プロセスデザインのガイドライン

この節では、プロセスのデザインに関する以下の一般的なガイドラインについて説明します。

実装の順序

プロセス作成を効率的に行うには、全般的な詳細を先に実装し、より限定的な詳細を後で実装します。プロセスダイアグラム上でビジネスプロセスの最初のマッピングを行うときは、次に示すワークフローを使用すると、プロセスダイアグラムに対する変更をサポートするための労力を最小限にすることができます。

  1. プロセスダイアグラムを作成します。このときに、抽象モデリング要素を使用してプロセス内のアクティビティを表現します。

  2. プロセスのアクティビティが表現されて、実行順序を表すルートが描かれたら、抽象要素を操作およびイベントタイプで置き換えます。

  3. 必要に応じて、変数を作成し、操作のプロパティを設定します。

    この順序での実装が有効であるのは、次のような理由からです。

    • 抽象モデリング要素を使用すると、プロセスダイアグラムを描き始めたときの作業が容易になります。アクティビティを意図したとおりに表現するのを柔軟にできるからです。

    • 操作の実行順序は、操作を設定する前に決定する必要があります。この順序は、操作に関する情報を設定に反映するためのデータの流れに影響を及ぼすからです。操作を設定する前ならば、順序を変更しても操作の再設定は必要ありません。

      加えて、抽象モデリング要素を使用してビジネスプロセスをモデリングするのに必要なスキルセットは、サービス操作を使用してモデルを実装するためのものとは異なります。これらのタスクは、それぞれ異なる役割を持つ、別のチームメンバーによって実行することができます。

再利用のためのプロセスデザイン

デザイン時にリソースをできる限り最大化するには、プロセスを他のプロセスから開始できるように開発してください。

プロセスがアクティブ化されると、そのプロセスはサービスとして他のプロセスから開始できるようになります。プロセスのサービスが別のプロセスから呼び出されると、この呼び出されたプロセスはサブプロセスとなります。

複数のビジネスプロセスに共通するアクティビティパターンがある場合は、共通のアクティビティを別のプロセスとして実装し、サブプロセスとして使用してください。共通のアクティビティパターンを各プロセスに組み込む代わりにサブプロセスを呼び出すようにしても、最終的な結果は同一です。ただし、サブプロセスを使用するときは、必要な作業は共通のパターンを 1 回開発することだけです。

複数のプロセスの計画を同時に立てる場合は、プロセスダイアグラムを作成してサブプロセスアーキテクチャを計画に直接統合する前に、共通点が見つかることもあります。

プロセスを作成した後で、計画中の別のプロセスに使用されるアクティビティパターンが共通であることに気付いた場合は、サブプロセスアーキテクチャをさかのぼって実装することができます。共通のアクティビティを既存のプロセスから分離させるには、コピーして別の新しいプロセスを作成します。その後で、既存プロセスの中の共通アクティビティを、サブプロセスの呼び出し操作で置き換えます。

変数の再利用

RAM や AEM forms データベースの領域を効率的に使用するには、可能であれば、プロセスデータ保存のための変数を再利用してください。作成された変数はそれぞれ、実行時に RAM を使用し、長期間有効なプロセスの場合は、データを永続化するためにデータベースの領域を使用します。

変数を再利用するには、様々なデータを同じ変数に、プロセス内のそれぞれ異なる時点で保存します。新しいデータが変数に保存されるたびに、既存のデータは上書きされます。新しいデータを変数に保存するのは、既存のデータがそのプロセス内で必要なくなったときに限られます。

例えば、フォームデータをプロセス内で一連のユーザーにルーティングする場合です。1 人がフォームデータを送信するたびに、そのデータは同じ xfaForm 変数に保存されます。そのプロセス内の前のユーザーが送信したデータは、その時点では必要なくなっているからです。

メモリやデータベース領域を節約するそのほかの方法としては、複合データ型の数を必要最小限に抑えるというものがあります。可能であれば、単純なデータ型を使用してください。