グローバルドキュメントストレージディレクトリ

グローバルドキュメントストレージ(GDS)ディレクトリは、プロセス内で使用される長期間有効なファイルの保存に使用されるディレクトリです。該当するファイルには、PDF、ポリシー、フォームテンプレートなどがあります。長期間有効なファイルは、多くの LiveCycle デプロイメントの全体的な状態の中で重要な部分です。長期間有効なドキュメントが一部でも失われたり破損したりすると、LiveCycle サーバーが不安定な状態になるおそれがあります。非同期ジョブの呼び出しの入力ドキュメントも GDS ディレクトリに保存されます。これらのドキュメントは、要求を処理するために使用可能な状態になっている必要があります。GDS ディレクトリをホストするファイルシステムの信頼性を考慮することが重要です。サービスニーズの品質やレベルに適した RAID(Redundant Array of Independent Disks)またはその他のテクノロジーを使用してください。

長期間有効なファイルには、機密性の高いユーザー情報が含まれる場合があります。この情報では、LiveCycle API またはユーザーインターフェイスを使用してアクセスするときに特殊な秘密鍵証明書が必要となる場合があります。オペレーティングシステムによって GDS ディレクトリが適切に保護されていることが重要です。アプリケーションサーバーを実行するために使用される管理者アカウントだけが GDS ディレクトリに対する読み取りと書き込みのアクセス権を持つようにしてください。

GDS の可用性が高い保護されたディレクトリを選択するほかに、データベースでドキュメントの保存を有効にすることもできます。ドキュメントの保存に LiveCycle データベースを使用しても、LiveCycle には GDS ディレクトリが必要です(ドキュメントの保存にデータベースを使用する場合のバックアップオプションを参照)。

LiveCycle アプリケーションデータは、GDS ディレクトリおよび LiveCycle データベースに格納されています。次の表に、データとその格納場所について示します。

LiveCycle データ

データベース

GDS

アプリケーションデータ(ユーザー、ロール、プロセス、ポリシー、エンドポイント、イベントなど)

×

デプロイされたサービスコンテナ

×

Document Manager

×

フォームリポジトリ

×

システム設定

×

監視フォルダー

×

GDS ディレクトリの設定

GDS ディレクトリの場所は、LiveCycle のインストール時に手動で設定できます。インストール時に場所を指定しないと、次に示すアプリケーションサーバーのインストールディレクトリの下にあるディレクトリがデフォルトの場所になります。

  • (JBoss)[appserver root]/server/[type]/svcnative/DocumentStorage

  • (WebLogic)[appserverdomain]/[server]/adobe/DocumentServer/DocumentStorage

  • (WebSphere)[appserver root]/installedApps/adobe/[server]/DocumentStorage

GDS のデフォルトの場所の変更

LiveCycle のインストールが完了した後、Administration Console で GDS の場所を変更できます。プロセスを完了するには、データを手動で配置し直す必要があります。

重要: データは、次の方法で移行してください。そうしないと、データが失われます。
  1. Administration Console にログインし、設定/コアシステム設定/設定をクリックします。

  2. 「グローバルドキュメントストレージディレクトリ」ボックスに、新しい GDS ディレクトリのフルパスを入力して、「OK」をクリックします。

  3. 直ちにアプリケーションサーバーを停止します。

  4. 内部のディレクトリ構造はそのままにして、すべてのファイルを古い GDS ディレクトリから新しい場所に移動します。

  5. アプリケーションサーバーを再起動します。

デプロイメントファイルについて

LiveCycle は、サービスコンテナおよび Java 2 Platform Enterprise Edition(J2EE)EAR ファイルという 2 種類のデプロイメントファイルで構成されています。EAR ファイルは標準の J2EE アプリケーションバンドルで構成されています。これらのアプリケーションバンドルには LiveCycle のコア機能が含まれています。アプリケーションサーバー固有の EAR ファイルを次に示します。

  • adobe-core-[appserver].ear

  • adobe-core-[appserver]-[OS].ear

LiveCycle の実装では、アセンブリされた複数の EAR ファイルといくつかの補助ファイルを、LiveCycle ソリューションを実行する予定のアプリケーションサーバーにデプロイします。複数のモジュールを設定およびアセンブリした場合は、デプロイ可能なモジュールがデプロイ可能な EAR ファイル内にパッケージ化されています。これらのファイルをデプロイするには、ファイルを [appserver home]\server\all\deploy ディレクトリにコピーします。

また、モジュールおよび LiveCycle アーカイブファイルは、JAR ファイルにパッケージングされています。これらのファイルの種類は J2EE ではないので、アプリケーションサーバーにはデプロイされず、GDS ディレクトリにコピーされ、それらの場所への参照が LiveCycle データベースに格納されます。このため、GDS ディレクトリをクラスターのすべてのノードで共有する必要があります。すべてのノードが DSC の中央ストレージディレクトリにアクセスできることが必要です。

注意: サービスコンテナをデプロイする前に、GDS ディレクトリの作成と設定を必ず行ってください(GDS ディレクトリの設定を参照)。