テンプレート

FrameMaker のテンプレート、構造化テンプレート、非構造化テンプレートについて説明します。

テンプレートの作成時は、まずマスターページでレイアウトを設定し、書式の定義と適用を行ってから、相互参照書式や変数などの特殊テキストを定義します。

ヒント: 作成するテンプレート用に、テンプレートフォルダーには、関連のあるテンプレートだけでなく、テンプレートの説明と使用方法を記載した文書も保存します。
非構造化テンプレート

テンプレートとは、複数の場所で使用する属性を保存した文書です。 テンプレートから文書を作成することにより全テンプレート属性を設定することも、後でテンプレートから特定の属性を取り込むこともできます。 テンプレートは、文書に一貫性のあるレイアウトとフォーマットを提供します。

  • エレメント定義内の書式情報とともに作業する段落、文字および表書式

  • ページのコラム数と位置、ページヘッダーなどのバックグラウンドアイテムを定義するページレイアウト

  • 繰り返し使用するグラフィックや書式情報を保存するリファレンスページ

  • FrameMaker が更新するテキストのプレースホルダーとして使用する変数

  • 相互参照、数式、コンディショナルタグの書式情報

  • テキストとオブジェクトに適用する色の定義

  • 脚注設定、カスタムマーカーの種類、行間隔のフェザリングオプションなど、文書全体に関する設定

  • 和文と欧文の合成フォントの指定(日本語システム上)

構造化テンプレート

構造化 FrameMaker には、英文レター、メモ、ファックス、封筒、レポート、アウトライン、ニュースレター、ブック、FAQ およびシングルソースブックのための構造化テンプレートが付属しています。

  • エレメントに使用できる内容、属性および書式を指定するエレメント定義

  • エレメント定義内の書式情報とともに動作する段落および文字

  • FrameMaker が更新するテキストのプレースホルダーとして使用する変数

  • 相互参照とコンディショナルタグの書式情報

  • テキストとオブジェクトに適用する色の定義

注意: 構造化ファイルで作業している場合は、アプリケーション開発者が構造化アプリケーションとの双方向の変換を処理する特殊な文書を設定することができます。 このような文書には、構造化ファイルを FrameMaker 内で書式設定するテンプレートが含まれている場合があります。 このテンプレートは、構造化アプリケーションからファイルを取り込むときに、自動的に適用されます。

ページレイアウトをデザインする

FrameMaker でページレイアウトのデザイン、テキスト書式のデザイン、書式の標準化、番号付けの設定、特殊テキストの定義を行います。

  1. 文書を作成する. 新しいカスタム文書を作成するか、既存の文書のコピーを使用します。

    ヒント: 見開きページを確認しながらページレイアウトをデザインするには、両方のページを横に並べて表示します。 アプリケーションバーの CS Live メニューから > 必要に応じて、ドキュメントウィンドウを大きくしてからズームアウトし、両方のページをウィンドウ内に収めます。
  2. コラムレイアウトを定義します。 カスタム文書を使用して作業を始めた場合は、余白とコラム数は既に設定されています。 既存の文書を使用している場合は、必要に応じてコラムレイアウトを変更します。

  3. 必要なカスタムマスターページを追加して、名前を入力します。

  4. マスターページ上に、ヘッダーとフッターなどのバックグラウンドのテキストやグラフィックを入力します。

    ヘッダーやフッターに、章や節のタイトルのようなテキストまたは段落の自動番号が含まれている場合、このヘッダーやフッターには、その段落を参照するヘッダー / フッター変数が含まれています。 これを設定するには、その段落のタグを決定します。

  5. 番号やテキストオプションなどのカスタム文書の属性を定義して、表示オプションを指定します。

テキスト書式のデザイン

ページレイアウトをデザインしたら、テキストの書式を定義します。

  • 他のコンピューターで文書を開いたりプリントしたりする場合は、一般的に使用されるフォントを選びます。

  • 段落書式はテキスト書式の基本になるので、文字書式の前に段落書式を設定します。

  • 文字書式を作成する場合は、文字書式ウィンドウのオプションをすべて「そのまま」に設定してから、変更する設定だけを指定します。 これで、この文字書式はどの段落書式でも使用できます。

  • タグには、テキストの外見ではなく、用途を表す名前を付けます。 例えば、テキストを強調する書式の名前を「太字」ではなく「強調」にします。 そうすると、強調テキストのスタイルを斜体に変更した場合に、テキストにタグを付け直す代わりに「強調」書式の定義を変更するだけで済みます。

