Acrobat のスクリプティングから Designer への移行

Designer には、最も普及している JavaScript オブジェクトを Acrobat から使用できるなど、幅広いスクリプト機能が含まれています。Acrobat のフォームを Designer に変換する場合、ほとんどの JavaScript スクリプトは変更の必要がなく、そのまま動作します。ただし、一部の JavaScript スクリプトについては、Acrobat フォームと同じように動作するように、Acrobat から手動で変換する必要があります。

Acrobat フォームのスクリプトを変換する場合、Designer スクリプティングは、次に示すいくつかの点で Acrobat と異なります。

Designer ワークスペース
Designer ワークスペースでは、スクリプトを作成することなく、フォーム上でオブジェクトのプロパティと動作を変更できます。

スクリプト言語
Designer では、JavaScript および単純な演算言語の FormCalc がサポートされています。FormCalc は、多くの便利な演算が可能な組み込み関数を含みます。この関数がなければ、膨大なスクリプトを作成することになります。

オブジェクト、プロパティおよびメソッドの参照
Designer のフォームは精緻な構造を備えています。したがって、特定のオブジェクト、プロパティまたはメソッドを参照するには、スクリプトに適した参照構文を記述する必要があります。スクリプトエディターのステートメント完了オプションを使用すると、参照構文の作成が容易になります。

Designer では、Acrobat から引き続き JavaScript オブジェクト、プロパティおよびメソッドを使用できます。ただし、Acrobat から移行した JavaScript は Designer の XML フォームオブジェクトモデルで実行できない処理のみに限定して使用することをお勧めします。例えば、Acrobat から JavaScript を使用し、添付ファイル、ブックマークおよび注釈の追加、フォームの検索やスペルチェック、レポートの作成、メタデータのアクセスと操作などを行うことができます。フィールド値の設定、フォームへの新規フィールド追加、フォームからのページ削除などのアクションについては、Acrobat の JavaScript を使用できません。

注意: JavaScript スクリプトを Designer フォーム(Designer で変換した Acrobat フォームを含む)に追加する場合には、Acrobat を使用できません。Acrobat で Designer フォームを表示する場合、JavaScript ツールはすべて使用できません。

Acrobat スクリプティングを Designer に変換する方法について詳しくは、 デベロッパーセンター『Converting Acrobat JavaScript for Use in Designer Forms』を参照してください。