拡張された使用方法の追跡

Rights Management(RM)機能は、保護されたドキュメントで実行される様々なカスタムイベントを追跡できます。イベントの追跡は、Rights Management サーバーから、グローバルレベルまたはポリシーレベルで有効にできます。有効にしたら JavaScript を設定し、保護された PDF ドキュメントで実行されるボタンのクリック、ドキュメントの保存など特定のアクションを検出できます。この使用状況のデータはキーと値のペアによる XML ファイルとして送信され、このファイルを使用して詳細な分析を行うことができます。

保護されたドキュメントにアクセスするエンドユーザーは、クライアントアプリケーションでこの追跡を許可または拒否できます。Rights Management 管理コンソールで、それぞれのそのような blob は、保護されたドキュメントの「使用追跡の詳細データ」として表示されます。

注意: 追跡されるイベントを表示するには、外部の監査 SPI をデプロイする必要があります。外部監査の詳細については、イベントの監査を参照してください。

RightsManagement オブジェクト

このオブジェクトはすべての RM 関連のオブジェクト、メソッド、およびプロパティのエントリポイントとして機能します。RightsManagement オブジェクトのインスタンスは doc オブジェクトから取得できます。 以下に例を示します。
var obj = doc.rightsManagement;

RightsManagement オブジェクトのプロパティ

プロパティ名

Type

アクセスタイプ

説明

serverURL

String

読み取り専用

LiveCycle RM サーバーの URL

serverVersion

String

READONLY

LiveCycle RM サーバーのバージョン

visitorID

String

READONLY

Acrobat インストールを一意に識別します。

isOffline

Boolean

READONLY

ユーザーはオフラインモードでドキュメントをアクセスしているのか?

policyInfo

Object RMPolicy

READONLY

ドキュメントに関連する RM ポリシーに関する情報。

userInfo

Object RMUser

READONLY

認証された RM ユーザーに関する情報。

documentInfo

Object RMDocument

READONLY

現在開いている RM ドキュメントに関する情報。

RightsManagement オブジェクトのメソッド

メソッド名

戻り値の型

説明

captureEvent(String eventID, optional eventVal)

Boolean

追跡イベントを取得し、メモリに保存します。イベントは次の条件下のみでサーバーに送信されます。

1. イベントキューが一杯 (現在 25)。

2. ユーザーが明示的に flushEvents を呼び出す。

3. サーバーに直ちに送信する必要のある他の何らかのイベントが発生する。

4. ユーザーがドキュメントを閉じる。

有効でない場合、false を返します。

flushEvents()

Boolean

追跡イベントを RM サーバーに強制送信します。ドキュメントがオフラインでアクセスされる場合、ユーザーマシン上の MicroSafe データベースにキャッシュされたイベントを保存します。

追跡イベントは、ユーザーがドキュメントをオンラインモードで再び開いたときにサーバーに送信されます。

追跡が有効でない場合、このメソッドは false を返します。

getTrackingStatus()

整数値

このメソッドはドキュメントに対して追跡が有効化されているかを確認するために使用できます。

可能な戻り値を次に示します。

0 – LC RM サーバーによって拒否された

1 - Acrobat ユーザーによって拒否された

2 - 許可された

サンプルコード

var RMobj=this.rightsManagement;
RMobj.captureEvent("ServerURL",RMobj.serverURL);
RMobj.captureEvent("VisitorID",RMobj.visitorID);
RMobj.captureEvent("userInfo ",RMobj.userInfo.ID);
RMobj.flushEvents();

RMDocument オブジェクト

RMDocument オブジェクトは LiveCycle RM で保護されたドキュメントのプロパティを保持します。

RMDocument オブジェクトのプロパティ

プロパティ名

Type

アクセスタイプ

説明

ID

String

READONLY

RM で保護されたドキュメントの ID(GUID)。

expiryDate

String

READONLY

UTC 形式でのドキュメントの有効期限。永続的に有効なドキュメントでは「常に有効」が返されます。

offlineLeasePeriod

整数値

READONLY

オフラインリース期間。

watermarks

Array

READONLY

RMWatermark オブジェクトのアレイ

サンプルコード

var RMobj=this.rightsManagement;
RMobj.captureEvent("Document ID ", RMobj.documentInfo.ID);
RMobj.captureEvent("VisitorID",RMobj.documentinfo.expiryDate);
RMobj.captureEvent("userInfo ",RMobj. documentinfo.offlineLeasePeriod);
RMobj.flushEvents();