  • また、わかりやすい名前を使用します。 例えば、番号リストの書式には、「st1」や「stn」ではなく、「手順 1」や「次手順」という名前を付けます。 または、キーボードを使用して段落のタグや文字のタグを適用するときは、タグに「st1 手順 1」や「stn 次手順」という名前を付けます。 このように名前を付けておくと、タグや説明をキーボードから簡単に入力できます。

  • テンプレートで自動番号の系列を複数使用する場合は、それぞれの自動番号の書式に系列ラベルを追加します。 例えば、手順の自動番号は「S:<n+>」(S: は系列ラベル)と定義します。

  • 段落書式では、「間隔」セクションの「段落の前」または「段落の後」を使用して段落の間隔を統一します (段落の間隔では、「段落の前」と「段落の後」のうちで大きいほうの値が適用されます)。

グラフィック、枠、表の統一

文書にグラフィック、枠または表が含まれる場合は、次のガイドラインを参考にして、テンプレートを統一してください。

  • 標準アイテムはまとめてリファレンスページ上に配置します。 ここには、注意や警告に付けるシンボルや、高さと幅を標準サイズに設定したアンカー枠のように、ユーザーが頻繁に使用するグラフィックを含めます。 ユーザーは、必要に応じてこれらのアイテムをコピーおよびペーストできます。

  • グラフィックの周りの間隔を一定に保つには、アンカー枠の段落書式を作成します。 例えば、「」という名前の段落書式を作成して、「段落の後」を「20 pt」、「行間」を「0」に設定します。 これで、「枠」タグが付いた空白の段落内にそれぞれの枠をアンカーできます。 また、セルが 1 つしかない表を作成して、表の中にグラフィックを配置し、タイトル部分にキャプションを挿入することもできます。

  • グラフィックのキャプションにテキスト枠を使用する場合は、キャプション用の段落書式を作成します。 また、キャプションにテキスト行を使用する場合は、文字書式を作成します。 (テキスト行に段落書式を適用することはできません)。

  • カラーモデルを選択して、必要に応じてカラーとカラー表示の定義を変更します。

  • 標準の表書式を作成します。 表で使用するように設定した属性の一部は、別の文書内に取り込むことができません。 実際の表に含まれるテキストの幅などの属性は一定ではないので、 表の設定方法にかかわらず、一部の属性を調整する必要があります。 ここで書式を設定する表は、作成する表の基礎として使用します。

番号の設定

新しい文書のページ番号は「1 から再開」に設定されます。

ブック内の連続ページ番号のためのテンプレートを作成するときは、テンプレート内のページ番号を「ブック内の前ページから番号を続ける」に設定することができます。また、章番号も「ブック内の前ファイルから番号を続ける」に設定することができます。

特殊テキストとフォントを定義する

特殊テキストアイテムを設定するには、次のような作業を行います。

  • 脚注番号のスタイルや書式などの脚注属性を選択します。

  • 相互参照の書式を定義します。 相互参照書式は、できるだけ統一してください。 例えば、相互参照に「参照」というテキストを含める場合は、これを書式の定義に含めます。

  • 製品名や文書名など、プロジェクトの進行中に変更する可能性があるアイテム用に、ユーザー変数を定義します。

  • コンディショナルタグ、コンディションの表示方法、コンディショナルタグの表示設定を定義します。

  • 特別な索引を作成する必要がある場合は、マーカーの種類を定義します。

  • 文書中で数式を使用する場合は、数式のサイズとフォントを定義します。

  • 文書に日本語テキストが含まれる場合は、使用する合成フォントを定義して、ルビの属性を設定します。

HTML オプションを設定する

テンプレートを基に作成する文書を HTML に変換する場合は、文書の変換方法を定義するマッピングと変換マクロを設定する必要があります。

  • FrameMaker の段落書式と文字書式から HTML タグへのマッピングを設定します。

  • 相互参照書式をオンライン文書に適した書式に変換する変換マクロを作成します。

  • その他に必要な変換マクロ(新しいすべての Web ページの上部にロゴを配置したり、HTML 文書のタイトルを定義するマクロなど)を作成したりします。

生成ファイルのテンプレートを作成する

FrameMaker で生成ファイルのテンプレートの作成、生成ファイルの書式の更新、書式の取り込みを行い、新しいファイルを生成したときに既存ファイルの書式を使用します。

