監視フォルダーを使用した PDF ドキュメントへの使用権限の適用

このクイックスタートでは、Reader Extensions サービスを使用して使用権限を PDF ドキュメントに適用する方法について説明します。使用権限を PDF ドキュメントに適用すると、Adobe Reader ユーザーが Adobe Acrobat で利用可能なインタラクティブ機能を使用できるようになります。注釈の作成などのインタラクティブ機能とローカルにファイルを保存する機能は、Adobe Reader では使用できません。Reader Extensions サービスについて詳しくは、『Adobe LiveCycle ES3 サービスリファレンス』を参照してください。

例えば、組織で PDF ドキュメントのコンテンツに関するフィードバックを集めるプロセスを使用しているとします。Adobe LiveCycle ES3 - Reader Extensions 10 を使用して追加の使用権限を PDF ドキュメントに適用すると、ユーザーが Adobe Reader で注釈を作成できるようになります。ユーザーが PDF ドキュメントをフォルダーにコピーすると、使用権限の適用された PDF ドキュメントを別のフォルダーから取得できます。

この組織では、enablePDFApp というアプリケーションがこのサービスを実装しています。このサービスを使用するには、PDF ドキュメントを ¥¥LiveCycleES3Server¥SendForReview¥input というネットワークフォルダーにコピーします。次に、使用権限の適用された PDF ドキュメントを ¥¥LiveCycleES3Server¥SendForReview¥readyForReview というネットワークフォルダーから取得します。両方のフォルダーは LiveCycle サーバーに存在し、共有フォルダーとして設定されています。サービスの呼び出しに使用されるこの設定は、監視フォルダーと呼ばれます。監視フォルダーを使用してサービスを呼び出す場合、サービスユーザーロールが設定された readadmin のユーザー ID が使用されます(LiveCycle ES3 管理ヘルプの「監視フォルダーエンドポイントの設定」を参照)。

enablePDFApp アプリケーションには、次の項目を含む applyREPDF というプロセスがあります。

  • PDF ドキュメントを保存する、reOuputPDF という入力および出力 document 変数。このプロセスは、入力として PDF ドキュメントを指定して呼び出します。PDF ドキュメントは ¥¥LiveCycleES3Server¥SendForReview¥input フォルダーから取得されます。サービスは出力 PDF ドキュメントを ¥¥LiveCycleES3Server¥SendForReview フォルダーに保存します。

  • REEXTEND という秘密鍵証明書エイリアス。使用権限を PDF ドキュメントに適用するために使用されます。

  • 監視フォルダースタートポイント。

  • 「Apply Usage Rights」操作(Reader Extensions サービス)。

次に、applyREPDF プロセスのプロセスダイアグラムを示します。

「generatePrintedOutput」操作と「sendtoPrinter」操作

設定

「Apply Usage Rights」操作では、次のプロパティが設定されます。

入力

  • Input PDF Document:使用権限の適用先 PDF ドキュメントを指定する reOuputPDF 変数。

  • Credential Alias:REEXTEND を指定します。開発者または管理者は秘密鍵証明書をサーバーに読み込む必要があります(LiveCycle ES3 管理ヘルプの「秘密鍵証明書を Reader Extensions で使用するための設定」を参照)。

  • Usage Rights Options:「Commenting」オプションが選択されます。このオプションは、Adobe Reader を使用して PDF ドキュメントの注釈を作成することをユーザーに許可します。

  • Reader Message:Adobe Reader を使用してこのドキュメントに注釈を追加できます」を指定します。この値は、ユーザーが Adobe Reader を使用して PDF ドキュメントを開いたときに表示されるメッセージを指定します。

出力

  • Output PDF Document:使用権限の適用先の PDF ドキュメントを保存する reOuputPDF 変数。

    監視フォルダースタートポイントでは、プロセスを呼び出すために次のプロパティが設定されます。

General

  • Path:¥SendForReview」を指定します。この値は、LiveCycle サーバー上の監視フォルダーの場所を指定します。

  • Domain Name:DefaultDom を指定します。この値は、ユーザーが属するドメイン名を指定します。ユーザーのドメインは、LiveCycle サーバーの User Management で設定されます(LiveCycle ES3 管理ヘルプの「ドメインの設定と管理」を参照)。

  • User Name:readmin を指定します。この値には、サーバーユーザーロールを割り当てるユーザー ID を指定します。ユーザー ID は、Domain Name プロパティで設定されたのと同じドメインに含まれている必要があります(LiveCycle ES3 管理ヘルプの「ロールの作成および設定」を参照)。

サーバーの設定

  • Result Folder:readyForReview を指定します。この値は、処理された PDF ドキュメントの保存先フォルダー名を指定します。

入力/出力

  • Input data filter:*.pdf を指定します。この値は、PDF 拡張子を持つファイルのみを処理するように指定しています。

  • Document:%F_review.%E を指定します。この値は、元のファイル名を使用して、ファイル名の最後に _review と追加するように指定します。

その他の考慮事項

「Apply Usage Rights」操作を使用する前に、LiveCycle サーバー上の PDF ドキュメントに使用権限を適用するための秘密鍵証明書を設定する必要があります(LiveCycle 管理ヘルプの「Reader Extensions ES3 の設定」を参照)。

監視フォルダーが LiveCycle サーバー上に存在する場合、適切な読み取りおよび書き込み権限がユーザーに許可された共有フォルダーとして設定する必要があります。正しく設定されていないとユーザーは共有フォルダーを使用できません。