RMUser オブジェクト

RMUser は現在認証されているユーザーを表します。

RMUser オブジェクトのプロパティ

プロパティ名

Type

アクセスタイプ

説明

ID

String

READONLY

認証されているユーザーのログイン名。匿名ユーザーでは「blank」

name

String

READONLY

認証されているユーザーの表示名。匿名ユーザーでは「blank」

isAnonymous

String

READONLY

匿名ユーザーの場合は true。

hasEditPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはコンテンツを編集できるのか。

hasCopyPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはコンテンツをコピーできるのか。

hasCollabPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはコラボレーションできるのか。

hasAlterPagesPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはページを削除または追加できるのか。

hasFillAndSignPerm

Boolean

READONLY

デジタル署名は許可されているのか。

hasPrintPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはコンテンツを印刷できるのか。

hasPrintLowResPerm

Boolean

READONLY

ユーザーはドキュメントを低解像度で印刷できるのか。

hasChangePolicyPerm

Boolean

READONLY

ユーザはセキュリティの削除、またはポリシーの変更をできるのか。

サンプルコード

var RMobj=this.rightsManagement;
RMobj.captureEvent("ServerURL",RMobj.serverURL);
RMobj.captureEvent("userInfo ",RMobj.userInfo.ID);
RMobj.flushEvents();

RMPolicy オブジェクト

RMPolicy オブジェクトはドキュメントに関連する RM ポリシーのプロパティを保持します。

RMPolicy オブジェクトのプロパティ

プロパティ名

Type

アクセスタイプ

説明

ID

String

READONLY

ポリシー ID(GUID)。

name

String

READONLY

ユーザーにわかりやすいポリシー名

description

String

READONLY

ポリシーの説明

サンプルコード

var RMobj=this.rightsManagement;
RMobj.captureEvent("Policy Name",RMobj.policyInfo.name);
RMobj.captureEvent("Policy ID",RMobj.policyInfo.ID);
RMobj.flushEvents();

RMWatermark オブジェクト

ドキュメントに関連する透かし。

RMWatermark オブジェクトのプロパティ

プロパティ名

Type

アクセスタイプ

説明

vertAlign

整数値

READONLY

透かしの垂直方向の整列。可能な値:align.top、align.center、align.bottom

horizAlign

String

READONLY

透かしの水平方向の整列。可能な値:align.left、align.center、align.right

vertOffset

浮動小数点数

READONLY

透かしの垂直方向のオフセット。

horizOffset

浮動小数点数

READONLY

透かしの水平方向のオフセット。

scale

浮動小数点数

READONLY

透かしのフォントのサイズ。

rotation

浮動小数点数

READONLY

「0」~「359]。透かしの回転(度の単位)。

opacity

浮動小数点数

READONLY

「0.0」~「1.0」透かしの不透明度。

isFixed

Boolean

READONLY

この値が false の場合、透かしはページの大きさに合わせられます。そうでない場合、提供されたスケールが使用されます。

startPage

整数値

READONLY

透かしを適用する最初のページ(最初のページは 0)

endPage

浮動小数点数

READONLY

透かしが適用される最後のページ(すべてのページを示すには -1)

pageSelection

String

READONLY

透かしを適用する「all」、「even」、または「odd」のページ

isOnScreen

Boolean

READONLY

ドキュメントを画面上で表示するときに透かしが表示される。

isOnPrint

Boolean

READONLY

透かしはドキュメントとともに印刷される。

percentage

Boolean

READONLY

垂直シフトと水平シフトで指定される値がパーセンテージ単位

customText

Boolean

READONLY

透かしに含まれているカスタムテキスト。

isCustomTextEnabled

Boolean

READONLY

透かしに含まれているカスタムテキスト。

isUserIDEnabled

Boolean

READONLY

透かしに関連ドキュメントを開けたユーザーのユーザー ID を含むかどうかを決定します。

isUserNameEnabled

Boolean

READONLY

透かしに関連ドキュメントを開けたユーザーのユーザーの名前を含むかどうかを決定します。

isCurrentDateEnabled

Boolean

READONLY

透かしに関連ドキュメントが開けられた日付を含むかどうかを決定します。

isPolicyEnabled

Boolean

READONLY

透かしにドキュメントを保護するポリシーを含むかどうかを決定します。

fontName

string

READONLY

テキスト透かしに使用するフォント名

fontSize

浮動小数点数

READONLY

テキスト透かしに使用するフォントサイズ

colorSpace

String

READONLY

カラーを表すカラースペース

color

数値のアレイ

READONLY

テキスト透かしのカラー

サンプルコード

var RMobj=this.rightsManagement;
console.println("Watermarks Info");
RMobj.captureEvent("Vertical Alignment" , obj1.watermarks[0].vertAlign);
RMobj.captureEvent("Watermark Type" , obj1.watermarks[0].type);
RMobj.flushEvents();