変数

FrameMaker の変数の概要や、システム変数、ユーザー変数の概要、および変数ポッドを使用して変数を管理する方法について説明します。

FrameMaker の変数により、データの名前と値のペアを定義し、文書全体で再利用することができます。 例えば、文書の作成者名を示す author_name という変数を作成できます。 変数の値が変更された場合、文書全体で使用されているその変数に変更が適用されます。

システム変数

FrameMaker は、あらかじめ定義された一連のシステム変数を提供します。FrameMaker や現在の作業環境に固有の文書に情報を追加するためにシステム変数を使用します。 例えば、章番号変数がページに含まれている場合、そのページが属する章番号が表示されます。修正日(年月日時刻)変数は、文書が最後に更新された日時を表示します。

ユーザー変数

また、ユーザー変数を作成してカスタムで値を定義することもできます。例えば、文書の作成者名を示す author_name という変数を作成できます。 ユーザー変数には、割り当てる値に加えて、変数値を表示する文字書式も割り当てることができます。 詳しくは、「 ユーザー変数の作成.

変数ポッドを開くには:

変数ポッド
FrameMaker の変数ポッド

変数ポッドには現在の文書に追加できるシステム変数とユーザー変数のリストが表示されます。

リストをソートするには、リスト内の列見出しをクリックします。 クリックした見出しに則してリストがソートされます。

列サイズを変更するには:

  1. 列と列の間にマウスオーバーして両方向矢印を表示させます。

  2. マウスの左ボタンを押したままドラッグし、列を必要なサイズにしたところでボタンを放します。

変数ポッドの使用方法:

A(赤のアイコン)

赤のアイコンは、システム変数を示します。

B(青のアイコン)

青のアイコンは、ユーザー変数を示します。

C(テキストを検索):

リスト内の変数を検索します。 変数リストのすべての列に SAYT(入力中に候補を検索)機能が備わっています。

D(新規ユーザー変数を作成):

変数を追加ダイアログを開きユーザー変数を作成します。詳しくは、「ユーザー変数の作成」を参照してください。

E(編集):

選択した変数を編集するには、変数を編集ダイアログ(ユーザー変数)あるいはシステム変数を編集ダイアログ(システム変数)を開きます。詳しくは、「ユーザー変数およびシステム変数」を参照してください。

F(ユーザー変数を削除):

選択したユーザー変数を削除します。詳しくは、「ユーザー変数を削除するには」を参照してください。

注意: システム変数は削除できません。
G(挿入):

現在の文書内の挿入ポイントに、選択した変数を挿入します。詳しくは、「変数の挿入」を参照してください。

ポッドで変数をダブルクリックしても、変数を挿入することができます。

H(システム変数を更新):

システム変数の定義を編集する場合、このコマンドを使用して現在の文書で使用されている変数の定義を更新します。詳しくは、ユーザー変数およびシステム変数を参照してください。

I(テキストに変換):

変数をテキストに変換します。変数をテキストに変換ダイアログで、選択した変数、特定の変数、あるいはすべての変数をテキストに変換することができます。 詳しくは、「変数のテキストへの変換」を参照してください。

J(選択):

開いている文書のリストから選択して、その文書で使用可能な変数を表示します。

重要: 文書レベルで変数を使用できます。 つまり、ある文書で使用可能な変数はその文書で使用可能です。 ただし、他の文書から変数を取り込むこともできます。 詳しくは、「 別の文書への変数取り込み」を参照してください。
K(再表示):

使用可能な変数のリストを再表示します。

変数の挿入

Adobe FrameMaker で文書に変数を挿入する方法について説明します。

文書の本文やマスターページに変数を挿入することができます。 例えば、最終更新日付を文書のフッターに表示させるには、文書のマスターページのフッターセクションに修正日を追加します。 文書のボディページに変数を挿入することで、文書内容の特定の位置に変数値を表示させることもできます。

文書に変数を挿入するには

  1. 文書の変数を挿入する位置に挿入ポイントを置きます。

    注意: 変数ポッドには、文書内の現在の挿入ポイントに関係する変数のみが表示されます。 例えば、ヘッダー/フッター変数は文書のマスターページがフォーカスされている場合のみに表示されます。
  2. 挿入位置に変数を挿入するには、ポッドで変数を選択し、「挿入」をクリックするか変数をダブルクリックします。

