XSL変換

FrameMakerでは、XMLを処理するためのオプションを提供しています。また、FrameMakerでは、XMLの読み込みや書き出しでXSL変換(スキーマでのXMLを参照)や構文およびルール定義用のスキーマ言語(スキーマでのXMLを参照)をサポートします。参照先スキーマから自動的にDocument Type Definition(DTD)を作成してスキーマを使用するXML文書を取り込むことや、スキーマ定義から直接Element Definition Document(EDD)を作成することができます。読み込みと書き出し時に、関連付けられているスキーマに照らして検証することもできます。

XSL(EXtensible Stylesheet Language)は、XML文書用のスタイルシート言語です。XSLT(Extensible Stylesheet Language Transformation)は、XSLで定義した変換をXML文書に適用するための手段です。

XSLは次の3つの仕様で構成されています。

XSLT

XML文書を変換するための言語。

XPath

XML文書内でナビゲーションをするための言語。

XSL-FO

XML文書を書式設定するための言語。

FrameMakerには、XSLTプロセッサーが含まれていて、これを利用すると、XSLTファイルをXML構造化アプリケーションやXML文書に関連付けて、文書に定義された変換をXMLとの間の取り込みおよび書き出しの際に適用することができます。FrameMakerでは、W3C XSLT 1.0勧告をサポートしています。maker.iniファイルを編集するか、もしくは構造化アプリケーション内からXSLTプロセッサーを変更することができます。

構造化アプリケーション(XMLApplicationStylesheetsエレメントのXSLTPreferences)の新しいエレメント(SmartPastePreProcessingPostProcessing)を使用すると、XSLTファイルをXML 構造化アプリケーションの一部として指定し、取り込みおよび書き出しに使用することができます。

xml-stylesheet PI (processing instruction) により、XMLマークアップ文書内でXSLファイルを指定して、その文書を取り込む際に、構造化アプリケーションで指定されたXSLTよりも優先させることができるようになりました。

取り込みの際には、初期設定の読み取りルールまたは定義した追加の読み取りルールの前に、XSL変換が適用されます。つまり、取り込みの際にXSL変換を適用すると、新しいファイルが生成され、(XMLファイルの場合は)読み書きルールに渡される結果になります。

書き出しの際には、初期設定または明示的な書き込みルールの後にXSL変換が適用されます。書き出しの際に、読み書きルールを適用すると、新しいXMLファイルが生成され、有効な場合、XSLTプロセッサーに渡されます。

XSLを使用してXMLファイルからハイパーテキスト出力(XMLまたはHTML)を作成することができます。XMLファイル内で再利用可能な変換を作成し保存することができます。再利用可能な変換には、XSLTの名前やパス、入出力ファイルのパスなどの情報が含まれます。

出力は、コンピューターにインストールされている解析を使用して作成され、maker.ini設定によってFrameMakerに登録されます。XalanとSAXONが、FrameMakerによってデフォルトでコンピューターにインストールされます。XALANはXSLT 1.0をサポートし、SAXONはXSLT 3.0をサポートします。XALANおよびSAXONは両方ともJAXP準拠です。

注: FrameMakerにはSaxon Enterprise Edition 9.8.3が付属しています。

SAXONは、XSLが直接実行されているか、変換固有の解析が指定されていない場合に使用されるデフォルトの解析です。ただし、次のフラグを使用して、maker.iniファイルで新しいデフォルトのプロセッサーを指定することができます。

[XSLTProcessors]
;processorName=jar path(all dependent jars should be in same dir), TransformerFactory class, default if default processor(if not specified - 1st processor would become default.)

XALAN=fminit\XSLT\XSLTProcessors\xalan\xalan-j_2_7_1-bin\xalan.jar, org.apache.xalan.processor.TransformerFactoryImpl

SAXON=fminit\XSLT\XSLTProcessors\saxon\saxonhe9-3-0-5j\saxon9he.jar, net.sf.saxon.TransformerFactoryImpl, Default

XSL変換には、XMLファイルから出力を作成するための、XSL、解析、および出力フォルダーなどの情報が含まれます。作成する変換は、XMLファイルに保存されます。デフォルトおよびアプリケーション特有という2種類の変換があります。デフォルトの変換は、TransformationFilePathを使用してmaker.iniファイルで指定されたファイルに保存されます。アプリケーション特有の変換は、structapps.fmファイルの構造化アプリケーション用に指定するXMLファイルに保存されます。

XSLTツールバーは、使用する変換の履歴を保持し、複数のXMLファイルから出力を作成するための拡張実行機能を使えるようにします。ツールバーから、開いているファイルの変換\XSLを選択して実行することもできます。詳しくは、「拡張実行を使用した複数ファイルの変換」を参照してください。

FrameMakerのXSLTツールバー

 

A.クリックしてXSLファイルを選択しますB.クリックして変換を選択しますC.選択した変換またはXSLを実行しますD.クリックして詳細実行ダイアログを表示します


August 22, 2018

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