フラグメントに基づいたフォームのレンダリング

Forms サービスでは、Designer を使用して作成したフラグメントに基づいているフォームをレンダリングすることができます。「フラグメント」は、フォームの再使用可能な部分であり、複数のフォームデザインに挿入できる独立した XDP ファイルとして保存されます。例えば、フラグメントには住所ブロックや法律文を含めることができます。

フラグメントを使用すると、大量のフォームを簡単かつ高速に作成し、管理できます。フォームを作成するときに必要なフラグメントへの参照を挿入すると、そのフラグメントがフォームに表示されます。フラグメント参照には、物理 XDP ファイルを指すサブフォームが収められています。フラグメントの作成について詳しくは、Designer ヘルプを参照してください。

フラグメントには、選択したサブフォームセットでラップされた複数のサブフォームを含めることができます。「選択したサブフォームセット」は、データ接続からのデータのフローに基づき、サブフォームの表示を制御します。セットから、配信されるフォームで表示するサブフォームを決定するには、条件ステートメントを使用します。例えば、セットの各サブフォームに特定の地理的な場所に関する情報を含めることができます。また、ユーザーの場所に応じて、表示されるサブフォームを決定することもできます。

「スクリプトフラグメント」には、日付解析や Web サービスの起動など、特定のオブジェクトとは別に保存される、再利用可能な JavaScript 関数や値が含まれます。これらのフラグメントには、Designer の階層パレットで変数の子として表示される 1 つのスクリプトオブジェクトが含まれます。フラグメントは、他のオブジェクトのプロパティとなっているスクリプトからは作成できません。このようなスクリプトとして、検証、計算、初期化などのイベントスクリプトがあります。

フラグメントを使用すると、次のような利点があります。

コンテンツの再利用:
フラグメントを使用して、複数のフォームデザインでコンテンツを再使用できます。同じコンテンツの一部を複数のフォームで使用するには、コンテンツをコピーまたは再作成するよりも、フラグメントを使用する方が迅速で簡単です。フラグメントを使用し、それをフォームで参照することで、フォームデザインの中で頻繁に使用する部分を一貫性のあるコンテンツと外観ですべてのフォームに表示できます。

グローバルな更新:
フラグメントを使用すれば、1 つのファイルを 1 度変更するだけで、複数のフォームをグローバルに変更できます。フラグメントでは、コンテンツ、スクリプトオブジェクト、データバインディング、レイアウトまたはスタイルを変更できます。この変更は、そのフラグメントを参照するすべての XDP フォームに反映されます。

例えば、多くのフォームで使用されている共通の要素の例として、特定の国のドロップダウンリストオブジェクトを含む宛先ブロックがあります。このドロップダウンリストオブジェクトの値を更新するには、多くのフォームを開いて変更を行う必要があります。この場合に、フラグメントに宛先ブロックを挿入すると、1 つのフラグメントファイルを開いて変更するだけで済みます。

PDF フォームでフラグメントを更新するには、Designer でそのフォームを再度保存します。

共有フォームの作成:
フラグメントを使用すると、複数のリソースでフォームの作成を共有できます。スクリプトまたは Designer のその他の高度な機能に精通しているフォーム開発者は、スクリプトまたは動的プロパティを活用するフラグメントを作成、共有することができます。フォーム作成者がこれらのフラグメントを使用してフォームデザインをレイアウトすることによって、複数の作成者によってデザインされる複数のフォーム間で、フォームのすべての部分が一貫した外観と機能を持つようにすることができます。