特定の条件を満たすアプリケーションに対するサービスを拒否するように Rights Management を設定できます。プラットフォーム名などの 1 つの属性または複数の属性を条件に指定できます。この機能は、Rights Management で処理する必要がある要求を制御するのに役立ちます。この機能の用途を次に示します。
クライアントアプリケーションは、Rights Management への接続を確立しようとするときに、アプリケーション、バージョンおよびプラットフォーム情報を指定します。Rights Management は、この情報を、Rights Management 設定ファイルから取得した拒否設定と比較します。
拒否設定には、複数の拒否条件を設定できます。一連の条件の属性がすべて一致すると、要求を出しているアプリケーションは、Rights Management サービスへのアクセスを拒否されます。
サービス拒否機能を使用するには、クライアントアプリケーションに Rights Management C++ Client SDK バージョン 8.2 以降が必要です。次のアドビ製品は、Rights Management サービスを要求するときに製品情報を指定します。
クライアントアプリケーションは、Rights Management C++ Client SDK のクライアント API を使用して、Rights Management のサービスを要求します。クライアント API 要求には、(クライアント API にプリコンパイルされた)プラットフォームおよび SDK バージョン情報およびクライアントアプリケーションから取得した製品情報が含まれます。
クライアントアプリケーションまたはプラグインは、コールバック機能の実装に製品情報を指定します。アプリケーションが指定する情報は以下のとおりです。
インテグレーター名
インテグレーターのバージョン
アプリケーションのファミリー
アプリケーション名
アプリケーションのバージョン
該当する情報がない場合、対応するフィールドは空白のままになります。
Adobe アプリケーションの中には、Acrobat、Adobe Reader および Rights Management Extension for Microsoft Office のように、Rights Management サービスを要求するときに製品情報を指定するものがあります。
Acrobat および Adobe Reader
Acrobat または Adobe Reader は、Rights Management のサービスを要求するときに次の製品情報を指定します。
Rights Management Extension for Microsoft Office
Rights Management Extension for Microsoft Office は、Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft PowerPoint などの Microsoft Office 製品と一緒に使用するプラグインです。このプラグインは、サービスを要求するときに次の情報を指定します。
インテグレーター:Adobe Systems Incorporated
インテグレーターのバージョン:8.2
アプリケーションのファミリー:Rights Management Extension for Microsoft Office
アプリケーション名:Microsoft Word、Microsoft Excel または Microsoft PowerPoint
アプリケーションのバージョン:2003 または 2007
特定のアプリケーションに対するサービスを拒否する Rights Management の設定
Rights Management 設定ファイルを書き出します(Rights Management 設定ファイルの手動による編集を参照)。
エディターで設定ファイルを開き、PolicyServer ノードを探します。ClientVersionRules ノードを PolicyServer ノードのすぐ下の子として追加します(存在しない場合)。
<node name="ClientVersionRules">
<map>
<entry key="infoURL" value="URL"/>
</map>
<node name="Denials">
<map/>
<node name="MyEntryName">
<map>
<entry key="SDKPlatforms" value="platforms"/>
<entry key="SDKVersions" value="versions"/>
<entry key="AppFamilies" value="families"/>
<entry key="AppNames" value="names"/>
<entry key="AppVersions" value="versions"/>
<entry key="Integrators" value="integrators"/>
<entry key="IntegratorVersions" value="versions"/>
</map>
</node>
<node name="MyOtherEntryName"
<map>
[...]
</map>
</node>
[...]
</node>
</node>
説明:
SDKPlatforms は、クライアントアプリケーションをホストするプラットフォームを指定します。指定できる値を次に示します。
Microsoft Windows
Apple OS X
Sun Solaris
HP-UX
SDKVersions は、クライアントアプリケーションで使用される Rights Management C++ Client API のバージョンを指定します。例えば、8.2 を指定します。
APPFamilies は、クライアント API によって定義されます。
AppName は、クライアントアプリケーションの名前を指定します。コンマは名前の区切り文字として使用されます。名前にコンマを含めるには、バックスラッシュ(\)でエスケープします。例えば、「Adobe Systems\, Inc.」と入力します。
AppVersions は、クライアントアプリケーションのバージョンを指定します。
Integrators は、プラグインまたは統合アプリケーションを開発した会社またはグループの名前を指定します。
IntegratorVersions は、プラグインまたは統合アプリケーションのバージョンです。
拒否データの追加セットごとに、MyEntryName 要素を追加します。
設定ファイルを保存します。
設定ファイルを読み込みます(Rights Management 設定ファイルの手動による編集を参照)。
例
この例では、すべての Windows クライアントがアクセスを拒否されます。
<node name="ClientVersionRules">
<map>
<entry key="infoURL" value="http://www.dont.use/windows.html"/>
</map>
<node name="Denials">
<map/>
<node name="Entry_1">
<map>
<entry key="SDKPlatforms" value="Microsoft Windows"/>
</map>
</node>
</node>
</node>
この例では、My Application バージョン 3.0 および My Other Application バージョン 2.0 がアクセスを拒否されます。同じ拒否情報 URL が、拒否の理由に関係なく使用されます。
<node name="ClientVersionRules">
<map>
<entry key="infoURL" value="http://get.a.new/version.html"/>
</map>
<node name="Denials">
<map/>
<node name="FirstDenialSettings">
<map>
<entry key="AppNames" value="My Application"/>
<entry key="AppVersions" value="3.0"/>
</map>
</node>
<node name="SecondDenialSettings">
<map>
<entry key="AppNames" value="My Other Application"/>
<entry key="AppVersions" value="2.0"/>
</map>
</node>
</node>
</node>
この例では、Rights Management Extension for Microsoft Office の Microsoft PowerPoint 2007 または Microsoft PowerPoint 2010 インストール環境からのすべての要求が拒否されます。
<node name="ClientVersionRules">
<map>
<entry key="infoURL" value="http://get.a.new/version.html"/>
</map>
<node name="Denials">
<map/>
<node name="Entry_1">
<map>
<entry key="AppFamilies" value=
"LiveCycle Rights Management Extension for Microsoft Office"/>
<entry key="AppNames" value= "Microsoft PowerPoint"/>
<entry key="AppVersions" value="2007,2010"/>
</map>
</node>
</node>
</node