XML 文書の作成

Adobe FrameMaker で新しい XML 文書を作成する方法、XML 文書を開く方法、および XML 文書を保存する方法について説明します。

このトピックの内容

概要

Adobe FrameMaker を使用して、空の XML 文書を作成できます。既存の DTD(文書型定義)をベースとした XML 文書を作成したり、既存の構造化アプリケーションを作成したりできます。 既存の XML 文書を開いて編集し、保存することもできます。

空の XML の作成

空の XML 文書を一から作成できます。 この文書には、単一のルートエレメント(<ROOT>)のみが含まれます。

  1. 新規 XML ダイアログ(ファイル > 新規 > XML)を開きます。

  2. その他の XML 」タブで「空の XML」を選択し、「OK」をクリックします。

  3. エレメント カタログを開き、カタログでエレメントリストを表示します(表示 > パネル > エレメントカタログ)。

    Note: エレメント カタログには、 <TEXT> および <ROOT> エレメントが含まれます。

**string not required** WYSIWYG ビューでは、 <ROOT> エレメントまたはテキストのみをルートエレメントに追加できます。

XML ビューでは、XML 構造にエレメントを追加できます。 例えば、 <SECTION> および <P> エレメントを <ROOT> エレメント内に追加できます。

Figure 1. p エレメントを追加した XML ビュー
XML ビューでの p エレメントの追加

WYSIWYG ビューには、 エレメント カタログに <SECTION> および <P> エレメントが表示されます。 XML 文書内でこのエレメントを追加できます。 この文書は構造化アプリケーションをベースとしないため、FrameMaker が文書で構造ルールを強制することはありません。 ただし、XML 構造は確実に維持されます。

DTD に基づく XML の作成

既存の DTD(文書型定義)に基づく XML 文書を作成できます。

  1. テキストファイルに以下のスニペットを保存します。

    <!ELEMENT BOOK (CHAPTER+)> 
    <!ELEMENT CHAPTER (HEADLINE,BODY)> 
    <!ELEMENT HEADLINE (#PCDATA)>
    <!ELEMENT BODY (#PCDATA)> 
    <!ATTLIST CHAPTER AUTHOR CDATA #REQUIRED> 
  2. テキストファイルを .dtd 拡張子で保存します。

  3. 新規 XML ダイアログ(ファイル > 新規 > XML)を開きます。

  4. その他の XML 」タブで、「DTD ベースの XML」を選択し、「OK」をクリックします。

  5. 新規 XML ダイアログで、次の操作を行います。

    ルートエレメント

    XML 文書のルートエレメントの名前を指定します。 階層内の最上位のエレメントです。

    公開 ID

    XML 文書内の公開 ID によって、XML 文書を他のコンピューターに移植することができます。

    システム ID

    DTD のパス。 ファイルシステムのパスまたは URL を指定します。

    Note: XML表示のドキュメントを複数、パブリックIDおよびシステムIDはファイルの先頭のDOCTTYPEの宣言に保存されます。
  6. OK」をクリックします。

    <BODY>」、「 <CHAPTER>」、および「 <ヘッドライン> DTD で定義されたエレメントは、 エレメント カタログで使用できます。

  7. <CHAPTER> エレメントを挿入します。

    新規エレメントの属性ダイアログボックスが、AUTHOR 属性の値を指定するように指示します。

構造化アプリケーションに基づく XML の作成

構造化アプリケーションは、アプリケーションに基づく文書の構造ルール(EDD または DTD の使用)、コンテンツの書式(テンプレートの使用)、読み書きルールを定義します。 FrameMaker には、文書作成にただちに使用できる構造化アプリケーションが含まれています。これらのアプリケーションは、以下のオープンスタンダードに基づきます。

DITA

Darwin Information Typing Architecture(DITA)は、特に、ソフトウェアヘルプファイルのようなオンラインドキュメンテーションを書くために設計された、ただちに利用できる DTD とルールのセットを提供します。DITA は、技術文書のオーサリング、生成、配布に適したエレメント構造を定義します。 DITA には次のようなエレメントタイプが含まれます。 <topic><title><shortdesc><prolog><body> および <concept>

xDocBook

DocBook もまた、技術論文や技術文書のために設計されたオープンスタンダードです。 DocBook は、技術書や技術論文に、そのような文書が意図する構造を持つ DTD を提供します。 DocBook エレメントには次が含まれます。 <article><section><title><articleinfo> および <pubdate>

XHTML

Extensible HyperText Markup Language(XHTML)は、HTML の拡張版であると共に、XML に準拠しており、XML ベースのアプリケーションで操作できるように設計されています。 そのため、HTML 形式の文書は、標準 XML ツールで表示、編集、検証が可能です。

S1000D

パフォーマンス上の理由から、FrameMaker の起動時には、関連付けられた S1000D スクリプトは実行されません。 S1000D アプリケーションに基づく文書を作成する前に、以下の手順を実行する必要があります。

  1. **string not required** 編集 > 環境設定 を選択して、 環境設定 ダイアログを開きます。

  2. 一般 > 起動 」タブをクリックし、「起動スクリプトを読み込まない」フィールドから次のエントリを削除します。

    S1000dUtilities および S1000Dmenu

  3. OK」をクリックして、FrameMaker を再起動します。

Note: S1000D について詳しくは、S1000D 用 Adobe FrameMaker (2017 リリース) アプリケーションパックを参照してください。

さらに、独自の構造化アプリケーションを作成し、このアプリケーションに基づいた文書を作成できます。

  1. ファイル > 新規 > XML を選択して、 新規 XML ダイアログを開きます。

  2. 構造化アプリケーション 」タブから構造化アプリケーションを選択するか、「DITA」タブで DITA 構造化アプリケーションを選択します。

    Note: DITA 構造化アプリケーションは「構造化アプリケーション」タブで選択することもできます。
  3. OK」をクリックします。

**string not required** エレメント カタログ内のエレメントと各エレメントに定義された属性は、文書のベースとなっている構造化アプリケーションに基づきます。

構造化文書は構造ルールを強制するため、 エレメント カタログ内のエレメントは、現在のコンテキストに基づいています。

XML 文書の保存

XML 文書を保存するときに次のダイアログが表示された場合は、関連付けられた構造化アプリケーションを選択する必要があります。

Figure 2. 構造化アプリケーションの選択
XML 文書を保存するとともに、関連付けられた構造化アプリケーションを選択

互換性のない構造化アプリケーションを選択すると、メッセージコンソールにエラーが記録されます。

構造化文書を開くと、FrameMaker のエラーコンソールに、文書内の構造的な問題やその他の問題が表示されます。このコンソールは、文書の問題に関する次の情報も提供します。

XML 文書を開く

XML 文書を開くときに次のダイアログが表示された場合は、関連付けられた構造化アプリケーションを選択する必要があります。

Figure 3. 構造化アプリケーションの選択
XML 文書を開くとともに、関連付けられた構造化アプリケーションを選択

互換性のない構造化アプリケーションを選択すると、メッセージコンソールにエラーが記録されます。さらに、XML 文書の階層がアプリケーション内で定義されている構造ルールに従っていない場合、その文書は 構造図でエラーが表示されます。