デスクトップアプリケーションのインストールとアップデート

デスクトップ AIR アプリケーションは、拡張子が air の AIR インストーラーファイルを使用して配布されます。Adobe AIR がインストールされている環境で AIR ファイルを開く場合、ランタイムによってアプリケーションのインストールプロセスが制御および管理されます。

注意: 開発者は、バージョン、アプリケーション名、発行者ソースを指定できますが、アプリケーションのインストールの最初のワークフロー自体は変更できません。 Adobe AIR によって管理される安全で合理化された一貫性のあるインストール手順をすべてのアプリケーションで共有できるので、この制限はユーザーにとって有利になります。 アプリケーションのカスタマイズが必要な場合は、アプリケーションを初めて実行するときに指定できます。

デフォルトのアプリケーションインストーラーによって、セキュリティ関連の情報がユーザーに示されます。 AIR のインストール中に発行者名が表示されるのは、信頼できる証明書、またはインストールされているコンピューターで信頼されている証明書にチェーン化されている証明書を使用して AIR アプリケーションに署名している場合です。 それ以外の場合、発行者名は「不明」として表示されます。 これにより、ユーザーは、十分な情報に基づいてアプリケーションをインストールするかどうかを決定できます。

SWF ファイルで最初に Flash Player ブラウザープラグインをインストールする必要があるのと同様に、AIR アプリケーションでも最初にランタイムをユーザーのコンピューターにインストールする必要があります。

ランタイムは 2 つの方法でインストールできます。 1 つはシームレスインストール機能を使用する方法で、もう 1 つは手動でインストールする方法です。

  • シームレスインストール機能を使用すると、開発者は、Adobe AIR をインストールしていないユーザーに合理化されたインストールエクスペリエンスを提供できます。 シームレスインストールでは、開発者は Web ページに SWF ファイルを埋め込み、その SWF ファイルでインストール対象の AIR アプリケーションの名前を示します。 ユーザーが SWF ファイルをクリックしてアプリケーションをインストールするときに、SWF ファイルによって ランタイムの有無が確認されます。 ランタイムが検出されない場合、ランタイムはインストールされて、開発者のアプリケーションのインストールプロセスですぐに有効化されます。 ユーザーには、インストールをキャンセルするためのオプションも提供されます。

  • ユーザーが AIR ファイルをインストールする前にランタイムを手動でダウンロードしてインストールすることもできます。 この場合、開発者は様々な方法(電子メールや Web サイト上の HTML リンクなど)で AIR ファイルを配布できます。AIR ファイルを開くと、ランタイムが有効化され、アプリケーションのインストール処理が開始されます。

AIR のセキュリティモデルでは、ユーザーが AIR アプリケーションをインストールするかどうかを決定できます。 AIR インストーラーでは、ユーザーがこの信用判断をより簡単に行うことができるように、ネイティブアプリケーションのインストールテクノロジにいくつかの改良が行われています。

  • ランタイムは、AIR アプリケーションが Web ブラウザー内のリンクからインストールされる場合でも、すべてのオペレーティングシステムで一貫したインストールエクスペリエンスを提供します。ネイティプアプリケーションのインストールエクスペリエンスは、セキュリティ情報がすべて提供される場合、セキュリティ情報を提供するブラウザーまたは他のアプリケーションに依存します。

  • AIR アプリケーションインストーラーはアプリケーションのソースを識別し(ソースを検証できない場合は、インストーラーが確認し)、ユーザーがインストールの続行を許可した場合にアプリケーションで利用可能になる権限に関する情報を提供します。

  • ランタイムは、AIR アプリケーションのインストールプロセスを管理します。AIR アプリケーションは、ランタイムが使用するインストールプロセスを操作できません。

一般的に、信頼していないソースや、検証できないソースから提供されたアプリケーション(AIR アプリケーションを含む)はインストールしないでください。他のインストール可能なアプリケーションと同様に、ネイティブアプリケーションのセキュリティに関する立証責任は、AIR アプリケーションにも同等に当てはまります。

AIR 2 では拡張デスクトップ AIR アプリケーションがサポートされました。これらのアプリケーションはネイティブインストーラーファイルを使用してインストールされます。

  • DMG ファイル(Mac OS 用)

  • EXE ファイル(Windows 用)

  • RPM または DEB パッケージ(Linux 用)

ネイティブインストーラーを作成する場合、標準の AIR インストールおよびアップデートモデルによる利点は得られなくなりました。別のテクノロジを使用して作成したネイティブアプリケーションと同様に、インストールエクスペリエンスに対する責任を持つことになります。

AIR 3 では、キャプティブランタイムバンドルのサポートが追加されます。このデプロイモデルでは、ユーザーのコンピューターにインストールされた共有ランタイムはアプリケーションによって使用されません。代わりに、アプリケーションには AIR ランタイムの独自の非公開のコピーが含まれます。このモデルでは、インストールエクスペリエンスおよびアップデートエクスペリエンスに対する責任が発生します。さらに、アプリケーションで使用される AIR ランタイムはアドビによって更新されることはないので、ランタイムに対するセキュリティの修正がパブリッシュされるたびに、アプリケーションを更新する責任が生じます。

AIR アプリケーションのアップデート

ソフトウェアアップデートの開発と展開は、ネイティブコードアプリケーションの中でも最も大きなセキュリティ問題の 1 つです。インストール済みの AIR アプリケーションで、リモートの場所にアップデート AIR ファイルがあるかどうかを確認できます。 アップデートが必要な場合、AIR ファイルがダウンロード、インストールされ、アプリケーションが再起動します。 開発者向けドキュメントでは、この方法を使用して、新しい機能を提供するだけではなく、潜在的なセキュリティの脆弱性に対処するための詳細を説明しています。

AIR 2 では拡張デスクトップ AIR アプリケーションがサポートされました。これらのアプリケーションのインストールおよびアップデートには、次のネイティブインストーラーファイルが使用されます。

  • DMG ファイル(Mac OS 用)

  • EXE ファイル(Windows 用)

  • RPM または DEB パッケージ(Linux 用)

ビルトイン AIR Updater クラスと AIR アップデートフレームワークでは、ネイティブインストーラーを使用してインストールされた AIR アプリケーションのアップデートはサポートされていません(アップデートをサポートするオープンソースプロジェクトを利用できます)。

AIR アプリケーションの削除

AIR アプリケーションを削除すると、アプリケーションディレクトリ内のすべてのファイルが削除されます。ただし、アプリケーションがアプリケーションディレクトリ以外のディレクトリに書き込んだファイルは削除されません。 AIR アプリケーションを削除すると、AIR アプリケーションがアプリケーションディレクトリ以外のディレクトリに行った変更は元に戻りません。