Adobe FrameMaker でのリストの作成方法、自動番号付けの方法、記号の使用方法について説明します。ブックコンポーネントの自動番号、日本語の自動番号オプション、RTL 自動番号オプションについて説明します。
番号リストやビュレットリストを作成する場合は、自動番号書式を定義した段落スタイルを使用します。自動番号の付いた段落を文書に追加すると、適切な番号が自動的に割り当てられ、必要に応じて既存の自動番号が変更されます。
自動番号を設定した段落には、テキストフロー内で連続した番号が付きます。 文書内にテキストフローが複数ある場合、各フローの自動番号を設定した段落には別々の番号が付きます。
自動番号は、段落書式ウィンドウの「自動番号」属性で定義します。 自動番号の書式は、必ずしも段落番号を指定するとは限りません。 構成要素なしで使用するときの自動のテキストや記号の挿入に便利です。 自動番号の書式には、系列ラベル、カウンター、タブ以外にも任意のテキストを設定できます。
系列ラベルは、同一のテキストフロー内で様々な種類の自動番号を識別するために使用します。 例えば、図に表や見出しとは別の連続番号を付けるには、各書式アイテム(見出し、図、表)に異なる系列を指定します。
一方、節の番号を使用して表と図に番号を付ける場合は、表と図の系列ラベルを同じものに設定する必要があります。
カウンターとは、自動番号の番号または文字で置き換えるプレースホルダー(構成要素)のことです。 例えば、カウンター <n+> は段落の番号を 1 つずつ増加します。段落が系列の 2 番目にある場合は、<n+> が数字の 2 と置き換わります。書式内で複数のカウンターを使用することができます。
書式には、章の構成要素 <$chapnum> や巻の構成要素 <$volnum> も追加できます。
自動番号書式には、タブ、テキスト、ビュレット、スペースまたは句読点を指定できます。
番号リストの作成時には、リストの 1 つめのアイテム用にカウンターを 1 に戻す段落スタイルを設定してから、残りのアイテム用にカウンターの数を増加するスタイルを別々に設定する場合があります。例えば、リストの 1 つめのアイテムには「ステップ 1」書式を適用し、残りのアイテムには「次ステップ」を適用できます。 また、テンプレートで書式を定義し、番号リスト内のすべてのアイテムに単一の書式を適用できる場合があります。
を表示する をクリックし、文書内に複数のオートナンバー連番が必要な場合は、[書式] ボックスに系列ラベルを入力します。
系列ラベルは、プリント可能な 1 つの文字と半角コロンで構成されます(例えば、S:)。 系列ラベルを使用する場合は、スタイル名の最初に系列ラベルを入力してください。
自動番号書式で自動的に表示するテキストを入力します。 「構成要素」スクロールリストでタブやカウンターを選択することもできます。選択したアイテムは、自動番号の「書式」ボックスの挿入ポイントの位置に入力されます。
「文字スタイル」ポップアップで自動番号の文字スタイルを選択します。書式を指定しないと、自動番号には段落のデフォルトフォントが使用されます。
位置ドロップダウンリストで自動番号の位置を選択します。数式書式以外で段落末に自動番号を配置することはほとんどありません。
「適用」をクリックします。
手順 2 でタブ(\t)を挿入した場合は、段落書式ウインドウの「基本」タブで段落スタイルのタブ位置を設定します。 を選択します。
すべてのテキストフォントで使用できる通常のビュレット記号以外に、Zapf Dingbats® などのインストールされているフォントの任意の文字も使用できます。
1 つの段落内でクリックするか、ビュレットリストにしたい隣接する複数の段落を選択します。
を表示する をクリックし、[文書パーツ] スクロール リストの行頭文字とタブ記号 (\b と \t) をクリックします。
「適用」をクリックします。
手順 2 でタブ(\t)を挿入した場合は、段落書式のタブ位置を設定します。
特殊なビュレット記号を指定する前に、ビュレット記号のフォントで使用する文字スタイルを作成してください。例えば、9 pt の Zapf Dingbats フォントを使用する場合は、そのフォントを使用した文字スタイルを作成します。この書式には、「ビュレットフォント」のように、わかりやすい名前を付けます。
段落書式ウィンドウで「自動番号」属性を表示し、「自動番号の書式」ボックスに希望するビュレット記号に対応する文字を入力します。
例えば、Zapf Dingbats フォントの四角ビュレットを使用する場合は、小文字で「n」を入力します。この文字は、Zapf Dingbats フォントでは ■ と表示されます。 希望のビュレット記号と一致する文字を見つけるには、そのフォントの文字セットを表示します。
構成要素スクロールリストでタブ記号(\t)をクリックするか、スペースを入力します。
文字スタイルドロップダウンリストで、作成したビュレット文字スタイルをクリックします。
「適用」をクリックします。
段落書式ウィンドウの「自動番号」属性で「自動番号書式」をオフにします。 選択を解除するには、チェックボックスを 2 回クリックしてください。1 回しかクリックしないと、「そのまま」に設定されます。
「適用」をクリックします。
