。 値を「0」に指定すると、枠の下端がテキストのベースラインに揃います。 正の値を指定すると枠が上に移動し、負の値を指定すると下に移動します。

距離に 0 と負の値を入力
インラインアンカー枠に対して距離に 0 と負の値を入力

枠がその上または下の行のテキストに重なる場合は、「行送りを固定」を解除して、行の高さが行の内容に応じて変わるように設定します。

「行送りを固定」が設定されている場合と解除されている場合
インラインアンカー枠に対して「行送りを固定」が設定されている場合と解除されている場合

ヒント: 内容のサイズに合わせてアンカー枠を縮小し、アンカー記号がある行に挿入するには、その枠または枠内のオブジェクトを選択し、Esc キー、m キー、p キーを順に押します。アンカー枠を拡大してアンカー記号がある行の下に挿入するには、その枠または枠内のオブジェクトを選択して、Esc キー、m キー、e キーを順に押します。

テキストコラム内のアンカー枠

アンカー枠の位置をテキストコラム内に設定するには、アンカー枠ダイアログボックスの 「アンカー枠の位置」オプションで 「現在の行の下」「コラムの先頭」「コラムの最後」 のいずれかを選択します。

「現在の行の下」と「コラムの先頭」
「現在の行の下」と「コラムの先頭」のアンカー枠

コラムの先頭または最後に配置されたアンカー枠は、アンカー記号を別のコラムに移動した場合に移動します。

重要: 段落内見出しがある行の下にアンカー枠を挿入するには、段落内見出しではなく、ボディの段落内にアンカー記号を挿入します。 このようにしないと、段落内見出しの下にあるテキストが、アンカー枠の下に隠れてしまいます。

現在の行の下」、「コラムの先頭」または「コラムの最後」からアンカー枠の位置を選択すると、次の属性を設定できます。

横方向の整列

整列ポップアップメニューで「横方向の整列」を選択します。 枠は左、中央、または右に整列できます。 見開きの文書では、アンカー枠を中心からの距離で調節し、整列できます。

外側
アンカー枠の横方向の整列

トリミング

幅の広い枠がコラムの端を越えないようにするには、「トリミング」オプションを使用します。

「トリミング」のオン / オフ
アンカー枠のトリミング

フローティング

「フローティング」オプションを使用すると、枠とアンカー記号が同じコラムに収まらない場合、その枠が収まる次のコラムに枠をフローティングさせることができます。

「フローティング」のオン / オフ
アンカー枠のフローティング

「フローティング」がオフの場合は、枠とアンカー記号が収まる最初のコラムに移動します。 余白がコラムの下部に残ります。 「フローティング」がオンの場合は、アンカー記号はそのままですが、枠は収容可能な次のコラムにフローティングします。アンカー記号と枠の間のスペースには、次のコラムのテキストが入ります。

複数コラムレイアウト内のアンカー枠

複数コラムのテキスト枠内では、アンカー枠を複数のコラムにわたって連結することができます。この場合の位置は、連結した段落によって変わります。

連結した段落内

連結した段落内で枠がアンカーされた場合、枠は段落と同じようにコラムに連結されます。

コラムより幅が広い枠

トリミングされていないアンカー枠がボディの次のコラムにかかる場合、アンカー枠はボディ内のコラムに連結されます。 同様に、横見出しにかかるアンカー枠は横見出しに連結されます。

横見出しとすべてのコラムに連結するアンカー枠と、コラムのみに連結するアンカー枠
横見出しとすべてのコラムに連結するアンカー枠と、コラムのみに連結するアンカー枠

トリミングされているアンカー枠は、連結した段落にアンカーが付いている場合に、コラムと連結されます。

コラムの先頭または最後

コラムの先頭にあるアンカー枠のアンカー記号が連結した段落よりも下にある場合、アンカー枠はコラムの先頭ではなく連結した段落のすぐ下に表示されます。

コラムの先頭、および最後にあるアンカー
コラムの先頭と最後に配置されたアンカー枠

コラムの最後にあるアンカー枠のアンカー記号が連結した段落より上にある場合も、同様に配置されます。

アンカー枠をコラムに連結させて、強制的にコラムの先頭や最後(連結した段落の上部または下部)に枠を表示することもできます。 これには、アンカー枠 ダイアログボックスで 「トリミング」 を解除し、アンカー枠が別のコラムにかかるように枠のサイズを拡大します。

テキストコラムの外側にあるアンカー枠

アンカー枠をテキストコラムの外に配置するには、アンカー枠ダイアログボックスのアンカー枠の位置ポップアップメニューで「コラムの外」を選択します。 アンカー枠が複数コラムの文書の場合でも常にページの余白部分に表示されるようにアンカー枠を配置する方法については、マニュアルを参照してください。

