適切な戦略を選択し、FrameMaker で EDD を作成する方法について説明します。
EDD は、構造化文書です。 EDD の作成や編集には、構造化編集機能を使います。
EDD には、文書の構造に関するルール（Document Type Definition（DTD））と、特定のタイプに属するエレメントの書式を記述するスタイルに関するルールが両方とも格納されます。 アプリケーション開発者は、一般に、既存の DTD ファイルから EDD を作成するか、白紙の状態から EDD を作成します。 詳しくは、「構造化アプリケーション開発者リファレンス」ガイドを参照してください。
以下は、FrameMaker で構造化オーサリングを始めるための基本的な手順です。
プロポーザルテンプレートを構築する前に、既存のプロポーザルを分析してそのコンポーネントを特定します。 この分析に基づいて、内容マップを作成します。 作成されたプロポーザルサンプルは、以下のような順序になります。
タイトル
概要文書：タイトル、1 段落
企画説明：タイトル、1 つ以上の段落
コスト：タイトル、1 つ以上の段落
スケジュール：タイトル、1 つ以上の段落
EDD は以下のように様々な方法で構築することができます。
EDD 全体を自分で作成する。
DTD やスキーマを取り込んで、構造定義を含むEDDを作成する。
変換規則表を使って既存のサンプル文書を構造化する。 それから、非構造化テンプレートに一致する基本的なエレメント定義および書式を含む、EDD の最初のドラフトを作成します。
FrameMaker に付属するサンプルの 1 つである既存の EDD を変更するか、別のソースから提供された EDD を FrameMaker で変更します。
これで、内容分析に基づいた、プロポーザル EDD を作成することができます。
構造化 FrameMaker を開いていることを確認します。 非構造化 FrameMaker から構造化 FrameMaker に切り替えるには、を選択します。製品インターフェイスドロップダウンリストで、「構造化 FrameMaker」を選択します。FrameMaker を閉じて再起動します。
を選択して、EDD ファイルを作成します。EDD にデフォルトエレメントが挿入されます。
を選択して、構造図パネルを表示します。
トップレベルのプロポーザルエレメントを作成します。 <>構造図の中でタグブロックの右にカーソルを移動して、「Proposal」と入力します。 入力した文字は、構造図とドキュメントウィンドウの両方に表示されます。
エレメントカタログを開く
構造図の中の赤いボックス（追加情報が必要なことを示す）の右をクリックします。 カーソル位置が変わったため、エレメントカタログの内容も変化していることに注意します。 エレメントカタログで「コンテナ」を選択して、「挿入」をクリックします。 <コンテナ>エレメントおよび <GeneralRule> 子エレメントが挿入されます。汎用ルールは、プロポーザルエレメントの中で可能なエレメントを指定します。 内容分析の際に、タイトル、概要文書、企画説明、コスト、スケジュールなどを特定しました。
<プロポーザル>の一般的なルール（Title、ExecSummary、ProjectDescription、Cost、Schedule）を入力します。
GeneralRule エレメントの兄弟として、ValidHighestLevel エレメントを挿入します。 <><>そのためには、<GeneralRule> エレメントの下をクリックしてカーソルを配置し、エレメントカタログの中の <ValidHighestLevel> エレメントをクリックし、それから、「挿入」をクリックします。
プロポーザルエレメントが完成しました。 <>今度は、<ExecSummary>、<ProjectDescription>、<Schedule>、<Cost> という各子エレメントの定義を提供する必要があります。
構造の下部にカーソルを配置します。
エレメントカタログを使って、エレメントブロックを挿入します。 エレメントに <ExecSummary> という名前をつけて、コンテナとし、汎用ルールとして以下を指定します。Title、Para+
手順 2 を繰り返して、残りのエレメントを定義します。 汎用ルールは、下の表の通りです。
エレメント |
汎用ルール |
|---|---|
ProjectDescription |
Title、Para+ |
Cost |
Title、Para+ |
Schedule |
Title、Para+ |
タイトル |
<TEXT> （「TEXT」の周りは山形かっこで囲う。) |