カウンターは表示スタイルと増分値を囲む山形かっこ(< >)で構成されます。 カスタム自動番号付け機能では、Unicode テキストエンコード規格がサポートされています。
A. 表示スタイル B. 増分値
表示スタイルには、次の文字のいずれかを含むカウンターを使用します。
番号スタイル |
使用するカウンター |
---|---|
番号(1、2、3、...) |
n |
小文字のローマ数字(i、ii、iii、iv、...) |
r |
大文字のローマ数字(I、II、III、IV、...) |
R |
小文字のアルファベット(a、b、c、...、aa) |
a |
大文字のアルファベット(A、B、C、...、AA) |
A |
自動番号の増加方法を示すには、次の例のように、増分値を含むカウンターを使用します。
タスク |
使用するカウンター |
---|---|
同じ値を保持 |
<n> |
値を 1 に設定するか、等号の後に入力した数に設定 |
<n=1> |
カウンターの値を 1 つずつ増加 |
<n+> |
同じ値を保持してその値を表示しない |
< > |
値を 0(または 0 以外の数)に戻して表示しない |
< =0> |
初期設定では、各カウンターは最初に 0 に設定されます。 カウンターは、現在の値を保持することも、1 つずつ増加させることも、異なる値にリセットすることもできます。 例えば、新しい番号ステップの開始番号を 1 に設定する書式では、<n=1> を使用します。
同じ値を保持して表示しないように設定するには、山形かっこの間に半角スペースを挿入します(< >)。 スペースを削除すると、山形かっこは自動番号書式の一部として表示されます。
段落スタイルに <$volnum>、<$chapnum>、<$sectionnum>、<$subsectionnum>などの構成要素を挿入できます。ブックコンポーネント番号は、番号属性ダイアログボックスの設定によって決まります。
例 |
自動番号書式 |
---|---|
巻 3 第 3 章 |
巻 <$volnum> 第 <$chapnum> 章 |
次の表に、章の構成要素と他の構成要素を組み合わせた例を示します。
例 |
自動番号書式 |
---|---|
節 1.1 節 1.1.1 図 1-1 表 1-1 |
S:節 <$chapnum>.<n+><=0> S:節 <$chapnum>.<n>.<n+> F:図 <$chapnum>-<n+> T:表 <$chapnum>-<n+> |
以下の表に示すように、すべての表と図の番号は、節内の同じ系列の自動番号である必要があります。
節の番号 |
図の番号 |
表の番号 |
---|---|---|
節 1 1.1 1.2 |
図 1-1 図 1-2 |
表 1-1 表 1-2 |
節 2 2.1 2.2 |
図 2-1 図 2-2 |
表 2-1 表 2-2 |
節の番号を使用して番号を付けるには、各書式で同じ系列ラベルを使用して、1 つの系列内で自動番号書式を作成します。 次の表は、自動番号書式の一例です。 表に示されている書式は、文字列内での各カウンターの位置がはっきりわかるように構成されています。 カウンターの位置によって、カウンターの増加方法が決まります。
段落スタイル |
自動番号書式 |
||||
---|---|---|---|---|---|
節タイトル |
H:節 |
<$chapnum> |
< =0> |
< =0> |
< =0> |
見出し 1 |
H: |
<$chapnum> |
。<n+> |
< > |
< > |
図タイトル |
H:図 |
<$chapnum> |
< > |
-<n+> |
< > |
表タイトル |
H:表 |
<$chapnum> |
< > |
< > |
-<n+> |
「節タイトル」というスタイルの段落を使用するたびに節の番号が 1 つずつ増加し、残りのカウンター値は 0 に戻ります。残りの書式内の <n+> カウンターは、それぞれ別の項目を指します。したがって、カウンター値は個別に増加します。
< > カウンターを使用すると、カウンター値は 0 にリセットされません。
自動番号書式には、複数のカウンターを設定できます。 例えば、一連の見出しと小見出しの自動番号には、それぞれ 2 つのカウンターを使用できます。
カウンター |
書式 |
表示例 |
---|---|---|
<$chapnum>.<n=0> |
見出し 1 |
1.0 |
<$chapnum>.<n+> |
見出し 2 |
1.1 |
<$chapnum>.<n+> |
見出し 2 |
1.2 |
<$chapnum>.<n=0> |
見出し 1 |
2.0 |
各書式のカウンターは、互いに独立しています。 文字列内のカウンターの位置によって、カウンターの表示と増加の方法が決まります。 FrameMaker では、同じフロー内で自動番号を使用している直前の段落内の対応するカウンターを基にして、カウンターの値が増加します。
次の例では、見出しと小見出し内の複数のカウンターを示しています。 ピリオドの前にあるカウンターは、ピリオドの後にあるカウンターに関係なく増加します。
例 |
自動番号書式 |
タグ |
---|---|---|
