2.4 グローバルドキュメントストレージディレクトリ

グローバルドキュメントストレージディレクトリ(GDS)は、プロセス内で使用される長期間有効なファイルや重要な LiveCycle 製品コンポーネントを格納するために使用します。長期間有効なファイルの有効期間内には、LiveCycle システムが複数回再起動され、期間は数日間、数年間にわたる場合もあります。該当するファイルには、PDF ファイル、ポリシー、フォームテンプレートなどがあります。

長期間有効なファイルは、多くの LiveCycle デプロイメントの全体的な状態の中で重要な部分です。非同期ジョブの呼び出しの入力ドキュメントも GDS ディレクトリに保存されます。これらのドキュメントは、要求を処理するために使用可能である必要があります。

GDS ディレクトリは、LiveCycle データベースを初期化する前に作成する必要があります。詳しくは、2.4.1 グローバルドキュメントストレージディレクトリの場所を参照してください。

2.4.1 グローバルドキュメントストレージディレクトリの場所

LiveCycle のインストール後に Configuration Manager を使用して GDS ディレクトリの場所を設定します。指定する GDS ディレクトリは可用性が高く、パフォーマンスを向上させるために短時間でアクセスできなければなりません。GDS ディレクトリが共有ネットワークドライブ上にある場合は、場所を \\computer_name\GDS として指定することをお勧めします。

インストールの完了後に GDS ディレクトリの場所を変更する場合(LiveCycle 管理ヘルプを参照)、GDS ディレクトリ用の適切な場所を計画する必要があります。

重要: GDS ディレクトリがドライブのルートにある場合(D:¥ など)は、Windows ではモジュールのデプロイメントが失敗します。GDS の場合、ディレクトリがドライブのルートではなく、サブディレクトリに配置されていることを確認する必要があります。例えば、ディレクトリは単に D:¥ ではなく D:¥GDS にする必要があります。

2.4.2 グローバルドキュメントストレージディレクトリのサイズ決定要因

グローバルドキュメントストレージディレクトリのサイズは、デプロイメントに予測される LiveCycle の使用状況によって決まります。GDS ディレクトリには、少なくとも 10 GB のディスク容量を割り当てる必要があります。

以下の要因もサイズの決定に影響します。

  • LiveCycle で処理されるドキュメントの標準的な量。大量のドキュメントを処理するには、大容量の GDS ディレクトリが必要です。

  • LiveCycle で処理されるドキュメントの標準的なサイズ。サイズの大きいドキュメントを処理するには、大容量の共有 GDS ディレクトリが必要です。

  • LiveCycle で処理されるドキュメントの複雑性。LiveCycle に含まれる複数のサービスによって処理されるような複雑なドキュメントの処理には、大容量の GDS ディレクトリが必要です。

2.4.3 グローバルドキュメントストレージディレクトリの保護

GDS ディレクトリへのアクセスは保護する必要があります。このディレクトリの長期間有効なドキュメントには、LiveCycle SDK やユーザーインターフェイスを使用してアクセスするときに特殊な秘密鍵証明書を必要とする情報など、機密性の高いユーザー情報が含まれる場合があります。

使用しているオペレーティングシステムに適したセキュリティ方式を使用してください。アプリケーションサーバーを実行する際に使用するオペレーティングシステムアカウントだけが、このディレクトリに対する読み取りと書き込みの権限を持つようにすることをお勧めします。

注意: GDS ディレクトリのファイルまたはディレクトリを削除すると、LiveCycle サーバーが動作不能になる場合があります。

2.4.4 グローバルドキュメントストレージディレクトリのバックアップ

グローバルドキュメントストレージディレクトリをバックアップして、障害が発生した場合に管理者が LiveCycle を復元できるようにする必要があります。

グローバルドキュメントストレージディレクトリが使用できなくなるかまたはエラーにより失われた場合、GDS ディレクトリおよびデータベースが一貫したバックアップによって復元されるか、LiveCycle が新規インストールにより再び初期化されるまで、LiveCycle は実行されません。