目次や索引などの生成ファイルを生成するときに、ソース文書やソースブックファイルを含むフォルダー内に生成ファイルと同じ名前のファイルがある場合は、既存ファイルの書式を使用します。 既存ファイルから書式を取り込むので、既存ファイルが新しい生成ファイルのテンプレートとしての機能を果たします。 これを利用して、ページレイアウト、段落書式、文字書式およびリファレンスページ上の書式情報を含む生成ファイルのテンプレートを作成します。

テンプレートから書式を取り込んで、生成ファイルの書式を更新することもできます。 ただし、書式の設定をすべて確認するには、書式を取り込んだ後にファイルを生成する必要があります。

  1. 目次や索引などの生成ファイルのソース文書やソースブックファイルを開きます。

  2. ファイルを生成します。

  3. 生成ファイルの書式を設定します。 このファイルがテンプレートになります。

  4. 生成ファイルを保存します。 生成ファイルのテンプレートは、新しい生成ファイルの作成に使用する文書やブックファイルのあるフォルダー内に保存します。

コンディショナルタグ設定を変更するテンプレートを作成する

FrameMaker でコンディショナルタグ設定を変更するテンプレートを作成する方法について説明します。

ブック内のコンディショナル文書の表示を頻繁に変更する場合は、それぞれの表示で使用するテンプレートを作成すると便利です。 これで、該当するテンプレートからコンディショナルタグ設定をブックファイル内に取り込んで、ブック内の全ファイルの表示を一度に変更することができます。

  1. すべてのコンディションとコンディショナルタグを表示するように設定したコンディショナル文書の基本テンプレートを作成します。 文書を編集する前に、このテンプレートからコンディショナルタグ設定を取り込みます。

  2. 表示するコンディションを組み合わせたテンプレートをそれぞれ作成します。 これらのテンプレートを使用して文書の特定のバージョンを表示またはプリントします。 また、テンプレートを使用して、特定の表示に特有な変数定義を変更することもできます。

白紙ページや空白のテキストファイルのテンプレートを変更する

FrameMaker で白紙ページや空白のテキストファイルのテンプレートの変更、ページレイアウトの更新を行います。

白紙ページのカスタムテンプレートを変更して、必要な書式を含めることができます。 このテンプレートには、ページレイアウトを除いて、他のテンプレートと同じ情報を含めることができます。 マスターページレイアウトやコラム数および余白設定は、白紙の文書を作成するときに指定します。

注意: 白紙文書を作成するときやテキストファイルを開くときに使用するファイル名を変更できます。

白紙ページのテンプレートを変更する

  1. 文書を変更して、必要な書式や設定を含めます。 既存のマスターページは空白にしておきます。カスタムマスターページも作成しません。

  2. 片面の文書でも、左右両方のマスターページからテキスト枠をすべて削除します > > 次に、マスターページのテキスト枠を選んで削除します。

  3. > >

  4. FrameMaker の fminit フォルダー内に「Custom」という名前で文書を保存します >

テキストファイルのテンプレートを変更する

  1. 文書を変更して、必要な書式や設定を含めます。 例えば、ヘッダーとフッター、段落カタログおよびマスターページグラフィックなどを設定できます。

  2. ボディページ上のテキストをすべて削除します。

  3. 1 ページ上の空白のテキスト枠内をクリックして、すべてのテキストに適用する段落書式のタグを付けます。 初期設定のテンプレートでは、「本文」段落書式が使用されます。

  4. FrameMaker の fminit フォルダー内に「txttmplt」という名前で文書を保存します。

テンプレートまたは文書から書式を取り込む

FrameMaker でテンプレートや文書から書式を取り込む方法、取り込みおよび更新設定の詳細について説明します。

段落書式や表書式、変数定義などの属性は、別の文書(通常はテンプレート)から取り込むことができます。

また、 段落カタログに保存されていない段落書式の変更のような文書中の書式変更を保持したり削除したりすることもできます。

書式をブックファイルに取り込む

  1. 取り込む書式が含まれている文書を開きます。

  2. 対象の文書ウィンドウまたはブックウィンドウをアクティブにします。 ブックウィンドウがアクティブである場合は、更新する文書を選択します。

  3. 更新するドキュメントまたはブックで、 ファイル > 取り込み > 書式を選択します。

  4. 次のいずれかの操作を行います。

    • 他の文書から書式を取り込む場合は、取り込み元の文書ポップアップメニューでソース文書を選択します。 ポップアップメニューには、開いている保存済みの文書がすべてリストされます。