1.0 はじめる前に 1.1 インストール 1.2 バックアップ 1.2.1 エラー 1.3 データの入力 |
<n+>.<n=0>\t <n>.<n+>\t <n>.<n+>\t <n>.<n>.<n+>\t <n>.<n+>\t |
見出し 1 見出し 2 見出し 2 見出し 3 見出し 2 |
次の例では、アウトラインスタイルの自動番号書式を使用しています。
例 |
自動番号書式 |
タグ |
---|---|---|
I はじめに A インストール B バックアップ II データの入力 A ファイルを開く B ファイルの保存 |
<R+>< =0>\t < ><A+>\t < ><A+>\t <R+>< =0>\t < ><A+>\t < ><A+>\t |
見出し 1 見出し 2 見出し 2 見出し 1 見出し 2 見出し 2 |
「ファイルを開く」という見出しの自動番号が「A」にリセットされます。直前の段落の書式の 2 つめのカウンターが自動番号を 0 にリセットします(表示はしません)。したがって、<A+> でカウンターが 1 つ増加し、アルファベットの先頭文字である A が表示されます。
「見出し 2」書式の < > カウンターは、最初のカウンターの値を保持したまま表示しないように設定されています。< > カウンターがこの位置にない場合は、「見出し 2」書式の <A+> は 2 つめのカウンターではなく最初のカウンターを参照するので、FrameMaker では次のように表示されます。
番号ステップなどの番号系列の中には、使用するたびに番号が 1 に戻るものがあります。 系列をリセットする方法が 2 つあります。
最初の例では、系列の番号を最初の番号に戻す方法が示されています。ここでは、系列の最初のステップで <n=1> 構成要素を使用し、後続のステップで <n+> を使用しています。
例 |
自動番号書式 |
タグ |
---|---|---|
ステップ 1. ソフトウェアを箱から取り出します。 ステップ 2. バックアップを行います。 ステップ 3. セットアップを実行します。 ステップ 1. ファイルを保存します。 |
S:ステップ <n=1>.\t S: ステップ <n+>.\t S: ステップ <n+>.\t S:ステップ <n=1>.\t |
ステップ 1 次ステップ 次ステップ ステップ 1 |
2 つめの例では、カウンターを初期設定値に戻すもう 1 つの方法を示しています。この方法では、番号リストの開始に特有の書式を使用する必要はありません。 代わりに、リストの直前にある段落の書式で、カウンターを開始番号に戻すように設定します。
例 |
自動番号書式 |
タグ |
---|---|---|
ソフトウェアをインストールするには: ステップ 1. ソフトウェアを箱から取り出します。 ステップ 2. バックアップを行います。 ステップ 3. セットアップを実行します。 |
S:< =0> S: ステップ <n+>.\t S: ステップ <n+>.\t S: ステップ <n+>.\t |
ステップイントロ ステップ ステップ ステップ |
「ステップイントロ」書式の < =0> カウンターにより、S 系列が 0 にリセットされますが、数字は表示されません。
カウンターが増加する場合、系列内で右側にある省略カウンターはすべて 0 に戻ります。 例えば、次の 2 つの自動番号書式は同じものです。
S:<n+>< =0>\t
S:<n+>\t
自動番号書式内の以下のカウンターは、和文テキストと和文フォントで使用できます。
構成要素 |
意味 |
文字とその順序 |
---|---|---|
<zenkaku a> |
小文字のアルファベット(全角) |
|
<zenkaku A> |
大文字のアルファベット(全角) |
|
<zenkaku n> |
アラビア数字(全角) |
|
<kanji kazu> |
標準的な漢数字(2 桁以上の数字には、十や百などの漢数字を使用) |
|
<kanji n> |
住所、電話番号、郵便番号などに使用される漢数字(2 桁以上の数字にも 0~9 の漢数字を使用) |
|
<daiji> |
金融関係の文脈や銀行などで使用される数字(旧式の漢字を使用) |
|
<hira gojuon> |
ひらがな(50 音順) |
|
<kata gojuon> |
カタカナ(50 音順) |
|
<hira iroha> |
ひらがな(いろは順、まれに使用) |
|
<kata iroha> |
カタカナ(いろは順、まれに使用) |
アラビア語、ヘブライ語、ペルシア語などの RTL 言語では、自動番号書式の次のカウンターを使用できます。書式の詳細については、「自動番号書式のカウンター」を参照してください。
<Farsi n>
<Farsi n=1>
<Farsi n+>
<Farsi a>
<Farsi a=1>
<Farsi a+>
<Hebrew n>
<Hebrew n=1>
<Hebrew n+>
<Hebrew a>
<Hebrew a=1>
<Hebrew a+>
<Alif Ba Ta n>
<Alif Ba Ta n=1>
<Alif Ba Ta n+>
<Abjad n>
<Abjad n=1>
<Abjad n+>
<Indic n>
<Indic n=1>
<Indic n+>