エラーを発生時に適切に処理するようにプロセスを設計できます。
実行時にプロセスデータを監視するには、Variable Logger サービスを使用します。
実行エラーを処理するには、イベントキャッチを使用します。
望ましくない状況が発生したときに実行を中断するには、Stall サービスを使用します。
実行エラー実行エラーが発生すると、プロセスインスタンスは停止します。プロセスインスタンスは、次のいずれかの理由で処理を完了できません。
停止した操作のエラー停止した操作のエラーは、プロセスバージョンの操作が実行時に失敗したときに発生します。例えば、Set Value サービスからの execute 操作では、文字列値を float データ型のプロセス変数に割り当てようとします。この値は無効であり、操作は停止します。
停止したブランチのエラー停止したブランチのエラーは、ルーティング条件にエラーがある場合に発生します。例えば、フォームの値を使用するルートに条件が設定されている場合があります。ルート条件は数値に基づきますが、フォーム値は誤って文字列値として入力されています。このエラーにより、ブランチは停止します。
管理コンソール内から、停止した操作のエラーまたは停止したブランチのエラーのリストと詳細を表示できます。停止した操作またはブランチの名前が表示されます。トレースバックの詳細を表示して、その情報を問題の原因の特定に役立てることができます。
実装エラープロセスバージョンの実行が正常に完了しても、プロセスバージョンが設計どおりに動作しない場合は、実装エラーが発生します。例えば、すべての高リスクローンの申し込みをマネージャーにルーティングするルート条件があり、マネージャーにこれらのローン申し込みがルーティングされない場合は、プロセスバージョンにエラーがあります。実装エラーには、計算エラーと状況エラーの 2 つのタイプがあります。
計算エラー計算エラーは、コマンドを実行してエラーが発生した場合に発生します。例えば、式内の関数で誤ったデータ型のパラメーターが使用されている場合、ルーティング条件でエラーが発生することがあります。エラーが発生すると、関連するブランチまたはアクションは、LiveCycle 管理者が介入するまで停止します。プロセスバージョンで使用されるブランチのタイプによっては、計算エラーの影響が軽減される可能性があります。
状況エラー状況エラーは、プロセスバージョンが設計どおりに動作しても、プロセスバージョンの実行中に望ましくない問題が発生すると、発生します。例えば、プロセスバージョンによって、タスクが特定のユーザーグループ内のユーザーにランダムに割り当てられるとします。そのユーザーが特定時間までにタスクを完了しない場合、そのタスクはグループ内の同じユーザーに誤って再割り当てされます。
状況エラーは、タスクが同じユーザーに再割り当てされた場合に発生します。状況エラーを回避するために、その状況が発生する前にブランチを停止させることができます。その後、管理者が介入して状況の修正を試みることができます。
Variable Logger サービスを使用した変数の監視実稼働環境で実行時にプロセス変数の値を監視するには、Variable Logger サービスに用意されているログ操作を使用します。ログ操作は、プロセスの特定のポイントで変数値をファイル、標準出力または LiveCycle サーバーログに書き込みます。
例えば、次のプロセスダイアグラムには、Assign Task 操作後のログ操作が含まれています。ログ操作後、Assign Task 操作で取得されたデータが Set Value サービスの execute 操作によって処理されます。ログ操作は変数データをファイルに保存します。execute 操作が実行時に停止した場合、ログに記録された変数値を使用してエラーをトラブルシューティングできます。
ログ操作によって、プロセス内の各変数に関する次の情報が報告されます。
次のテキストは、log3 というログ操作によるログエントリの例です。log3 操作は ActionID が 37 で、PID が 13 のプロセスインスタンスで実行されました。プロセスには、numberVar および listVar という 2 つの変数が含まれています。
[PID:13] [ActionID:37] Action Name: "log3" Start...
[PID:13] /process_data/@numberVar - java.lang.Float: 100000.0
[PID:13] /process_data/@listVar: null
[PID:13] [ActionID:37] End!
ログ操作について詳しくは、log 操作を参照してください。
例外イベントキャッチを使用したエラーの処理例外イベントキャッチを使用すると、プロセスは操作の実行時に発生したエラーに対応できるようになります。例えば、例外イベントがキャッチされると、プロセスは情報をログファイルに書き込んだり、電子メールを LiveCycle 管理者に送信したりできます(イベントスローの取得を参照)。
次のプロセスダイアグラムでは、Remove PDF Password Encryption 操作を使用して PDF ドキュメントを復号化し、Write Document 操作を使用してハードドライブにドキュメントを保存しています。ドキュメントの復号化時に EncyrptionServiceException 例外が発生した場合、Send With Document 操作は電子メールを送信して管理者に通知します。
Stall サービスを使用した状況エラーの処理予想される状況エラーの発生を防ぐには、Stall サービスに用意されている execute 操作を使用します。
例えば、プロセスにおいてパートナーのデータベースなどの外部リソースから提供されるデータを使用できます。Execute Script サービスの executeScript 操作は、データが有効であるかを検証するために使用できます。データが有効でない場合、Stall サービスの execute 操作は、データベース内のデータの修正中にプロセスインスタンスを停止できます。
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