    • 現在の文書の書式をもう一度適用する場合は、取り込み元の文書ポップアップメニューで「現在の文書」を選択します。

  5. 「取り込み / 更新」セクションで、現在の文書に適用するオプションを選択します。初期設定では、すべてのオプションが選択されています。 オプションをすべて一度に選択解除または選択するには、「すべてを選択解除」または「すべてを選択」をクリックします。 変数定義や相互参照書式、数式定義の更新時に、これらのアイテムのいずれかに文字書式が使用されている場合は、「文字書式」も選択して文書に追加します。

  6. それぞれの書式に適用した変更でカタログに保存されていないものを削除する場合は、次の操作を行います。

    • 段落カタログ書式で設定していない改ページを削除する場合は、「強制改ページ」を選択します。

    • 段落、文字、ページレイアウトおよび表の書式変更を削除する場合は、「その他の書式/レイアウトの変更」を選択します。

  7. 「取り込み」をクリックします。

設定の取り込みと更新について

テンプレートから書式情報を取り込むと、その書式情報は文書内の書式情報と併合されます。元の情報を完全に置き換えるわけではありません。 例えば、段落書式を取り込むと、この書式が文書の段落カタログに追加されます。 両方の文書に同じ名前の書式がある場合は、取り込んだ書式で元の書式が上書きされます。 上書きされない書式は、すべて文書中に残ります。

注意: 書式名では大文字と小文字が区別されるので、「Body」と「body」は異なる書式として見なされます。
段落書式

テンプレートの段落カタログが文書に追加され、カタログ内の書式がすべて文書に適用されます。テンプレート中の PDF のしおり設定も文書中にコピーされます。

文字書式

テンプレートの文字カタログが文書に追加され、カタログ内の書式がすべて文書に適用されます。

ページレイアウト

テンプレートのマスターページが文書に追加され、マスターページの変更がボディページに適用されます。 テンプレートと文書の両方に同じ名前のマスターページがある場合は、テンプレートのマスターページで文書のマスターページが上書きされます。改訂バーの属性、用紙サイズダイアログボックスおよびページダイアログボックスのすべての設定、表示オプションダイアログボックスの大半の設定がコピーされます。

表書式

テンプレートの表カタログと罫線スタイルが文書に追加され、カタログ内の書式がすべて文書に適用されます。

カラー定義

テンプレートのカラー定義とカラー表示が文書に追加されます。

文書の属性

テンプレートのカスタムマーカーの種類および脚注の属性、番号属性ダイアログボックスの巻、章、ページ、段落、脚注、および表脚注の番号のスタイル、テキストオプションダイアログボックス内の「改行前に使用可能な文字」設定に含まれる文字、行のレイアウトダイアログボックスの「フェザリング」の設定が文書に追加されます。 PDF のしおり以外の設定も文書に追加されます。 また、日本語システムを使用している場合は、ルビ設定および組版ルールも文書に追加されます。

リファレンスページ

テンプレートのリファレンスページは、FrameMath リファレンスページ以外のすべてが文書に追加されます。 テンプレートと文書の両方に同じ名前のリファレンスページがある場合は、テンプレートのリファレンスページで文書のリファレンスページが上書きされます。FrameMath リファレンスページを取り込むには、「数式定義」を選択します。

変数定義

テンプレートの変数定義が文書に追加されます。

相互参照書式

テンプレートの相互参照書式が文書に追加され、文書内の相互参照は更新されます。

コンディショナルタグの設定

テンプレートのコンディショナルタグおよび表示設定が文書に追加され、コンディショナルタグに適用されます。

数式の定義

テンプレートの数式のサイズとフォント設定、カスタム数式エレメント定義および FrameMath リファレンスページが文書に追加されます。 リファレンスページを追加するときに文書中のカスタム数式エレメントが削除された場合は、これらの数式エレメントが、疑問符(?)で囲まれたエレメント名で置き換えられます。

合成フォント

日本語システムを使用している場合は、和文フォントと欧文フォントの合成フォントが文書に追加され、合成フォントを使用しているテキストに適用されます。


January 24, 2022

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