Para |
<TEXT> （「TEXT」の周りは山形かっこで囲う。) |
EDD ファイルを proposal_EDD.fm という名前で保存します。
これで、簡単なプロポーザルに構造を提供する EDD が構築されました。 ただし、内容を入力する際には、書式は適用されません。
以下のセクションでは、書式を提供する方法、および様々なタイトルに正しいテキストを自動的に挿入する方法について説明します。 デフォルトでは、テキストには Body 段落スタイルが使用されます。
structured_proposal.fm からを選択して、Body および Heading1 段落スタイルのデフォルト定義を変更します。例えば、フォントを変更したり、Heading1 の上に直線を配置したりします。 また、変更をわかりやすくするために、2 つのタグに固有の色を割り当てることもできます。
proposal_EDD.fm の中で、書式ルールを含めて<「Para」>エレメント定義を変更します。 <Para>で Body 段落スタイルが必ず使われるように指定するには、<GeneralRule>エレメントの下をクリックして、<TextFormatRules>エレメントと<ElementPgfFormatTag>エレメントを順に追加します。ElementPgfFormatTag エレメントのテキストとして「Body」と入力します。<>
タイトルエレメントの場合には、より複雑な書式ルールが必要です。 <><タイトルには、概要文書や企画説明のようなセクションのタイトルが自動的に表示されるはずです。 >各見出しに表示するテキストを指定したり、<Title>でHeading1 段落スタイルを使用するように指定したりするコンテキストルールを記述する必要があります。
Heading1 段落スタイルを使うために、proposal_EDD.fm で<Title>エレメントの定義を変更します。<「Para」>エレメントで行ったのと同じように、<TextFormatRules> および <ElementPgfFormatTag> エレメントを追加します。
つぎに、タイトルエレメントに接頭辞ルールを追加します。 <>接頭辞ルールは、エレメントの最初に出現する必要のあるテキストを指定します。 <タイトル>の位置に基づいて、表示するテキストを指定します。
<TextFormatRules> の後に<コンテナ>の子を挿入するために、<タイトル>エレメントの中にカーソルを配置します。
<PrefixRules> エレメントを挿入します。
ContextRule エレメントを挿入します。 <><If> および <Specification> エレメントは、自動的に挿入されます。 <Specification> のテキストとして、「ExecSummary」を入力します。
Specification エレメントの下にカーソルを配置して、Prefix エレメントを挿入します。
Prefix エレメントのテキストには、「Executive Summary」と入力します。
タイトルを必要とする他のエレメント（<ProjectDescription>、<Schedule>、<Cost>）に対しても、手順 3～5 を繰り返し、各接頭辞に適切なテキストを挿入します。
EDD を保存します。
結果をテストするために、エレメント定義を structured_proposal.fm ファイルに取り込みます。 各セクションには、指定されたタイトルテキストが表示されるはずです。
EDD をテストするには、EDD を文書に取り込んで、期待する構造を作成できることを確認します。 この段階の文書には書式はありませんが、構造を確認することはできます。
新しい空白の縦長文書を作成するには、を選択してから、「縦」をクリックします。
EDD と新規文書ファイルの両方が開かれていることを確認します。 新しい文書から、を選択します。取り込み元の文書ドロップダウンリストから proposal_EDD.fm ファイルを選択して「取り込み」をクリックします。
EDD の構造定義が、空白の文書に取り込まれます。 定義が取り込まれたことを確認するために、カーソルをメインテキストフローの中に配置してから、エレメントカタログを表示します。 <プロポーザル>エレメントを参照する必要があります。
プロポーザルエレメントを挿入します。 <>これで、<プロポーザル>の最初の子として必要な<タイトル>エレメントがエレメントカタログに表示されます。
タイトルエレメントを挿入します。 <>プロポーザル構造が完成するまで、エレメントの挿入を続けます。
ファイルを structured_proposal.fm という名前で保存します。