文書中の変数の表示方法

文書に変数を挿入する場合、変数の名前や値が表示されるかどうかは、変数のタイプによって異なります。 すべてのユーザー変数およびほとんどのシステム変数では文書のマスターページとボディページの両方に値が表示されます。 ただし、次のシステム変数ではマスターページに変数名が表示され、ボディページに値が表示されます。

  • ページ番号

  • ヘッダー / フッター変数

構造化文書への変数の挿入

構造化文書に変数を挿入する場合、FrameMaker により XML 変数が挿入され、XML エンティティ要素が作成されます。 次に、XML 変数とエンティティの組み合わせを使用して変数を管理します。

XML 形式で作成された XML 変数とエンティティを表示するには、XML ビューに移動します。

例えば、構造化文書に修正日(年月日時刻)変数を挿入すると、 FrameMaker によって &fm.lmdate; 変数および対応するエンティティ要素が挿入されます。

fm.lmdate 変数および対応するエンティティ要素
構造化文書への変数の挿入

変数の管理

FrameMaker で変数を管理する方法、ユーザー変数を作成および更新する方法、変数をインポートする方法、変数をテキストに変換する方法について説明します。

変数ポッドでは、ユーザー変数の作成と削除、ユーザー変数およびシステム変数の編集、文書に挿入された変数の編集可能なテキストへの変換を行うことができます。

この節では次のトピックを説明します。

ユーザー変数の作成

文書で独自の情報を表示させるために、ユーザー変数を作成および追加します。 例えば、文書の作成者名を指定する author_name という変数を作成できます。または、製品名を指定する変数 product_name を作成できます。

ユーザー変数を作成するには:

  1. 変数ポッドで、「新規ユーザー変数を作成」をクリックします。

    変数を追加/編集ダイアログが表示されます。

    変数を追加ダイアログFrameMaker の変数を追加ダイアログ
  2. 変数名を product_name と入力します。

    重要: 既存の変数(システム変数およびユーザー変数)と同じ名前を入力した場合、既存の変数の定義が上書きされます。
  3. 変数名の定義を入力します。

    例えば、変数product_nameにはAdobe FrameMakerというように。または、複数の段落タグやエレメントタグを使用して変数を作成することもできます。例えば、<$paratext[Chapter, Section, Appendix]> という変数を作成すると、「Chapter」、「Section」、または「Appendix」というタグが付いている最新の段落のテキストを取得することができます。

    定義の先頭に文字書式を加えることで、変数の文字書式も指定することができます。

    変数の定義に文字書式を適用するには:

    1. リストから文字書式をクリックします。

      変数の定義に、文字書式が追加されます。

    2. 文字書式に続けて、変数値を入力します。 以下に例を挙げます。

      <Callout>Adobe

      変数の定義には、異なるテキストに複数の文字書式を追加することができます。 以下に例を挙げます。

      <Callout>Adobe <emphasis>FrameMaker
  4. 変数を作成するには、「追加」をクリックします。

ユーザー変数の作成後、文書に挿入できます。詳しくは、「変数の挿入」を参照してください。

ユーザー変数およびシステム変数

ユーザー変数あるいはシステム変数の定義を編集できます。ユーザー変数定義には、文書の文字書式を含めることができます。 システム変数定義には、文書の文字書式に合わせて FrameMaker 構成要素を含めることができます。 例えば、作成日(年月日)システム変数のデフォルトの書式は次のとおりです。 <$shortyear>/<$monthnum>/<$daynum>。 <$daynum>/<$monthnum>/<$shortyear>などのその他の書式についても編集することができます。同様に、ユーザー定義に適用される定義と文字書式の両方あるいは一方を変更することもできます。

変数を編集するには

  1. 変数ポッドから変数を選択して、「編集」をクリックします。

    変数を編集するためのダイアログが表示されます。

    変数を追加/編集ダイアログFrameMaker の変数を編集ダイアログ
  2. 変数の定義を編集します。

    ユーザー変数:

    ユーザー変数の名前、定義、文字書式を編集できます。 例えば、product_name 変数を次のように更新します。<Callout>Adobe<emphasis>Frameから<Default ¶ Font>Adobe<Emphasis>RoboHelpへ

    システム変数:

    「構成要素」リストで利用可能な変数定義を使用して、システム変数の定義を編集できます。

    You can include character formats to System variables as you do when ユーザー変数の作成.

