データを取り込むためのフォームを作成するときに、データの形式設定方法を指定することができます。データの表示形式を指定するには、表示パターンを使用します。表示パターンが指定されていない場合、データは Designer のデフォルトに従って表示されます。
ユーザーの入力データが Designer のデフォルトと一致しないことが予想される場合は、編集パターンを指定する必要があります。編集パターンはユーザー入力の構文を示します。編集パターンを指定すると、実行時のアプリケーションによってユーザー入力が生の値に変換され、表示パターンに従って形式設定されます。
インタラクティブフォームをデザインするときは、検証するユーザー入力に注意する必要があります。例えば、テキストフィールドは使用方法によって検証が必要な場合とそうでない場合があります。フォーム入力者がコメントを入力する複数行のテキストフィールドについては、検証の必要はありません。同様に、数値フィールドでは、フォーム入力者は自動的に数値以外のデータを入力できなくなります。ただし、データを特定の範囲の数値に制限する場合は、ユーザー入力を検証できます。実行時にユーザーに正しい値を入力させるために、カスタムメッセージを表示することができます。カスタムメッセージを指定しなかった場合は、システムにより自動的にメッセージが生成されます。
フォームのプロパティダイアログボックスの「フォームの検証」タブのオプションを使用することで、Acrobat で検証メッセージを表示したり、データが無効または空白であるために失敗したフィールドや必須フィールドをハイライト表示したり、検証に失敗した最初のフィールドにフォーカスを設定したりする方法を制御できます。Acrobat での検証エラーの表示を参照してください。
注意: ユーザー入力の処理には、FormCalc 式と JavaScript スクリプトを使用できます(例えば、スクリプトでフィールドの生の値を要求できます)。式やスクリプトは生の値と形式設定された値を処理するので、入力が制限されたフィールドを検証することは重要です。
編集パターンと検証パターンを併用する例として、クレジットカード番号または社会保障番号の入力があります。テキストフィールドを次のような編集パターンで定義できます。
text{9999-9999-9999-9999}|text{9999
9999 9999 9999} for credit cards
または
text{999-99-9999}|text{999
99 9999} for a US social security number
どちらの場合でも、ユーザーはハイフン(-)またはスペース( )を含む数値か、16 桁または 9 桁の数値のみを入力できます。この数値の最も単純な標準形式は、16 桁または 9 桁の数値です。
さらに次のような検証パターンを追加することもできます。
text{9999999999999999}
または
text{999999999}
この場合、数値のみが保存され、検証では桁数が正しいかどうかが確認されます。ただしこの例では、検証パターンではなく検証スクリプトを指定する方がより有効です。クレジットカード番号が、単なる 16 桁のランダムな数値ではなく有効なクレジットカード番号の形式になるように、クレジットカード番号にチェックサムを実行するアルゴリズムがあります。クレジットカード用の Luhn アルゴリズムはこの一例です。
この結果、編集パターンによって典型的な 3 種類の形式によるクレジットカード番号のユーザー入力が許可され、さらに有効なクレジットカード番号形式の番号を検証スクリプトを実行して検証できるテキストフィールドをフォームに含めることができます。