「MathML」を使用して数式を作成する

Adobe FrameMaker の MathML スタイルエディタと構造エディタを使用して、数式を作成する方法について説明します。

このトピックの内容

概要

文書に数式を追加する FrameMaker の数式パネルに加えて、Design Science 社製 MathFlow Editor を使用すると、複雑な数式を構築できます。これらの数式を FrameMaker 文書に追加できます。 同じ MathFlow エディターでこれらの数式を後で修正したり、MathML 数式を含む文書を発行したりするオプションもあります。

MathML 数式は FrameMaker の構造化文書および非構造化文書で使用できます。

注意: DITA 1.3 の各種トピック(トピック、タスク、コンセプト、参照、トラブルシューティング)に MathML 数式を挿入することもできます。MathML 数式を挿入すると「mathml」という新しいエレメントが作成されます。

MathML 数式を含むドキュメントに「PDF 出力」を生成すると、読者がこれらの数式の内容を検索できます。

FrameMaker には、次の MathFlow エディターの体験版が同梱されています。

エディターの機能比較については、MathFlow Editors を参照してください。 また、MathFlow エディターの完全バージョンにアップグレードする手順については、「インストール設定の構成」を参照してください。

次のビデオを参照してください: 非構造化ドキュメントでの MathML

MathML 数式を作成して文書に挿入する

  1. 「挿入」メニューで、「MathML 数式」を選択します。

  2. 「MathFlow エディター」ウィンドウで数式を作成します。

    MathFlow での数式の作成方法について詳しくは、MathFlow のヘルプを参照してください。 MathFlow ヘルプは「MathFlow エディター」ウィンドウから起動できます。

  3. 文書に数式を追加するには、「OK」をクリックします。

MathML 数式を作成すると、画像(.png)ファイルが文書に挿入されます。

注意: フォントの初期化に失敗したというメッセージが表示された場合は、ナレッジベース記事 MathML のフォント初期化エラーで解決方法を検索してください。
注意: FrameMaker は MathML 画像の .eps ファイル形式をサポートしません。

文書内の MathML 数式を編集

  1. 文書内の数式をダブルクリックするか、数式を右クリックして「MathFlow で編集」を選択します。

  2. MathFlow エディターウィンドウで数式を編集します。

  3. 文書の数式を更新するには、「OK」をクリックします。

FrameMaker は、文書の MathML 数式の数式で、コピー&ペーストや元に戻したりやり直したりする操作もサポートしています。

重要: 構造化文書(DITA 1.3)と非構造化文書では、文書の任意の適切な位置に MathML 数式を挿入できます。ただし、ユーザー自身の構造化文書の場合は、まずこのタイプのオブジェクトをサポートするエレメントカタログでエレメントを定義する必要があります。FrameMaker には、MathML エレメントを含むサンプルの構造化アプリケーション(DITA 1.2 用)が付属しています。このエレメントを使用する方法について詳しくは、「 サンプル DITA MathML 構造化アプリケーション」を参照してください。

FrameMaker での MathFlow 設定の構成

FrameMaker で MathFlow 設定を構成するには、編集 > /環境設定を選択して環境設定ダイアログを開き、「MathML」タブを選択します。

インストール設定の構成

FrameMaker には、Design Science 社製 MathFlow の Style Editor と Structure Editor の 30 日間の体験版が同梱されています。 Design Science 社製 MathFlow の Style Editor と Structure Editor の完全バージョンを取得して、これを FrameMaker に統合できます。

  1. Style Editor と Structure Editor の完全バージョンをインストールした後は、「MathML」タブの「MathFlow」セクションに移動します。

  2. FrameMaker に同梱される体験版は、Adobe FrameMaker のインストールパスにインストールされます。 別のパスに MathFlow をインストールした場合は、そのパスを指定します。

  3. ライセンスファイルパス」テキストボックスで、ライセンスファイルのパスを指定し、「OK」をクリックします。

FrameMaker を再起動して、変更が適用されていることを確認する必要があります。

注意: MathFlow の30 日の体験期間は、エディターを最初に起動してから開始されます。 エディターを含む FrameMaker のバージョンをインストールした日からではありません。

