air.Vector["<T>"]()
コンストラクターを呼び出して Vector インスタンスを作成します。このコンストラクターを呼び出すときに、Vector 変数のベース型を指定します。ベクターのベース型は、型パラメーターシンタックスを使用して指定します。コードでは、
Vector
という語の直後に型パラメーターが置かれます。型パラメーターは左角括弧、山括弧(
<>
)で囲まれた基本クラス名の文字列、右角括弧の順に構成されます。このシンタックスの例は次のとおりです。
var v = new air.Vector["<String>"]();
この例では、変数
v
は String オブジェクトのベクターとして宣言されています。つまり、これは、String インスタンスのみを保持できるインデックス配列を表します。
引数を指定しないで
air.Vector["<T>"]()
コンストラクターを使用すると、空の Vector インスタンスが作成されます。ベクターの
length
プロパティを検証することによって、Vector が空であることをテストできます。例えば、次のコードは、
Vector["<T>"]()
コンストラクターを引数なしで呼び出しています。
var names = new air.Vector["<String>"]();
air.trace(names.length); // output: 0
ベクターが最初に必要とする要素の数を事前に把握している場合、ベクター内の要素数を事前に定義できます。特定の数の要素を含むベクターを作成するには、1 番目のパラメーター(
length
パラメーター)として要素数を渡します。Vector 要素は空にできないので、要素にはベース型のインスタンスが入力されます。ベース型が
null
値を許可する参照型である場合、すべての要素は
null
を含みます。その他の場合、要素はすべてクラスのデフォルト値を含みます。例えば、Number 変数は
null
にできません。その結果、次のコードでは、3 つの要素を含みそれぞれの要素のデフォルトの Numbe の値が
NaN
である
ages
というベクターが作成されます。
var ages = new air.Vector["<Number>"](3);
air.trace(ages); // output: NaN, NaN, NaN
Vector["<T>"]()
コンストラクターを使用すると、第 2 パラメーター(
fixed
パラメーター)に
true
を渡すことによって固定長のベクターを作成することもできます。この場合、指定の数の要素を含むベクターが作成され、要素数は変更できません。ただし、固定長のベクターの要素の値を変更することはできます。
AIR ランタイムオブジェクト(
window.runtime
オブジェクトで定義されたクラス)のベクターを作成する場合、Vector コンストラクターを呼び出すときに ActionScript 3.0 のクラスの完全修飾名を参照します。例えば、次に示すコードは File オブジェクトのベクターを作成します。
var files = new air.Vector["flash.filesystem.File"](3);