    ポッドの場所リストには、変数が使われている現在の文書のページ番号が表示されます。

    注意: システム変数の名前を変更することはできません。
  3. 変数に更新を保存するには、「編集」をクリックします。

注意: ユーザー変数を編集する場合は、変数を追加/編集ダイアログに「編集」ボタンが表示されます。ユーザー変数の名前を変更して「編集」をクリックすると、古い変数の名前が変更されます。ただし、システム変数の名前は変更できないため、「編集」ボタンをクリックしても、変数の定義のみが変更されます。

文書中の変数の削除

文書中で使用する必要がなくなったユーザー変数を削除できます。

また、文書に追加されたシステム変数およびユーザー変数の出現も、削除できます。

ユーザー変数を削除するには

ユーザー変数を削除する場合、変数の定義は文書カタログから削除されます。 この後、変数を文書中で使用することはできません。

  1. 変数ポッドからユーザー変数を選択して、「削除」をクリックします。

    注意: システム変数を選択すると、「削除」ボタンが無効になります。
  2. 現在の文書で変数が使用されていると、文書に出現するすべての変数が編集可能なテキストに変換されるというメッセージが表示されます。「OK」をクリックし、変数を削除し、すべての出現箇所をテキストに変換します。

変数の出現を削除するには

文書中の変数の特定の出現を削除することができます。 文書カタログ中の変数の定義と、文書中の他の出現は維持されます。

  1. 検索・置換ダイアログを開きます。

  2. 「検索」リストで「変数名」を選択し、文書から削除する変数名のすべてまたは一部を入力します。

  3. ドキュメント内の変数を見つけるには、「検索」をクリックします。

  4. 選択された出現箇所を削除するには、Delete キーを押すか、出現リストの下の「削除」をクリックします。

    この場合、変数の出現と、関連したテキストが文書から削除されます。

変数のテキストへの変換

文書中の変数をテキストに変換できます。 この操作により、文書からの変数への参照は削除され、変換されたテキストが編集可能になります。

  1. 変数ポッドで「テキストに変換」をクリックします。

    変数をテキストに変換ダイアログが表示されます。

    変数をテキストに変換ダイアログ
    FrameMaker の変数をテキストに変換ダイアログ

  2. 変換できるもの:

    選択した変数:

    変数ポッドから選択された変数のすべての出現。

    特定の変数:

    変数リストから選択された変数のすべての出現。

    エレメントタグ付きの変数:

    変数に割り当てられたエレメントタグのすべての出現。

    すべての変数

    文書中の変数のすべての出現。

  3. 「変換」をクリックします。

別の文書への変数取り込み

変数は、作成された文書中(ユーザー変数)あるいは編集された文書中(ユーザー変数およびシステム変数)で使用することができます。

変数の定義を取り込むことで、別の文書でも変更された変数を使用することができます。

別の文書に変数を取り込むには

  1. 1 つ以上の他の文書で利用する変数定義を含む文書を開きます。

    ソース文書から変数定義を取り込むトピックを開きます。

    FrameMaker ブックで作業をしている場合、ソースト文書から変数定義を取り込むブック内の文書を複数選択することができます。

  2. ファイルメニューから、取り込み/書式を選択します。

  3. 書式を取り込むダイアログで、「すべてを選択解除」をクリックし、「文書の属性」にチェックを入れ、「取り込み」をクリックします。

重要: 取り込み先となる文書のユーザー変数に、ソース文書のユーザー変数と同じ名前を持つものがある場合、ユーザー変数の定義は上書きされます。 また、ソース文書のシステム変数が更新された場合、取り込み先となる文書の変数定義は上書きされます。