アンカー枠の位置として 「コラムの外」 を選択すると、次のような属性を設定できます。

コラムの右 / 左

アンカー枠は、コラムの右側か左側、またはページ端から外側か内側に設定できます。

コラムの左側、および右側にあるアンカー
コラムの左側、および右側にあるアンカー枠

見開きの文書では、アンカー枠を内側か外側に設定することもできます。

外側
アンカー枠を外側に配置する

ベースラインからの距離

枠をドラッグするか、アンカー枠ダイアログボックスの「ベースラインからの距離」オプションに値を指定して、テキストのベースラインに対して相対的に、枠の位置を上下に調整できます。 値を「0」に指定すると、枠の下端がテキストのベースラインに揃います。 正の値を指定すると枠が上に移動し、負の値を指定すると下に移動します。

0、および負の値に設定したベースラインからの距離
ベースラインからの距離が 0 のアンカー枠と、ベースラインからの距離が負の値のアンカー枠

アンカー枠の位置をテキスト枠の上端より上や、下端より下に設定することはできません。 アンカー枠の位置がテキスト枠の上か下になるように設定すると、自動的に最高の位置、または最低の位置に枠が配置されます。 アンカー記号がテキスト枠の上、または下にならないようにテキストを編集すると、アンカー枠は自動的に調整されます。

コラムからの距離

枠をドラッグするか、アンカー枠ダイアログボックスの「コラムからの距離」オプションに値を指定して、コラムの端に対して相対的にアンカー枠の位置を左右に調節できます。 値を「0」に指定すると、アンカー枠の端がコラムの端に揃います。 正の値を指定すると枠がコラムから離れて移動し、負の値を指定するとコラムの中に移動します。

コラムからの距離が 0 と正の値の場合
コラムからの距離が 0 のアンカー枠と、コラムからの距離が負の値のアンカー枠

アンカー枠の距離は、常にコラムの端からの距離に相対的に変わります。したがって、複数コラムのページではコラムの間に枠が表示されることがあります。 ページ余白とコラムレイアウトを変更して、枠が収まるようにコラムの間隔を拡張できます。 構造化文書で作業する場合は、開発者に連絡してアンカー枠が収まるようにコラムの間隔を拡張します。

ページの余白にあるアンカー枠

アンカー枠が常にページの余白部分に配置されるように(複数コラムレイアウトの場合も)設定するには、アンカー枠ダイアログボックスのアンカー枠の位置ポップアップメニューで「テキスト枠の外」を選択します。 前の節にあるようにオプションを指定できますが、 この場合に指定する距離はテキスト枠からの距離であり、複数コラムページで指定したテキストコラムの端からの距離とは異なります。

ページの外側と内側
ページの外側に配置されたアンカー枠と、ページの内側に配置されたアンカー枠

コラムが 1 つしかないレイアウトでは、「テキスト枠の外」オプションと「コラムの外」オプションを選択したときの効果はまったく同じです。

段落のテキスト内のアンカー枠

アンカー枠が段落の上の角に配置されるように(コラム内の段落テキストが枠を回り込むように)設定するには、アンカー枠ダイアログボックスのアンカー枠の位置ポップアップメニューで「段落内」を選択します。 例えば、小さいサイズのグラフィックやドロップキャップなどを段落の先頭に設定できます。

アンカー枠の高さが段落よりも高い場合は、そのアンカー記号を含む段落が連結している場合を除き、次の段落のテキストがアンカー枠を回り込みます。

複数の段落にかかる枠と連結する段落内の枠
複数の段落にかかるアンカー枠と、連結する段落内のアンカー枠

アンカー枠の位置ポップアップメニューの「段落内」を選択すると、次の属性を設定できます。

整列

アンカー枠は段落の左または右に整列できます。 見開きの文書の場合は、「内側」「外側」の選択もできます。

内側
ページの内側に向かってアンカー枠を整列する

アンカー枠が段落の左側にある場合はその段落の左インデントに整列し、段落の右側にある場合はその段落の右インデントに整列します。 段落が 1 行目でインデントされている場合に、アンカー枠によってインデントの位置が変わることはありません。

1 行目のインデント位置を越えるグラフィック
1 行目のインデント位置を越えるグラフィック

1 行目のインデント位置を越えないグラフィック
1 行目のインデント位置を越えないグラフィック

1 行目のインデントを保持する場合は、その段落の 1 行目のインデント設定をアンカー枠の幅より大きく設定します。構造化文書で作業する場合は、開発者に連絡して、その段落の 1 行目のインデント設定をアンカー枠の幅より大きく設定します。