MathML 数式の書式を設定

文書内で選択した MathML 数式の書式を更新したり、すべての MathML 数式の環境設定を変更したりできます。デフォルトでは、数式のフォントサイズは 14 px に設定されています。 FrameMaker が各数式の文書に挿入する画像の DPI は、デフォルトで 300 dpi に設定されています。また、囲った段落に数式をインラインで配置したり、囲った段落の書式を数式に適用することができます。

現在選択している MathML 数式の書式を更新するには:

  1. MathML 数式を選択して、グラフィック > オブジェクトの属性を選びます。

    またはグラフィック > オブジェクトスタイルデザイナーを選択します。

    これらのオプションはコンテキストメニューから使用することもできます。

  2. MathML 数式プロパティダイアログで現在選択している MathML 数式のフォーマットを更新します。

Figure 3. MathML 数式プロパティダイアログ
MathML 数式属性ダイアログでの MathML 数式の書式設定

DPI とフォント
DPI およびフォントサイズの設定を変更します。
インライン
囲った段落を使用して画像をインラインで配置します。
段落スタイルを適用

式に囲む段落の次の形式を適用:

  • フォント

  • フォントファミリー

  • 背景カラー

  • 描画色

これらの設定は後から作成したすべての MathML 数式へグローバルに適用することもできます。

  1. 環境設定ダイアログ(編集 > 環境設定)を開きます。

  2. 「MathML」タブの「MathFlow 設定値」セクションで、数式の設定を変更します。

これらの設定はただちに適用されます。 このため、FrameMaker を再起動する必要はありません。

MathFlow エディターの構成

MathFlow エディターの体験版には、Style Editor と Structure Editor が含まれます。 この期間、これらのエディターをどちらでも選択できます。

  1. MathFlow エディターを変更するには、「MathML」タブの「エディタータイプ」セクションに移動します。

  2. 必要な MathFlow エディターを選択して「OK」をクリックします。

FrameMaker を再起動して、変更が適用されていることを確認する必要があります。

注意: MathFlow の完全バージョンをインストールすると、Style Editor と Structure Editor のどちらかを選択する必要があります。 MathFlow の体験版を FrameMaker に統合すると、両方のエディターが含まれます。 このため、この機能を試している間は、両方のエディターを使用することをお勧めします。

サンプル DITA MathML 構造化アプリケーション

FrameMaker には、DITA_1.2_MathML_Sample という名前のサンプル DITA MathML アプリケーションが含まれています。この <mathml> エレメントは、MathFlow Style Editor と Structure Editor によってレンダリングされた MathML 数式を完全にサポートしています。 MathML をドキュメントに追加するには、このアプリケーションに基づいてファイルを作成し、その中で MathML エレメントを使用できます。

次のビデオを参照してください:構造化文書での MathML

MathML タイプのエレメントを挿入するには、次の操作を行います。

  1. ファイル > 新規 > XMLを選択します。

  2. 新規 XML ダイアログで構造化アプリケーションタブに移動して「DITA_1.2_MathML_Sample」を選択します。「OK」をクリックします。

    新しい文書が作成されます。

  3. MathML 数式を挿入する文書の任意の場所に移動します。

    MathML エレメントである mathml は、サンプル構造化アプリケーションのエレメントカタログで使用可能です。

    注意: mathml エレメントは、外部のエレメントが使用可能な文書の任意のポイントで使用できます。
  4. <mathml> エレメントをダブルクリックして、文書のポイントに挿入します。

  5. 現在の文書の XML ビューに移動します。

    構造化文書の XML では、MathML エレメントを挿入した場所に MathML ノードが含まれます。

    注意: mathml ノードの各エレメントには mml という接頭辞が付いています。 この接頭辞を使用すると、構造化アプリケーションのエレメントカタログに含まれる XML、または MathML 構造で定義されたエレメントに含まれる XML で使用されている他のエレメントとの名前の競合を回避できます。

XML ビューの mathml ノードの数式を編集するオプションもあります。 変更は WSIYWIG ビューで表示できます。

注意: DITA_1.2_MathML_Sample 文書を MathML 数式を一切挿入せずに公開しようとすると、このような文書の出力は生成されません。