変数のヘッダーとフッターへの追加

FrameMaker でヘッダーとフッターに変数を追加する方法について説明します。

文書のマスターページのヘッダーやフッターに変数を追加する場合、変数定義が文書全体のページで表示されます。 例えば、FrameMakerテンプレートについてのにおいては、ヘッダー/フッター1(章タイトル)およびヘッダー/フッター2(見出しレベル1)変数が、奇数および偶数ページのヘッダーに挿入されます。

この節では次のトピックを説明します。

FrameMaker のヘッダー/フッター変数

重要: プロジェクトの要件に応じて、すべてのヘッダー/フッター変数のデフォルト定義を変更することができます。例えば、固定テキスト、1 つ以上の構成要素、文字書式を含むヘッダー/フッター変数を作成することができます。
デフォルト

ヘッダー/フッター変数

説明

ヘッダー / フッター 1

章タイトル

ヘッダー / フッター 2

見出しレベル 1 例:見出し 1

ヘッダー / フッター 3、4、13~18

ヘッダー / フッター $1~8 タイプのマーカーに対して定義されたマーカーテキスト詳しくは、マーカーを使用したテキストのヘッダーまたはフッターへの表示を参照してください。

ヘッダー / フッター 5~12

定義の paratag 部分で定義される段落テキスト例:詳しくは、「辞書形式のヘッダーまたはフッターの作成

マーカーを使用したテキストのヘッダーまたはフッターへの表示

ヘッダー / フッター変数(4、5、13~18)を使用してヘッダーまたはフッターにマーカーテキストを追加できます。これらの変数を使用して、コンテンツやシステム変数では使用できないテキストをヘッダーまたはフッターに表示させることができます。

  1. 文書のボディページに移動します(表示/ボディページ)。

  2. 文書内の任意の場所に挿入ポイントを配置し、マーカーダイアログを開きます(挿入/マーカー)。

    注意: 文書内のマーカーの位置は関係ありません。 例えば、ヘッダーやフッターのテキストを含むすべてのマーカーを文書内の一か所に配置できます。
  3. マーカーの種類ポップアップリストで、ヘッダー/フッター $1 を選択します。

  4. 「マーカーテキスト」ボックスで、ヘッダーまたはフッターで表示させるテキストを入力します。

  5. 文書のマスターページを開き(表示/マスターページ)、ヘッダーまたはフッターにヘッダー / フッター 3 変数を挿入します。

同様に、ヘッダー / フッター 4、13~18 を対応するヘッダー / フッター $2~$8 マーカーとともに使用して、ヘッダーまたはフッターにさらにマーカーテキストを追加できます。

辞書形式のヘッダーまたはフッターの作成

辞書の奇数ページのヘッダーまたはフッターに表示される用語は、その奇数ページの最初に説明されている用語です。 同様に、辞書の偶数ページのヘッダーまたはフッターに表示される用語は、その偶数ページの最後に説明されている用語です。 辞書形式のヘッダーまたはフッターを作成するには、paratext(ヘッダー/フッター 5~12)変数のうち一つを使用します。

  1. 文書のマスターページを開き(表示/マスターページ)、奇数マスターページに移動します。

  2. 変数ポッドから paratext 変数を選択して、「編集」をクリックします。

  3. 変数を追加/編集ダイアログで変数定義を編集し、文書中の辞書の用語により使用される段落タグを指定します。 例えば、ヘッダー/フッター 5 の定義を <$paratext[Heading3]> に編集します。

  4. 変数を奇数ページのヘッダーに挿入します。

  5. 偶数ページのヘッダーに移動します。

  6. 変数を追加/編集ダイアログで変数定義を編集し、文書中の辞書の用語により使用される段落タグを指定します。 例えば、ヘッダー/フッター 5 の定義を <$paratext[+, Heading3]> に編集します。

    重要: 段落タグの先頭にプラス記号(+)を指定すると、変数定義内で指定されたタグが含まれている最後の段落内のテキストが表示されます。

文書の奇数ページのヘッダーは、ヘッダー/フッター変数で定義される最初の段落タグを表示し、偶数ページのヘッダーは最後の段落タグを表示します。


January 24, 2022

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