ビデオの基礎

Flash Player 9 以降、Adobe AIR 1.0 以降

Adobe® Flash® Player と Adobe® AIR™ には、イメージ、アニメーション、テキストといったその他の視覚的なコンテンツと同様に、ActionScript でビデオ情報を表示し、操作することができるという重要な機能があります。Adobe Flash CS4 Professional で Flash Video(FLV)ファイルを作成する場合、共通の再生コントロールを含むスキンを選択することができます。しかし、ここで提供されるオプションしか使用できないわけではありません。 ActionScript を使用すると、ビデオのロード、表示および再生を細部にわたって調節することができます。つまり、独自のビデオプレーヤースキンを作成したり、新しい方法でビデオを使用したりすることができます。ActionScript でビデオを操作する場合は、いくつかのクラスを組み合わせます。

  • Video クラス :ステージ上の従来のビデオコンテンツボックスは、Video クラスのインスタンスです。Video クラスは表示オブジェクトです。そのため、配置や変換、フィルターの適用、ブレンドモードなど、他の表示オブジェクトにも適用される技法を使用して操作することができます。

  • StageVideo クラス :Video クラスは通常、ソフトウェアによるデコードとレンダリングを使用します。GPU ハードウェアアクセラレーションがデバイス上で利用可能な場合、StageVideo クラスに切り替えることによって、アプリケーションでハードウェアアクセラレーションによる表示を最大限に活用できます。StageVideo API には、StageVideo オブジェクトと Video オブジェクトを切り替えるべきタイミングをアプリケーションコードに伝える一連のイベントが含まれています。ステージビデオにはビデオの再生に関する軽微な制限が伴います。アプリケーションでこれらの制限を受け入れる場合は、StageVideo API を実装してください。 ガイドラインおよび制限 を参照してください。

  • NetStream クラス :ActionScript で制御するビデオファイルをロードする場合、NetStream インスタンスは、ビデオコンテンツのソース(この場合はビデオデータのストリーム)を表します。NetStream インスタンスを使用すると、NetConnection オブジェクトも使用することになります。NetConnection オブジェクトとは、ビデオデータが送信されるトンネルのように、ビデオファイルに接続するために使用されます。

  • Camera クラス :ユーザーのコンピューターに接続しているカメラからビデオデータを操作している場合、Camera インスタンスはビデオコンテンツのソース(ユーザーのカメラおよび使用可能になるビデオデータ)を表します。Flash Player 11.4 と AIR 3.4 では、新たにカメラを使用して StageVideo をフィードできます。

外部ビデオをロードする場合、標準的な Web サーバーからファイルをロードしてプログレッシブダウンロードを行うか、アドビ システムズ社の Flash® Media Server などの専用のサーバーから配信されるストリーミングビデオを操作することができます。

重要な概念と用語

キューポイント
ビデオファイルの特定の時点に配置できるマーカーです。その時点を探すときのブックマークとして、またはその時点に関連するデータを追加するときなどに使用できます。

エンコーディング
ある形式のビデオデータを、別のビデオデータ形式に変換することです。例えば、高解像度のソースビデオを、インターネット配信に適した形式に変換するなどが挙げられます。

フレーム
ビデオ情報のセグメント。1 枚のフレームは、ビデオの特定の時点のスナップショットを表す静止画のようなものです。フレームを連続して高速再生することで動きが生まれます。

キーフレーム
フレームの完全な情報を格納したビデオフレームです。キーフレームの後に続くフレームには、フレーム全体に相当する情報ではなく、キーフレームとの違いに関する情報のみが含まれます。

メタデータ
ビデオファイルに関する情報で、ビデオファイル内に埋め込まれ、ビデオがロードされると取得されるものです。

プログレッシブダウンロード
ビデオファイルが標準的な Web サーバーから配信されると、ビデオデータはプログレッシブダウンロードによってロードされます。つまり、ビデオ情報は順番にロードされます。ファイル全体がダウンロードされる前にビデオの再生を開始できるという利点がありますが、ロードされていない部分にジャンプすることはできません。

ストリーミング
プログレッシブダウンロードの代わりに、特別なビデオサーバーを使用し、ストリーミング(別名「トゥルーストリーミング」)という技法により、インターネット上でビデオを配信することができます。ストリーミングを使用する場合、ユーザーのコンピューターは一度にビデオ全体をダウンロードしません。コンピューターではどの時点でも、ビデオ情報全体の一部しか必要としないので、ダウンロード時間を短縮することができます。 特別なサーバーがビデオコンテンツの配信を制御するので、ビデオがダウンロードされるのを待たずに、ビデオのどの部分にも自由にアクセスすることができます。