事前入力されたインタラクティブ PDF フォームの作成

このクイックスタートでは、Forms を使用してデータが事前入力されたインタラクティブ PDF フォームの使い方について説明します。Forms サービスについて詳しくは、『Adobe LiveCycle ES3 サービスリファレンス』を参照してください。

Forms サービスを使用すると、フォームデザインを XML データと統合し、事前入力されたインタラクティブ PDF フォームとしてレンダリングできます。例えば、ユーザーが Web ベースのシステムにログインして、Adobe Acrobat バージョン 8.0 以降を使用してインタラクティブな購入フォームを開きます。フォームには出荷先、連絡先、および購買発注情報が事前入力されています。ユーザーは購買発注の残りの詳細を入力し、PDF フォームを保存します。

この組織では、poPDFApp というアプリケーションがこのサービスを実装しています。purchaseOrder.xdp というフォームデザインをアプリケーションの一部として使用できます。出荷先、連絡先、および購買発注情報を含む XML ファイルをフォームデザインと統合し、インタラクティブ PDF フォームをレンダリングします。結果の PDF フォームはユーザーが指定したネットワーク上の場所(¥¥user1¥POForm.pdf など)に保存されます。ユーザーはネットワーク上の場所から PDF フォームを取得し、電子的に入力、保存、および送信します。

poPDFApp アプリケーションに含まれているアセットは次のとおりです。

  • PDF フォームのレンダリングに使用される purchaseOrder.xdp というフォームデザイン。フォームデザインは Designer を使用して作成されます(Designer ヘルプを参照)。

  • 次の項目を含む createPOForm というプロセス。

    • XML データと出荷先、連絡先、および購買発注情報を格納する poShipXML という入力 document 変数。

    • 購買発注フォームの保存先のネットワーク上の場所を格納する savePOLocation という string 変数。

    • インタラクティブ PDF フォームを保存する、ouputPDF という出力 document 変数。

    • 「renderPDFForm」操作(Forms サービス)はフォームデザインと XML ファイルを統合し、インタラクティブ PDF フォームをレンダリングします。結果の出力は、PDF ドキュメントを表す document 値です。

  • document 値をファイルシステムに保存する「Write Document」操作(File Utilities サービス)。

次に、createPOForm プロセスのプロセスダイアグラムを示します。

「generatePrintedOutput」操作と「sendtoPrinter」操作

次の XML ドキュメントは、レンダリングされる PDF フォームに事前入力するための出荷先情報を提供します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> 
<poform1> 
    <txtPONum>8745236985</txtPONum> 
    <dtmDate>2004-02-08</dtmDate> 
    <txtShipCompanyName>Fin@nce Incorporated</txtOrderedByCompanyName> 
    <txtShipAddress>123, Any Blvd.</txtOrderedByAddress> 
    <txtShipCity>Any City</txtOrderedByCity> 
    <txtShipStateProv>Any State</txtOrderedByStateProv> 
    <txtShipZipCode>12345</txtOrderedByZipCode> 
    <txtShipCountry>Any Country</txtOrderedByCountry> 
    <txtShipPhone>(123) 456-7890</txtOrderedByPhone> 
    <txtShipFax>(123) 456-7899</txtOrderedByFax> 
    <txtShipContactName>Akira Tanaka</txtOrderedByContactName> 
</poform1>

設定

「renderPDFOrm」操作では、インタラクティブ PDF フォームを生成するために次のプロパティが設定されます。

入力

  • Form:フォームデザインを指定するには、リテラル値「poPDFApp > createPOForm/1.0 > purchaseOrder.xdp」を選択します。リテラル値を選択するには、Select Asset ダイアログボックスを使用します。

  • Input Data: poShipInfo.xml ファイルのコンテンツを含む poShipXML 変数。

PDF オプション

  • Acrobat Version:リストから選択された、Acrobat および Reader 8.0 以上の項目。この項目で、生成する PDF ドキュメントを開くときに Acrobat または Adobe Reader 8.0 以降を使用するように指定します。

出力

  • Rendered Form:PDF フォームを保存する outputPDF 変数。

    「Write Document」操作の場合、インタラクティブ PDF フォームをネットワーク上の場所に保存するように次のプロパティが設定されます。

入力

  • Pathname Pattern: ファイル名を指定する savePOLocation 変数。

  • Document:ファイルとして保存するコンテンツを指定する outputPDF 変数。

その他の考慮事項

PDF フォームをネットワーク上の場所に書き込むのではなく、(バイトストリームとして)Java サーブレットに PDF フォームを送信することをお勧めします。Java サーブレットは、フォームをウェブページに表示できます(「Programming with LiveCycle」の「Render an HTML form that uses a CSS file using the web service API」を参照)。

別のプロセスで「processFormSubmission」操作を使用して、レンダリングされた PDF フォームのデータ送信を処理することをお勧めします

ユーザーが Adobe Reader を使用してフォームに入力する場合、Reader Extensions サービスを使用して使用権限を PDF フォームに適用します(「Apply Usage Rights」操作を参照)。