PDF の最適化設定

PDF Generator では、PDF ファイルのサイズを低減することができます。これらの設定をすべて使用するか、または一部のみを使用するかは、ファイルの使用目的と、ファイルに設定する必要がある基本的なプロパティによって異なります。ほとんどの場合、デフォルト設定が適しています。デフォルト設定にすると、埋め込みフォントの削除と画像圧縮によって領域を節約でき、不要になったアイテムがファイルから削除されるので、非常に効率的です。

注意: デジタル署名されたドキュメントを最適化すると、デジタル署名が削除されて無効になります。

この設定へのアクセス方法については、ファイルタイプ設定の作成または編集を参照してください。

対象 PDF バージョン:
PDF と互換性のある Acrobat のバージョンを指定します。

フォント

* LiveCycle ES3 の新機能 *

ドキュメントに埋め込まれたすべてのフォントを埋め込み解除したり、特定のフォントのみを埋め込み解除したりできます。また、ドキュメントでは使用されていない、フォントのサブセットの埋め込みを解除することもできます。
  1. フォント」を選択します。

  2. 次のいずれかのオプションを選択します。

    すべてのフォントの埋め込みを解除
    すべての埋め込みフォントの埋め込みを解除します。

    すべてのフォントの埋め込みを解除しない
    すべてのフォントの埋め込みを解除しません。

    いくつかのフォントの埋め込みを解除
    指定したフォントのみ埋め込みを解除します。埋め込みを解除するフォントを指定するには、次の手順を実行します。
    • 必要に応じて、フォントソースドロップダウンメニューで、別のフォントディレクトリを選択します。このドロップダウンメニューには、ホーム/設定/コアシステム/コア設定で指定したフォントディレクトリが表示されます。

    • 使用可能なフォントリストから 1 つ以上のフォントを選択し、「追加」をクリックします。これらのフォントは、埋め込み解除するフォントリストに追加されます。

    • LiveCycle サーバーに存在しないいくつかのフォントの埋め込みを解除する場合、それらのフォントの名前を「埋め込み解除するフォントを追加」ボックスに入力します。「追加」をクリックします。

    ドキュメントにサブセットが埋め込まれているフォントの埋め込みを解除する場合、+ 記号をフォント名のプレフィックスとして指定します。例えば、「+Helvetica」とします。

  3. 埋め込まれたフォントの使用中のサブセットのみを埋め込む場合、「すべての埋め込まれたフォントをサブセット化」を選択します。

    注意: このオプションを「いくつかのフォントの埋め込みを解除」と組み合わせて使用している場合、埋め込み解除するフォントを追加リストのフォントは、完全に埋め込み解除されたままになります。
    フォントのサブセット化は、フォントの一部のみを埋め込む方法です。フォントのサブセットには、ドキュメントで使用される文字のみが含まれます。

透明効果

* LiveCycle ES3 の新機能 *

透明効果を使用したアートワークが PDF 文書に含まれている場合、PDF の最適化設定を使用して透明効果を平坦化し、ファイルサイズを小さくすることができます。

「対象 PDF バージョン」として Acrobat 4.0 以降が選択されている場合、すべての透明オブジェクトが平坦化されます。「対象 PDF バージョン」でその他のバージョンが選択されている場合、透明効果がサポートされ、透明効果を設定できます。

 PDF 文書の最適化で透明効果を設定するには、透明効果を選択します。
透明効果レベル
保存するベクトル情報の量を指定します。 高い値に設定すると、より多くのベクトルオブジェクトが保存され、低い値に設定すると、より多くのベクトルオブジェクトがラスタライズされます。中間の値に設定すると、ベクトル形式の簡単な部分が保存され、複雑な部分がラスタライズされます。 すべてのアートワークをラスタライズするには、最低値を選択します。
注意: 実際にラスタライズされる割合は、ページの複雑さと重なったオブジェクトの種類によって変化します。

ラインアートとテキスト
画像、アートワーク内のベクトル部分、テキストおよびグラデーションを含む、すべてのオブジェクトがラスタライズされる解像度です。サポートされる値は、1 ppi(ピクセル/インチ)~ 9600 ppi です。
高品質なラスタライズを実現するには(特にセリフ系フォントや小さいポイントサイズのフォントの場合)、「ラインアートとテキストの解像度」は、通常、600 ~ 1200 ppi に設定してください。

