組み込み関数の呼び出し

FormCalc は、幅広い機能を持つ組み込み関数の大規模なセットをサポートしています。関数名では大文字小文字は区別されませんが、キーワードと異なり、FormCalc によって予約されている関数名はありません。つまり、FormCalc の関数名と名前が一致するオブジェクトを持ったフォーム上で計算を行っても衝突は起こりません。

関数を実行して値を返すために引数のセットが必要であるかどうかは、関数によって異なります。関数の多くは、オプションの引数を持っています。つまり、特定の状況で引数が必要かどうかはユーザーが決定します。

FormCalc は、先頭の引数から始めて、関数のすべての引数を順番に評価します。必要な数よりも少ない数の引数を関数に渡そうとすると、関数からエラー例外が生成されます。

各関数では、それぞれの引数が特定の形式(数値リテラルまたは文字列リテラル)になっている必要があります。引数の値が関数で必要となる形式と一致しない場合、FormCalc によって値の変換が行われます。次に例を示します。

    Len(35)

Len関数では、実際にはリテラル文字列が必要です。この場合、FormCalc は引数を数値の 35 から文字列の「35」に変換し、関数は 2 と評価します。

ただし、文字列リテラルを数値リテラルに変換する場合は、それほど単純ではありません。次に例を示します。

    Abs("abc")

Abs関数では、数値リテラルが必要です。FormCalc では、すべての文字列リテラルの値を 0 に変換します。これは、Apr関数の場合など、0 の値を入力すると強制的にエラーとなる関数で問題を引き起こす可能性があります。

関数の引数の中には整数値のみを必要とするものもあります。そのような場合、渡された引数は小数部が切り捨てられて常に整数値に変換されます。

組み込み関数の重要な特性をまとめます。

  • 組み込み関数の名前は大文字小文字は区別されません。

  • 組み込み関数は事前に定義されているものですが、その名前は予約された語ではありません。つまり、組み込み関数Maxは、Max という名前のオブジェクト、オブジェクトプロパティまたはオブジェクトメソッドと衝突しないことを意味します。

  • 組み込み関数の多くは必要な引数の数が決められていますが、その引数に続けて任意の数の引数を指定することができます。

  • 組み込み関数AvgCountMaxMinSumConcatは、引数をいくつでも受け取ることができます。

FormCalc のすべての関数の完全なリストについては、アルファベット順関数リストを参照してください。