ジオメトリの基本

Flash Player 9 以降、Adobe AIR 1.0 以降

flash.geom パッケージには、ポイント、矩形、変換マトリックスなどのジオメトリオブジェクトを定義するクラスがあります。 これらのクラス自体は、必ずしも機能を提供するものではなく、他のクラスで使用されるオブジェクトのプロパティを定義する際に使用します。

すべてのジオメトリクラスは、画面上の位置は 2 次元の面で表されるという概念に基づいています。 画面は、水平(x)軸と垂直(y)軸を持つ平面のグラフのように扱われます。 画面上の任意の位置(ポイント)は、x 値と y 値の組み合わせ、つまり座標で表すことができます。

ステージなどのすべての表示オブジェクトは、独自の「座標空間」を持っています。この座標空間はオブジェクト自体のグラフで、子表示オブジェクトや描画などが配置されます。「原点」は座標位置 0, 0(x 軸と y 軸が交わる座標)にあり、表示オブジェクトの左上隅に配置されます。この原点の位置はステージには常に当てはまりますが、他の表示オブジェクトには当てはまらない場合もあります。x 軸の値が大きくなるほど右へ、小さくなるほど左へ移動します。原点の左側では x 座標は負の値になります。ただし、通常の座標系とは異なり、Flash ランタイムでは y 軸上の座標値が大きくなるほど画面の下へ、小さくなるほど上へ移動します。原点の上側では、y 座標は負の値になります。ステージの左上隅が座標空間の原点なので、ステージ上のほとんどのオブジェクトは x 座標が 0 より大きくなり、幅はステージよりも小さくなります。また、そのオブジェクトの y 座標は 0 よりも大きくなり、高さはステージよりも小さくなります。

座標空間の個々のポイントを表すには、Point クラスのインスタンスを使用します。 座標空間で矩形の領域を表すには、Rectangle インスタンスを作成します。 上級ユーザーの場合は、Matrix インスタンスを使用して、表示オブジェクトに複数変換または複合変換を適用できます。 回転、位置の変更、拡大/縮小倍率の変更などの多くの単純な変換は、オブジェクトのプロパティを使用して表示オブジェクトに直接適用できます。表示オブジェクトのプロパティを使用した変換の適用について詳しくは、 表示オブジェクトの操作 を参照してください。

重要な概念と用語

次の参照リストに、ジオメトリの重要な用語を示します。

直交座標
座標は一般に 2 つの数値で表されます(5, 12 や 17, -23 など)。この 2 つの数値はそれぞれ、x 座標と y 座標です。

座標空間
表示オブジェクトに含まれる座標グラフで、子エレメントがここに配置されます。

原点
座標空間で x 軸と y 軸が交わる点。このポイントの座標は 0, 0 です。

ポイント
座標空間内の 1 つの場所。ActionScript で使用する 2 次元座標系では、x 軸と y 軸上の位置(点の座標)によって点が定義されます。

基準点
表示オブジェクトの座標空間の原点(0, 0 座標)。

拡大/縮小
オブジェクトの元のサイズを基準とするサイズです。拡大/縮小とは、オブジェクトを伸縮させてサイズを変更することを意味します。

平行移動
ポイント座標を 1 つの座標空間から他の座標空間に変更すること。

変換
図形の視覚的特性を調整すること。オブジェクトの回転、尺度の変更、シェイプの傾斜や歪み、色の変更など。

X 軸
ActionScript で使用する 2 次元座標系の水平軸。

Y 軸
ActionScript で使用する 2 次元座標系の垂直軸。