グラデーションとメッシュ
グラデーションとメッシュがラスタライズされる解像度です。サポートされる値は、1 ppi ~ 1200 ppi です。
グラデーションとメッシュの解像度は、一般的には 150 ~ 300 ppi に設定します。解像度をより高く設定しても、印刷時間とファイルサイズが増えるばかりで、グラデーション、ドロップシャドウ、境界のぼかしの品質は必ずしも向上するわけではありません。

すべてのテキストをアウトラインに変換
すべてのテキストオブジェクト(文字、文字領域、テキストパス)をグラフィックス化し、透明を使用したページにあるすべての字形情報を破棄します。 このオプションを選択すると、分割・統合処理によるテキストへの影響が抑制されます。 このオプションを有効にすると、Acrobat で表示したり、低解像度のデスクトッププリンターで印刷した場合、小さなフォントが多少太く出力されるので注意してください。高解像度のプリンターやイメージセッタで印刷された文字の品質は影響を受けません。

すべての線をアウトラインに変換
透明を使用したページにあるすべての線を単一に塗られたパスに変換します。 このオプションを選択すると、分割・統合処理による線幅への影響が抑制されます。 このオプションを有効にすると、細い線が多少太く表示され、分割・統合のパフォーマンスが低下する場合があることに注意してください。

複雑な領域をクリップ
アートワーク内のベクトル部分とラスタライズ部分の境界線が、オブジェクトのパスに重なるように処理されます。 このオプションを選択すると、ベクトルオブジェクトの一部のみがラスタライズされる場合に、カラーステッチ(ベクトルオブジェクトとラスタライズオブジェクトの移行部分が目立ってぎざぎざに表示される現象)の発生が軽減されます。 ただし、これを設定するとパスが複雑になるので、プリンターに負担がかかる場合があります。
注意: 一部のプリンタードライバーはラスタライズ画像とベクトルオブジェクトに異なる処理を行いますが、これがカラーステッチの原因となることがあります。プリンタードライバー独自のカラーマネジメント設定を無効にすることによって、カラーステッチの問題を最小限にできる場合があります。 これらの設定はプリンターによって異なりますので、お使いのプリンターに付属の説明書を参照してください。

オーバープリントを保持
透明なオブジェクトのカラーと背景色をブレンドして、オーバープリントの効果を作成します。

画像

 カラー画像、グレースケール画像およびモノクロ画像の圧縮および再サンプリングオプションを指定するには、「画像」を選択します。

これらのオプションを使用して、ファイルのサイズと画像品質のバランスを適切に調整することができます。

カラー画像とグレースケール画像の解像度設定は、ファイルを出力する際の走査線数の 1.5 ~ 2 倍にする必要があります。モノクロ画像の解像度は、出力デバイスと同じである必要があります。ただし、モノクロ画像を 1,500 dpi よりも高い解像度で保存すると、ファイルのサイズが大きくなるだけで画質は大幅には改善されません。地図などの拡大される画像では、より高い解像度が必要になる場合があります。

注意: モノクロ画像を再サンプリングすると、画像が表示されないなど予期しない表示結果になる場合があります。表示結果に問題がある場合は、再サンプリングをオフにして、ファイルをもう一度変換します。この問題は、サブサンプリングで最も頻繁に発生し、バイキュービックダウンサンプリングではほとんど発生しません。

次の表に、一般的な種類のプリンターとその解像度(dpi 単位)、それらのデフォルトの走査線数(ライン/インチ(lpi)単位)、および画像の再サンプリング解像度(ピクセル/インチ(ppi)単位)を示します。例えば、600 dpi のレーザープリンターに出力している場合は、画像の再サンプリング時の解像度として 170 を入力します。

プリンターの解像度

デフォルトの走査線

画像の解像度

300 dpi(レーザープリンター)

60 lpi

120 ppi

600 dpi(レーザープリンター)

85 lpi

170 ppi

1200 dpi(イメージセッター)

120 lpi

240 ppi

2400 dpi(イメージセッター)

150 lpi

300 ppi

オブジェクトを破棄

 PDF から削除するオブジェクトを指定し、CAD 描画内の曲線を最適化するには、「オブジェクトを破棄」を選択します。
すべてのフォームの送信、読み込み、リセットアクションを破棄:
フォームデータの送信または読み込みに関連するすべてのアクションを無効にし、フォームフィールドをリセットします。アクションがリンクされているフォームオブジェクトは保持されます。

