オブジェクトの形式設定の保存

Acrobat 8.0 より前のスタティック PDF フォームでは、オブジェクトの形式設定は、エンドユーザーがフォームを保存して閉じ、再び開いたときにも保存されています。ダイナミック PDF フォームでは、オブジェクトの形式設定は保存されません。

重要: クライアントサイドスクリプトを使用して、ダイナミック PDF フォーム上のオブジェクトの形式設定を保存できますが、このような処理は行わないようにしてください。オブジェクトの形式設定を保存する必要がある場合は、スタティック PDF フォームを使用する必要があります。

Acrobat 8.0 からは、すべてのオブジェクトの状態が保存され、再び開く際に自動または手動で状態を回復できます。これは、ルートサブフォームの restoreState スクリプティングプロパティで制御されます。

ダイナミック PDF フォームのオブジェクトの形式設定およびレイアウトは、次のいずれかのフォームアクションが発生した場合に変更されることがあります。

  • ユーザーがフォームを開く

  • ユーザーが新しいデータを読み込む

  • ユーザーがフォームに新しいデータを追加する

  • クライアントサイドスクリプトが実行される

次の表は、クライアントサイドスクリプトを使用した形式設定の適用の例を使用して、エンドユーザーが Adobe Reader でスタティック PDF フォームまたはダイナミック PDF フォームとして保存した場合の結果を比較したものです。

フォームのコンテンツ

スタティック PDF フォーム

ダイナミック PDF フォーム

フィールドの境界線の色を変更するクライアントサイドスクリプト(フィールドの境界線の色の変更を参照してください。)

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、値領域の輪郭は赤のままです。

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、オブジェクトの輪郭は赤のままではありません。

網掛けを適用するクライアントサイドスクリプト(フィールドの網掛けの適用を参照してください。)

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、入力可能な値領域は赤のままです。

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、値領域を含むオブジェクトは赤のままではありません。

オブジェクトを非表示にするクライアントサイドスクリプト(オブジェクトの非表示を参照してください。)

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、テキストフィールドの値は非表示のままです。

フォームを保存して閉じ、再び開いたときに、テキストフィールドは非表示のままではありません。

注意: restoreStateauto に設定すると、ドキュメントを Acrobat 8.0 で保存し再び開いたときでも、これらの変更はすべて保持されます。

詳しくは、『スクリプティングリファレンス』の「restoreState」を参照してください。