別の環境へのアプリケーションの移動

アプリケーション開発サイクルのどこかの時点で、次のいずれかの理由から、アプリケーションを別の場所に移動することが必要になる場合があります。

  • アプリケーションを専用のテスト環境でテストする場合。

  • アプリケーションを、ノートパソコンなどの別の開発環境に一時的に移動する場合。

  • 別の開発者が開発を引き継ぐ場合。

  • アプリケーションを実稼働環境にデプロイする場合。

  • アプリケーションのバックアップを作成する場合。

アプリケーションを 1 つの場所から別の場所へ移動するには、LiveCycle アーカイブファイルを使用します。LiveCycle の「アーカイブファイル」は、1 つ以上のアプリケーションとアセットを含む圧縮ファイルです。

アプリケーションとアセットを別の場所へ移動するには、次のタスクを次に示す順序で実行する必要があります。

タスク 1. アーカイブファイルの作成:
Workbench で、移動するアプリケーションとアセットに含めるアーカイブファイルを作成または更新します(アーカイブファイルの作成を参照)。

タスク 2. アーカイブファイルの読み込み:
管理コンソールで、アーカイブファイルを使用してアプリケーションとアセットを別の場所に読み込みます(LiveCycle 管理ヘルプの「LiveCycle アーカイブの管理」を参照)。

アーカイブファイルをシステム間で移動する場合、またはアプリケーションが繰り返し更新され、更新を他の環境に反映する必要がある場合、これらのタスクを繰り返すことができます。

アーカイブファイルについて

アーカイブファイル」は、移動対象として選択したアプリケーションとアセットを含む圧縮ファイルです。

アーカイブには、いずれのプロセスにも関連しないアセットを含めることもできます。

アーカイブファイルには、アプリケーションとアセットを必要なだけ含めることができます。

アーカイブのファイル拡張子は .lca です。

注意: 外部リソースは、Form 変数によって参照される場合にのみ、自動的にアーカイブファイルに含まれます。操作プロパティによって参照されるリソースは、自動的には含まれませんが、手動でアーカイブに追加することができます。

アーカイブファイルの作成

アーカイブを作成する場合、次の操作を実行できます。

  • 最初に空のファイルを作成してから、アーカイブに含めるすべてのアプリケーションとアセットを選択できます。

  • 以前に作成したアーカイブファイルを使用し、アプリケーションとアセットを追加または変更して、内容を変更できます。新しいアーカイブが既存のアーカイブと数項目しか違わない場合、この方法は時間の節約になります。

  • 既に読み込まれたアーカイブのパッチを作成できます。この方法は、アーカイブを作成し、その内容を別の場所に読み込んだ後に、一部のアセットを更新したので、再度読み込む必要がある場合に有効です。更新する必要があるアセットのみを含むアーカイブを作成できます。

アーカイブファイルを作成する前に、アーカイブに含めるアプリケーションとアセットをチェックインします。チェックアウトされたアセットがアプリケーションに含まれている場合、アーカイブの作成を始める前にチェックインすることを求めるプロンプトが表示されます。

アーカイブファイルを作成するには、次のユーザー権限が必要です。

  • アーカイブにプロセスを含めるには、ユーザーに Service Read 権限と Service Invoke 権限が必要です。

  • アーカイブにリソースを含めるには、ユーザーに、エクスポートするリソースの Repository Read 権限と Repository Traverse 権限および親フォルダーの Repository Traverse 権限が必要です。

カスタムコンポーネントを使用するアプリケーションをアーカイブする場合は、アプリケーションにコンポーネント参照アセットを追加します。このアセットにより、コンポーネントに対する関係を明示的に宣言できます。

アプリケーションへのコンポーネント参照アセットの追加

コンポーネント参照により、アプリケーションで使用されるカスタムコンポーネントに対する関係を明示的に宣言できます。カスタムコンポーネントについて詳しくは、「Programming with LiveCycle Help」の「Developing Components」を参照してください。

  1. File/New/Other を選択します。

  2. Select a Wizard パネルで「Component Reference」を選択し、「Next」をクリックします。

  3. 「Name」ボックスで、コンポーネント参照アセットの名前を指定します。

  4. (オプション)「Description」ボックスに、アセットの簡単な説明を入力します。

  5. 「Location」領域で、アプリケーション階層内のアセットの場所のパスを指定します。パスには、アプリケーションの名前とバージョン、および任意で、サブフォルダー名を含める必要があります。有効なパスには、/MyApp/1.0/processes などがあります。パスを入力するか、アプリケーションツリーから必要な場所を選択できます。