すべての JavaScript アクションを破棄:
JavaScript を使用するアクションを PDF から削除します。

埋め込みページサムネールを破棄:
埋め込みページサムネールを削除します。このオプションは、「ページ」ボタンをクリックしてからページサムネールが描画されるまでに時間がかかる大きなドキュメントに有効です。

曲線のコントロールポイントを減らす:
CAD 図面でカーブを描くために使用されるコントロールポイントの数を減らします。これにより PDF ファイルのサイズが小さくなり、画面でのレンダリングが速くなります。

埋め込み印刷設定を破棄:
ドキュメントから埋め込み印刷設定(ページの拡大縮小、両面モードなど)を削除します。

しおりを破棄:
ドキュメントからしおりをすべて削除します。

フォームのフィールドを統合:
フォームのフィールドの外観には変更を加えずに、フィールドを使用不可に設定します。フォームのデータはページと統合されて、ページコンテンツになります。

すべての代替画像を破棄:
画面上に表示するバージョンを除き、画像のバージョンをすべて削除します。PDF によっては、同じ画像の複数のバージョンが様々な目的(低解像度の画面表示、高解像度印刷など)で使用するために含まれている場合があります。

ドキュメントタグを破棄:
ドキュメントからタグを削除します。それに伴い、テキストのアクセシビリティおよび折り返し機能も削除されます。

画像フラグメントを検出および統合:
薄いスライスに断片化された画像またはマスクを探し、1 つの画像またはマスクになるようにスライスを統合します。

埋め込み検索インデックスを破棄:
埋め込み検索インデックスを削除します(ファイルサイズが減少します)。

ユーザーデータを破棄

 他のユーザーに配信または共有しない個人情報を削除するには、「ユーザーデータを破棄」を選択します。
すべてのコメント、フォーム、マルチメディアを破棄:
PDF から、コメント、フォーム、フォームのフィールドおよびマルチメディアをすべて削除します。

すべてのオブジェクトデータを破棄:
PDF からオブジェクトをすべて削除します。

外部相互参照を破棄:
他のドキュメントへのリンクを削除します。PDF 内の別の場所に移動するリンクは削除されません。

非表示のレイヤーコンテンツを破棄して表示レイヤーを統合:
ファイルサイズを減らします。最適化されたドキュメントは、元の PDF に似ていますが、レイヤー情報が含まれていません。

ドキュメント情報およびメタデータを破棄:
ドキュメント情報ディレクトリ内の情報と、すべてのメタデータストリームを削除します(メタデータストリームを PDF のコピーに復元するには、「名前を付けて保存」コマンドを使用します)。

添付ファイルを破棄:
PDF にコメントとして追加されている添付ファイルも含め、添付ファイルをすべて削除します(PDF の最適化によって添付ファイルは最適化されません)。

他のアプリケーションの個人データを破棄:
PDF ドキュメントの作成元アプリケーションでのみ役立つ情報をドキュメントから削除します。この設定は、PDF の機能には影響しませんが、ファイルサイズが減少します。

クリーンアップ

 不必要なアイテムをドキュメントから削除するには、「クリーンアップ」を選択します。

無用なアイテムの例としては、古くなった要素や、ドキュメントで不要になった要素が挙げられます。削除する要素によっては、PDF の機能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。デフォルトでは、機能に影響する要素は選択されません。他のオプションを削除した場合に、どのような影響が及ぶかわからないときは、デフォルトの選択を使用します。

圧縮
ドロップダウンメニューから、次の Flate 圧縮オプションの 1 つを選択します。
  • ファイル全体を圧縮

  • 文書構造を圧縮

  • 圧縮を削除

  • 圧縮を変更しない

エンコードされていないストリームを Flate を使用してエンコード:
エンコードされていないすべてのストリームに Flate 圧縮を適用します。

無効なしおりを破棄:
ドキュメント内の削除されたページをポイントしているしおりを削除します。

非参照の指定された宛先を破棄:
PDF ドキュメント内で内部参照されていない、指定の宛先を削除します。他の PDF ファイルまたは Web サイトからのリンクの有無は確認されません。

PDF を Web 表示用に最適化:
Web サーバーからページを一度に 1 つずつダウンロード(バイト処理)できるように PDF ドキュメントを再構成します。

ストリームで LZW エンコーディングの代わりに Flate を使用:
LZW エンコーディングを使用するすべてのコンテンツストリームと画像に Flate 圧縮を適用します。

無効なリンクを破棄:
無効な宛先に移動するリンクを削除します。

ページコンテンツを最適化:
すべての行末文字を空白文字に変換します(Flate 圧縮が向上します)。