間隔

アンカー枠とそれを回り込む段落テキストの間隔を指定することができます。

構造化文書でアンカー枠を入力する

構造化文書では、グラフィックエレメントによりグラフィックオブジェクトを保持するためのアンカー枠が提供されます。 枠は、テキスト内の特定の場所に配置されます。 テキストを編集すると、枠とその内容はテキストと共に文書内を移動します。

グラフィックエレメントを挿入するときには、エレメントの枠を配置する場所を指定します。 例えば、「Para」エレメント内に枠を配置したり(これによりグラフィックが「Para」エレメントの子エレメントになります)、「Para」および「Section」エレメント内のその他のエレメントの兄弟として「Section」エレメント内に枠を配置します。 どちらに配置するかは、エレメントが文書に対してどのように定義されているかによって決定されます。 設定する書式属性は、エレメントの書式ルールから独立しているため、これらのルールを上書きすることはありません。

ドキュメントウィンドウでは、表示/制御記号を選択すると、テキスト内に配置されたアンカー記号 アンカー記号 表示 > テキスト記号がオンになっていると、テキストのアンカー位置にが表示されます。枠は、テキスト文中、段落の横や下、または余白部分を含む、ページ上の様々な場所で表示できます。 アンカー記号に対して相対的なアンカー枠の位置を指定します。

アンカー枠の位置
構造化文書のアンカー枠の位置

グラフィックエレメントは、ページ上での枠の位置に関係なく、文書の構造内でエレメントがテキストに配置されている場所に表示されます。 構造図では、<GRAPHIC>というスニペットの付いた角のあるエレメントブロックでエレメントが表示されます。

グラフィックエレメント
文書構造内のグラフィックエレメント

アンカー枠エレメントを挿入する

  1. 枠を固定する位置をクリックします。

  2. エレメントカタログでアンカー枠エレメントを選択し、「挿入」をクリックします。

    また、挿入 > アンカー枠 を使用してエレメントを挿入することもできます。複数のエレメントを使用できる場合は、アンカー枠 ポッドの エレメントタグ ポップアップメニューから、希望するエレメントを選択します。

  3. 枠の配置位置を選択して、サイズと書式属性を指定します。 ダイアログボックスに表示される属性は、選択した配置位置により決定されます。 詳しくは、「インラインアンカー枠」を参照してください。

  4. 「新規枠」をクリックします。アンカー枠は、 アンカー記号 表示 > テキスト記号 を選択すると、 が挿入ポイントに表示されます。<GRAPHIC> というテキストスニペットを含んだブロックが 構造図に表示されます。

希望する位置で使用可能なアンカー枠エレメントがない場合は、無効なエレメントを使用することもできます。 無効なエレメントを挿入してから、挿入場所でそのエレメントを有効にすることについては開発者にお問い合わせください。

無効なアンカー枠エレメントを使用する

次のいずれかの操作を行います。

  • 文書の別の部分で有効なエレメントを使用するには、エレメントを有効な位置に挿入してから移動するか、「すべてのエレメント」の設定を使用して、エレメントをすべて使用可能にしてから希望の場所に挿入します。

  • デフォルトのタグの付いた無効なアンカー枠エレメントを挿入するには、 挿入 > アンカー枠を選択して、 エレメントタグ ポップアップメニューから 「GRAPHIC」 を選択します。(このオプションは、定義された枠エレメントが使用できない場合にメニューに表示されます)。

アンカー枠を塗りおよび編集する

Adobe FrameMaker でアンカー枠を塗りおよび編集したり、アンカー枠にグラフィックやテキストを挿入したりする方法について説明します。

アンカー枠内にグラフィックを作成したり、同じドキュメントの別の部分からグラフィックをドラッグまたはペーストしたりできます。または別のドキュメントやアプリケーションからグラフィックを取り込んだりペーストすることもできます。アンカーが付いていないグラフィック枠およびアンカー枠にグラフィックやテキストを配置する場合は、この方法を使用します。

アンカー枠にグラフィックを配置して、アンカー枠内のテキスト枠やテキスト行を図のタイトルとして使用することもできますが、 セルが 1 つの表に図を挿入して、表のタイトルを図のタイトルとして設定すると、図のタイトルの配置や自動番号を統一することができます。

アンカー枠の内容が枠の境界線にかかったり、境界線を越える場合は、内容がクリップされます。 フレームの境界線をクリックして表示します(境界線が見えない場合は、 表示 > 境界線を選択します)。


