3.4 JBoss run.conf ファイルの変更

LiveCycle オプションを追加するには、LiveCycle クラスター内の各 JBoss Application Server インスタンスの JBoss 実行ファイルを変更します。

この手順を開始する前に、クラスターキャッシュの引数を正しく設定できるように、LiveCycle クラスターでのクラスターキャッシュの実装方法を判断してください。クラスターキャッシュは、TCP または UDP のいずれかを使用して実装できますが、両方を使用することはできません。選択に影響する要因は次のとおりです。

  • (推奨)クラスターが IPv4 ベースまたは IPv6 ベースの場合は、TCP を使用します。IPv6 ベースのクラスターには、IPv6 に準拠するように TCP を使用する必要があります。

    TCP を使用してクラスターキャッシュを実装する場合は、TCP ロケーターも正しく設定するようにしてください(「キャッシュロケーターの設定(TCP を使用するキャッシュのみ)」を参照)。

  • UDP を使用するオプションは、IPv4 ベースのクラスターでのみ利用できます。

TCP プロトコルには継承の信頼性があるので、実稼働システムには UDP マルチキャストではなく TCP を使用することをお勧めします。

JBoss run.conf ファイルを変更するには:

  1. テキストエディターで次のファイルを開きます。

    • (Windows)[appserver root]¥bin¥run.conf.bat

    • (UNIX)[appserver root]/bin/run.conf

  2. JAVA_OPTS 行で、次の引数を追加または変更します。

    -Djboss.partition.name=<partition_name>
    注意: <partition_name> には、LiveCycle クラスターを一意に識別する値を指定します。次の例に示すように、LiveCycle クラスターの各ノードで、同じ <partition_name> の値を設定します。
    -Djboss.partition.name=livecycle_cluster
    注意: JBoss サーバーの起動中にこの値をコマンドとして渡すこともできます。JBoss クラスター内のすべてのノードで同じ値である必要があります。値は run.conf ファイル内の JVM 引数、またはコマンドライン引数 '-g <partition_name> として渡す必要があります。
  3. JAVA_OPTS 行で、次の引数を追加または変更します。

    -Dadobeidp.serverName=<server name>
    注意: <server name> には任意の値を指定できますが、次の例に示すように、<server name> には LiveCycle クラスターの各ノードで一意の値を指定する必要があります。
    • クラスターの 1 つのノードで、引数 -Dadobeidp.serverName=server1 を設定します。

    • クラスターの別のノードで、引数 -Dadobeidp.serverName=server2 を設定します。

    LiveCycle クラスターのその他のノードも同様に設定できますが、<server name> には一意の値を設定します。

  4. IPv4 の場合、JAVA_OPTS 行で次の引数が既に設定されている場合があります。設定されていない場合は、この引数を設定します。

    -Djava.net.preferIPv4Stack=true

    IPv6 の場合、-Djava.net.preferIPv4Stack=true を削除し、次の引数を追加します。

    -Djava.net.preferIPv6Addresses=true 
    -Djava.net.preferIPv6Stack=true 
  5. クラスターキャッシュ用に JVM 引数を構成します。JAVA_OPTS 行で、次のいずれか 1 つの引数を追加または変更します。

    UDP 検索を使用したキャッシュ

    • マルチキャストポート引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.multicast-port=<port number>
      注意: <port number> の値は、1025 ~ 65535 の使用可能なポートにすることができます。マルチキャストポートは LiveCycle クラスターに対して一意である必要があります(同じネットワーク上の別のクラスターが、そのポートを使用していてはいけません。同じネットワーク上の別のクラスターで同じポートを使用すると、ブートストラップに失敗します)。次の例のように、LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <port number> を設定することをお勧めします。
      -Dadobe.cache.multicast-port=33456
    • マルチキャストアドレス引数の設定はオプションです。IPv4 および IPv6 用のデフォルトのマルチキャストアドレスは、次のとおりです。

      IPv6 - FF38::1234 
      IPv4 - 239.192.81.1

      ネットワークのマルチキャストアドレスに制限を設けている場合は、次の引数を使用してマルチキャストアドレスを設定します。

      -Dadobe.cache.multicast-address=<ip address>

      <ip address> の値は、マルチキャストネットワーキングに使用する IP アドレスです。adobe.cache.multicast-port の値が 0 の場合、この IP アドレスは無視されます。

      マルチキャストアドレスは LiveCycle クラスターに対して一意である必要があり、同じネットワーク上の別のクラスターがそのアドレスを使用していてはいけません。LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <ip address> を設定することをお勧めします。次に例を示します。

      -Dadobe.cache.multicast-address=239.192.81.1
    • 複数のネットワークインターフェイスを持つマシンの場合

      複数のネットワークインターフェイスカード(NIC)を介して複数のネットワークに接続するマシンもあります。そのようなマシンでは、JVM プロパティ -Dadobe.cache.bind-address を、LiveCycle Server に使用するネットワークインターフェイスカードの IP アドレスに設定します。

      -Dadobe.cache.bind-address=<IP Address>
      注意: 1 つのネットワークインターフェイスカードを持つマシンに対しても、JVM プロパティ -Dadobe.cache.bind-address を設定することをお勧めします。
    TCP のみを使用したキャッシュ
    • IPv4 の場合、クラスターロケーター引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.cluster-locators=<IPaddress>[<port number>],<IPaddress> [<port number>]

      IPv6 の場合、クラスターロケーター引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.cluster-locators=<hostname>@<IPv6 address>[<port number>],<hostname>@<IPv6 address>[<port number>]
      注意: クラスターのすべてのノードのロケーターを、カンマ区切りのリストで設定します。<IPaddress> の値には、ロケーターを稼働しているコンピューターの IP アドレスを指定します。<port number> の値には、1025 ~ 65535 の未使用のポートを指定します。次の例のように、LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <port number> を設定することをお勧めします。
      -Dadobe.cache.cluster-locators=10.20.30.5[22345],10.20.30.6[22345]
      注意: LiveCycle Cluster のすべてのノードで TCP ロケーターを実行しないでください。ロケーターは、最低 2 つ実行することをお勧めします。 1 つの TCP ロケーターがプライマリロケーターとなり、他の TCP ロケーターがフェイルオーバーの問題を処理するセカンダリロケーターになります。3 つ以上の TCP ロケーターをバックアップロケーターとして追加できますが、必須ではありません。 TCP ロケーターの設定の詳細については、「4.4 クラスター内のキャッシュロケーターの設定(TCP を使用するキャッシュのみ)」を参照してください。
  6. アプリケーションサーバーへのサービス拒否攻撃を防ぐには、次の JVM 引数を設定します。
    -DentityExpansionLimit=10000
  7. 編集したファイルを保存します。

  8. クラスター内のノードごとに、手順 1 ~ 6 を繰り返します。