  6. (オプション)「New Folder」をクリックして、アプリケーションツリーにサブフォルダーを作成します。

  7. 「Next」をクリックし、次に「Browse」をクリックしてコンポーネントを選択し、「Finish」をクリックしてコンポーネント参照アセットを作成します。

アーカイブファイルの作成

  1. Applications ビューでアプリケーションのバージョンを右クリックし、「Create LiveCycle Archive」を選択します。

  2. 「Create A New Archive File」を選択し、「Next」をクリックします。

  3. アーカイブファイルに含めるアプリケーションやアセットを選択します。アプリケーションやアセットを選択する場合は、次のルールが適用されます。

    • 選択するには、コンポーネントの横にあるチェックボックスを選択します。コンポーネントの選択を解除するには、チェックボックスを再度選択します。

    • 影付きのボックスは、子コンポーネントが暗黙的に選択されていることを示します。

    • アプリケーションのバージョンを選択すると、アプリケーション内のすべてのアセットが自動的に選択されます。

    • フォルダーを選択すると、フォルダーに含まれているすべてのファイルとフォルダーが自動的に選択されます。

  4. 「Local File System Destination」ボックスで、アーカイブのファイル名と場所を指定します。

    注意: ファイル拡張子の .lca を指定する必要はありません。拡張子は、ファイル名に自動的に追加されます。
  5. (オプション)「Archive Description」ボックスに、他のユーザーに内容がわかるようにアーカイブの説明を入力します。デフォルトの説明では、アーカイブの作成日時およびアーカイブを作成したユーザーの名前を指定します。

  6. 「Finish」をクリックしてファイルを保存します。

指定した場所にアーカイブファイルが保存されます。管理コンソールを使用して、アーカイブファイルを別のサーバーに読み込むことができます(LiveCycle 管理ヘルプの「LiveCycle アーカイブの管理」を参照)。

既存のファイルに基づいたアーカイブファイルの作成

  1. Applications ビューでアプリケーションのバージョンを右クリックし、「Create LiveCycle Archive」を選択します。

  2. 「Create A New Archive File From A List Of Assets In Existing Archive File」を選択します。

  3. 「Archive File」ボックスに開始するアーカイブファイルのフルパスを入力するか、省略ボタンをクリックしてファイルを選択します。

  4. 「Next」をクリックし、アーカイブファイルに追加するアプリケーションやアセットを選択するか、削除するアプリケーションやアセットの選択を解除します。

  5. 「Local File System Destination」ボックスで、作成するアーカイブファイルの名前を指定します。

  6. (オプション)「Archive Description」ボックスに、他のユーザーに内容がわかるようにアーカイブの説明を入力します。デフォルトの説明には、アーカイブの作成日付およびファイルを作成したユーザーの名前に関する情報が含まれます。

  7. 「Finish」をクリックしてアーカイブファイルを保存します。

既存のアーカイブのパッチの作成

  1. Applications ビューでアプリケーションのバージョンを右クリックし、「Create LiveCycle Archive」を選択します。

  2. 「Create A Patch for An Existing Archive」を選択し、「Next」をクリックします。

  3. 更新する必要があるアセットを選択します。

  4. 「Local File System Destination」ボックスで、作成するアーカイブファイルの名前を指定します。

  5. (オプション)「Archive Description」ボックスにアーカイブの説明を入力します。デフォルトの説明には、アーカイブの作成日付およびファイルを作成したユーザーの名前に関する情報が含まれます。

  6. 「Finish」をクリックしてアーカイブファイルを保存します。

ランタイム設定 XML ファイルについて

各アプリケーションおよびアプリケーションのバージョンには、ランタイム設定が関連付けられています。ランタイム設定ファイルは、アプリケーションに関する次のような情報が含まれている XML ファイルです。

  • サービス設定

  • プール設定

  • エンドポイントの詳細

  • セキュリティプロファイル

アプリケーションのランタイム設定を表示または変更するには、設定をランタイム設定 XML ファイルにエクスポートします。ランタイム設定 XML ファイルの内容は、XML またはテキストエディターを使用して、開いたり、変更したりできます。アプリケーションのランタイム設定を変更する場合は、管理コンソールを使用して、変更された XML ファイルを読み込みます。

例えば、LiveCycle アーカイブファイルを使用してアプリケーションを新しい環境に移動する場合は、移動先の環境に合わせてランタイム設定を変更することが必要な場合があります。LiveCycle アーカイブファイルは圧縮形式であり、LiveCycle のみによって読み取られます。そのため、アプリケーションの設定を表示および編集するには、ランタイム設定 XML ファイルが必要です。

ランタイム設定のエクスポート

アプリケーションまたはアプリケーションのバージョンの設定を XML としてエクスポートできます。

  1. Applications ビューでアプリケーションまたはアプリケーションのバージョンを右クリックし、「Create LiveCycle Archive」を選択します。

  2. 「Export Runtime Configurations」を選択します。

  3. 「Export Runtime Configurations File」ボックスに、作成する設定ファイルのフルパスと名前を入力します。

  4. 「Finish」をクリックしてランタイム設定ファイルを保存します。

ランタイム設定ファイルのインポートについて詳しくは、LiveCycle 管理ヘルプの「LiveCycle アプリケーションとアーカイブのインポートと管理」を参照してください。