複数のドキュメントのアセンブリ

Assembler サービスの「invokeDDX」操作を使用して、既存の他の PDF ドキュメントから新しい PDF ドキュメントを作成できます。通常、ライブラリから既存のドキュメントを複数選択し、実行時に必要に応じてアセンブリされます。

Assembler サービスについて詳しくは、『Adobe LiveCycle ES4 サービスリファレンス』を参照してください。

Assembler サービスで PDF ドキュメントをアセンブリするには、次の項目が必要です。

  • PDF ドキュメントのアセンブリ手順を示す Document Description XMLL(DDX)ドキュメント

  • アセンブリ対象の PDF ドキュメント

  • 作成された PDF ドキュメントを保存する場所

例えば、ビジネスプロセスが既存の複数の PDF ドキュメントを 1 つの PDF ドキュメントにアセンブリして、ドキュメントにカバーページを追加するとします。次の図に、プロセスを自動化するプロセスダイアグラムの一部を示します。

「Read Resource Content」操作

この例では、ドキュメントのアセンブリに使用される DDX ファイルはリポジトリに保存されています。実行時に DDX ファイルが取得され、Assembler サービスの入力データとして使用されます。プロセスを呼び出すと、アセンブリ対象のドキュメントがプロセスに渡されます。詳しくは、F1 キーを押してください。

必要条件

「invokeDDX」操作を使用するには、プロセスの実行時に次の項目を利用できる必要があります。

  • DDX ドキュメント(document データ形式)。

  • アセンブリ対象の PDF ドキュメント(document 形式)。

  • アセンブリ対象のドキュメントと作成された PDF ドキュメントに関連付けられたキーワード。キーワードは DDX ドキュメントで定義されます。

例えば前述のプロセスでは、アセンブリ対象のドキュメントはプロセスを呼び出したときに入力値として使用され、DDX ドキュメントは Repository サービスを使用してリポジトリから取得されます。DDX ドキュメントによってドキュメントに関連付けられたキーワードは、デザイン時に特定されます。

設定

Assembler サービスの「invokeDDX」操作では、入力として次のデータ項目が必要です。

  • DDX ドキュメントを表す document 値。操作の DDX プロパティ値として指定されます。

  • アセンブリ対象のドキュメントを格納する map 値。操作の Input Document Map プロパティとして指定されます。map 値のキーは、DDX ドキュメントで定義したキーワードです。map 内の各値は、単一の PDF ドキュメントを表す document 値または複数の PDF ドキュメントを表す document 値の list です。

通常、アセンブリ対象の PDF ドキュメントは実行時に document 値として使用可能です。この場合、「invokeDDX」操作の Input Document Map プロパティの値として使用できるように、map 値を作成して document 値を設定する必要があります。

DDX ドキュメントとアセンブリ対象の PDF ドキュメントの数は、map 値に document 値が設定されているか、document データ項目を格納した list 値が設定されているかによって決まります。例えば、次の DDX ドキュメントは前述の例のプロセスで使用されています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> 
<DDX xmlns="http://ns.adobe.com/DDX/1.0/"> 
    <PDF result="GeneratedDocument.pdf">  
        <PDF source="cover"/> 
        <PackageFiles>  
            <PDF source="attachments"/> 
            </PackageFiles>  
    </PDF> 
</DDX>

DDX ドキュメントは、アセンブリ対象のドキュメントに関する次の情報を提供します。

  • <PDF source="cover"/> 要素は cover キーワードを定義します。これは、カバーページとして使用する PDF ドキュメントに関連付けられています。

  • <PDF source="attachments"/> 要素は attachments キーワードを定義します。これはアセンブリされる複数の PDF ドキュメントに関連付けられています。

map 値では coverattachments をキーとして使用する必要があります。キーの値には document 値を格納した list データ項目を指定する必要があります。

  • 複数の PDF ドキュメントは attachments キーワードに関連付けられます。そのため、attachments キーの値には document 値を格納した list データ項目を指定する必要があります。

  • map 内のデータ項目には同一の型を使用する必要があります。したがって、1 つのドキュメントがカバーページとして使用される場合でも、cover キーの値は list データ項目を指定する必要があります。

DDX ファイルの取得

前述の例のプロセスダイアグラムで、「Read DDX File From Repository」操作は、Repository サービスが提供する「Read Resource Content」操作です。

  • Input プロパティグループの Resource URI プロパティは、リポジトリ内の DDX ドキュメントの場所を指定するために使用されます。

  • Result プロパティは、取得した DDX ドキュメントを document 変数に保存するために使用されます。

ドキュメントのアセンブリ

前述の例のプロセスダイアグラムでは、リポジトリから取得された DDX ドキュメントと、指定された処理対象の PDF ドキュメントを入力データとして使用するように「invokeDDX」操作を設定する必要があります。

  • DDX プロパティの値は、DDX ドキュメントを格納する document 変数の値として指定されます。

  • Input プロパティグループの inputs プロパティは、アセンブリ対象のドキュメントを格納する map 変数を識別するために使用されます。

    • cover キーは、アセンブリ対象のドキュメントのカバーページとして使用される 1 つのドキュメントを含む list 変数に関連付けられています。

    • attachments キーは、アセンブリ対象のその他のドキュメントをすべて含む list 変数に関連付けられています。

  • Output プロパティグループの Result プロパティの値は、「invokeDDX」操作の結果を格納する map 変数を識別するために使用されます。この場合、アセンブリ対象のドキュメントは 1 つだけなので、map には 1 組のキー/値のペアだけが含まれます。このキーは DDX ドキュメント内の <PDF result="GeneratedDocument.pdf"> 要素で定義されているとおり、result です。値は、アセンブリ対象の PDF ドキュメントを表す document 値です。

その他の考慮事項

このクイックスタートでは単純な例を使用して Assembler サービスの使い方を説明します。ただし、Assembler サービスはさまざまな方法で複数の PDF ドキュメントを操作するために使用できます。例えば、ページの抽出や挿入、ブックマークに基づくドキュメントのディスアセンブリ、透かしの追加などができます。さまざまなドキュメント操作を組み合わせて実行することもできます。