Designer での Acrobat の JavaScript オブジェクトの使用

Designer では、Acrobat の一部の JavaScript オブジェクトに対して Acrobat スクリプト構文でスクリプトを作成することができます。それにより、これらのオブジェクトのプロパティとメソッドをフォームで使用できます。例えば、Acrobat から JavaScript コンソールにメッセージを表示するには、Designer でフォームデザインオブジェクトのイベントに次のようなスクリプトを追加します。

    console.println("このメッセージは JavaScript コンソールに表示されます。");

また、フォームを電子メールで送信したい場合には、ボタンの click イベントに次のスクリプトを追加できます。

    var myDoc = event.target; 
    myDoc.mailDoc(true);
注意: Designer では、実行時にスクリプトを正しく動作させるために、イベントのスクリプト言語が JavaScript に設定されていることを確認しておく必要があります。

また、Acrobat の JavaScript オブジェクトに対する参照を参照構文で使用することも可能です。例えば、次のスクリプトでは、署名フィールドの署名の状態を取得し、その状態に応じてアクションを実行します。

    // Proceed if the current field is not signed. 
    var oState = 
        event.target.getField("form1[0].#subform[0].SignatureField1[0]") 
            .signatureValidate(); //Get the field's signed state. 
 
if (oState == 0) { 
... 
}
注意: この例では、完全修飾参照構文を使用してテキストを参照しています。フォームデザインオブジェクトの参照方法について詳しくは、オブジェクトのプロパティおよび値の参照の参照を参照してください。

Designer で Acrobat の JavaScript を使用する場合、次の点に注意してください。

  • Designer では、event.target を使用して Acrobat の JavaScript オブジェクト Doc にアクセスします。Acrobat では、this オブジェクトを使用して Doc オブジェクトを参照します。しかし、Designer の this オブジェクトは、スクリプトが添付されているフォームデザインオブジェクトを参照します。

  • スクリプトエディターには、Acrobat の JavaScript オブジェクトに対するステートメント完了機能はありません。『JavaScript for Acrobat API Reference』を参照してください。

  • Doc メソッド event.target.importTextData("file.txt") は、承認されているダイナミック XFA フォームではサポートされていません。

    Acrobat スクリプティングを Designer に変換する方法について詳しくは、 デベロッパーセンター『Converting Acrobat JavaScript for Use in Designer Forms』を参照してください。