グラフィックが含まれている場合のアンカー枠の構造

A. 枠の境界線 B. トリミングしたグラフィック C. トリミングしたコールアウト

アンカー枠を作成したときに設定した枠のサイズ、位置および属性は変更することができます。構造化文書で作業する場合は、これらの変更はエレメントの書式ルールから独立しているため、文書の構造が影響を受けることはありません。

また、アンカー枠は、他のオブジェクトと同じように操作できます。 例えば、枠の図形属性(境界線の幅など)の変更や、複製、削除、移動またはサイズ変更もできます。

構造化文書でのアンカー枠への入力

構造化文書では、アンカー枠内にグラフィックを作成したり、同じ文書の別の部分からグラフィックをドラッグやペーストしたり、または別の文書やアプリケーションからグラフィックを取り込んだりペーストすることもできます。 グラフィックエレメントは文書の構造の一部ですが、枠に入力する内容は構造の一部ではありません。

サイドバー内のテキストなど、テキストを保持するためにアンカー枠を使用することができます。 テキストを保持するためには、アンカー枠内にテキスト枠を作成します。 ただし、テキストは文書の構造の一部ではない点に注意してください。

枠の内容は、XML または SGML へ書き出すときに保存されます。 FrameMaker では、内容を別のファイルに書き込み、XML または SGML からエンティティ参照を追加します。

重要: XML または SGML へ書き出す際に最良の結果を得るためには、各枠に入れるグラフィックを 1 つだけにします。 グラフィックがビットマップの場合は、表示のビット深度を 1 ビットまたは 24 ビットではなく、8 ビットにリセットしてください。 枠の内容が完全に保存されるよう、アプリケーション開発者にその他のアドバイスを求めてください。

枠にグラフィックを入力した後は、線幅の変更、塗りの色の適用、複数のオブジェクトの整列、スタック、またはグループ化など、様々な方法でグラフィックを編集できます。

グラフィックやテキストをグラフィック枠内に配置する

  1. 次のいずれかの操作を行います。

    • グラフィックを作成またはテキストを追加する場合は、ツールポッド上のツールを使用します。

      重要: オブジェクトの作成は、必ず枠内で開始してください。 枠外で開始すると、オブジェクトは枠内ではなく、ページ上に配置されます。
    • グラフィックを枠内に移動する場合は、ポインターが枠の境界線の中に入るまでグラフィックをドラッグします。 枠の境界線を通過すると、オブジェクトが枠の中に配置されます。

    • クリップボードからグラフィックを枠内にペーストする場合は、枠を選択してから 編集 > ペーストを選択します。

    • グラフィックを枠内に取り込む場合は、枠を選択してから ファイル > 取り込み > ファイルまたは挿入 > 画像を選択します。また、プラットフォームによっては、別の方法でもグラフィックを取り込むことができます。

    注意: アンカー枠内に見えるグラフィックが、周りのテキストの編集時に枠と一緒に移動しない場合、枠の中ではなく、枠の前面にグラフィックが挿入されている可能性があります。これは枠内ではなく、ページ上にグラフィックをペーストしたためです。 このような場合は、一旦グラフィックをドラッグして枠から離してから、もう一度枠の中にドラッグしてください。

アンカー枠内の内容のクリップを防ぐ

次のいずれかの操作を行います。

  • アンカー枠の外側に余裕がある場合は、枠を拡大します。

  • アンカー枠の内側に余裕がある場合は、オブジェクトを枠の端から移動します。

  • 内容が境界線の幅だけクリップされている場合は、ツール ポッドを使用してアンカー枠の境界線の幅を細くするか、境界パターンを 「なし」 に変更します(描画属性を適用・変更する参照

    )。
  • 枠とその内容がテキストコラムの端でクリップされている場合は、挿入 > アンカー枠を選択し、「トリミング」を解除して 「枠を編集」ボタンをクリックします。

枠のアンカーの位置と描画属性を変更する

枠を選択して、次のいずれかの操作を行います。挿入 > アンカー枠を選択します。

  • 枠のアンカーの位置を変更する場合は、挿入 > アンカー枠を選択します。設定を変更して、「枠を編集」をクリックします。

  • 描画属性を変更する場合は、枠を選択し、ツール ポッドを使用して必要な属性を指定します。例えば、枠の境界パターンを変更して枠の境界線をプリント可能にしたり、塗りパターンを変更して、枠内を塗りつぶすことができます。

アンカー枠のサイズを変更する

次のいずれかの操作を行います。

  • アンカー枠のサイズをすばやく大まかに変更する場合は、枠を選択して、ハンドルの 1 つをドラッグします。 ドラッグ中はサイズがステータスバーに表示されます。

  • アンカー枠のサイズを正確に変更する場合は、枠を選択し、

    グラフィック > オブジェクトの属性、グラフィック > 拡大・縮小、または挿入 > アンカー枠コマンドを選択してサイズを指定します。

  • 枠内のオブジェクトに合わせてアンカー枠のサイズを変更するには、Esc キー、m キー、p キーを順に押します。

  • アンカー枠内のグラフィックのサイズを変更する場合は、オブジェクトを選択し、ハンドルの 1 つをドラッグするか、

    グラフィック > 拡大・縮小を選択して、寸法を入力します。

  • アンカー枠を右クリックして「画像に合わせる」を選択すると、画像のサイズに合わせてアンカー枠を変更します。

アンカー枠をコピー、移動、削除する

アンカー枠のコピーと移動をする場合は、コピーとペースト機能を使用します。

  1. 枠を選択して、編集 > コピー または 編集 > カットを選択します。アンカー記号を選択する必要はありません。

  2. > 制御記号の表示中は、挿入ポイントの位置にアンカー記号が表示されます。 構造化文書で作業する場合は、エレメントカタログ その位置がグラフィックエレメントに有効かどうかを確認します。

アンカー記号が移動しても、枠の位置が変更されない場合もあります(枠がコラムの先頭や最後に配置されている場合など)。 回転されたテキスト枠やコラムの外側にあるアンカー枠の再配置が難しい場合は、テキスト枠の回転を解除し、アンカー枠を配置してからテキスト枠を回転します。

ヒント: 構造化文書で作業する場合は、構造図内の枠のブロックをドラッグして枠を移動するか、またはブロックを Alt キーを押しながらドラッグして、枠をコピーします。

アンカー記号を移動せずにアンカー枠を移動する

  1. 次のいずれかの操作を行います。

    • すばやく大まかに位置を変更する場合は、枠をドラッグします。

    • 正確に位置を変更する場合は、矢印キーを使用して枠を少しずつ移動します。

    • 最も正確に位置を変更するには、挿入 > アンカー枠コマンドを選択して枠の位置を指定します。

    アンカー記号を移動しないと移動できないアンカー枠もありますが、 挿入ポイントの位置やテキストコラムの外側、またはテキスト枠の外側にアンカーがある場合は、上下に枠を移動することができます。 コラムやテキスト枠の外側にアンカーがある場合は、テキスト枠の上端より上、または下端より下に枠を移動することはできません。

    注意: 枠をコラム内に移動する場合、コラム内のテキストは枠を配置するための自動調整は行いません。 アンカー枠の位置ポップアップメニューで「段落内」を選択して、枠が完全にコラムの中に入るように移動し、テキストが自動的に枠の外側を回り込むようにします。また、段落のインデントを変更して、枠を配置する余裕を作ることもできます。

枠のアンカー記号を移動する

  1. 枠を選択します。 アンカー記号を選択する必要はありません。

  2. > > 制御記号の表示中は、挿入ポイントの位置にアンカー記号が表示されます。

枠がテキストコラムの先頭や最後に配置されている場合など、アンカー記号が移動しても、枠の位置が変更されない場合もあります。

アンカー枠を削除する

枠を選択して、Delete キーを押します。

タグ付き PDF にオブジェクト属性を追加する

文書をタグ付き PDF または XML に書き出す場合、アンカー枠のオブジェクト属性情報を含めることができます。

代替テキストは、グラフィックや標準テキストとは異なります。 代替テキストは、通常、スクリーンリーダーでの音声による画像説明などに使用されます。 実テキストは、ドロップキャップなどから実際のテキストを読み出すために使用します。 例えば、作成者が「Adobe」という言葉の「A」の記述にドロップキャップを使用し、スクリーンリーダーには「dobe」ではなく「Adobe」と読ませたい場合、実テキストでこれを指定します。 この属性は、タグ付き PDF および XML 内の代替テキストや実テキストに保存されます。

アンカー枠上に代替テキスト属性を提供する場合、対応する PDF 内の図エレメントおよび XML 内のグラフィックエレメントにも「代替テキスト」属性が提供されます。 「実テキスト」属性は、タグ付き PDF に対してのみ生成され、 XML への書き出しでは、この属性は無視されます。

注意: オブジェクト属性では、Unicode テキストエンコード規格がサポートされます。
  1. >

    アンカー枠ダイアログが表示されます。

  2. 「オブジェクト属性」をクリックします。

  3. 「テキスト属性」セクションで、代替テキストおよび実テキストを追加し、「設定」をクリックします。

注意: 代替テキストがある場合は、スクリーンリーダーで実テキストが無視される可能性があります。

January 24, 2022

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