AIR では、Safari Web ブラウザーでも使用される
WebKit
(www.webkit.org
)を使用して、HTML および JavaScript のコンテンツの解析、配置およびレンダリングを行います。AIR のビルトインのホストクラスとオブジェクトには、デスクトップアプリケーションに関連付けられている従来の機能のための API が用意されています。このような機能には、ファイルの読み取りと書き込みおよびウィンドウの管理があります。また、Adobe AIR は Adobe® Flash® Player から API を継承しており、これらの API には、サウンドおよびバイナリソケットなどの機能があります。
重要:
Adobe AIR ランタイムの新しいバージョンには、WebKit の更新されたバージョンが含まれている場合があります。新しいバージョンの AIR に含まれる WebKit の更新により、デプロイされた AIR アプリケーションに予期しない変更が生じる可能性があります。そのような変更は、アプリケーションの HTML コンテンツの動作や外観に影響を与える場合があります。例えば、WebKit のレンダリングの改善または修正によって、アプリケーションのユーザーインターフェイスの要素のレイアウトが変化する場合があります。そのため、アプリケーションには更新メカニズムを用意することを強くお勧めします。AIR に含まれる WebKit のバージョンに加えられた変更により、アプリケーションを更新する必要がある場合は、AIR の更新メカニズムによって、アプリケーションの新しいバージョンをインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。
次の表に、AIR で使用されている WebKit と同等のバージョンを使用する Safari Web ブラウザーのバージョンを示します。
AIR バージョン
|
Safari バージョン
|
1.0
|
2.04
|
1.1
|
3.04
|
1.5
|
4.0 Beta
|
2.0
|
4.03
|
2.5
|
4.03
|
2.6
|
4.03
|
2.7
|
4.03
|
3
|
5.0.3
|
インストールされている WebKit のバージョンは、HTMLLoader オブジェクトによって返されるデフォルトのユーザーエージェント文字列を調べることにより、いつでも確認できます。
air.trace( window.htmlLoader.userAgent );
AIR で使用されている WebKit のバージョンは、オープンソースバージョンと同じであるとは限りません。一部の機能は AIR でサポートされていません。また、AIR バージョンには、対応する WebKit バージョンではまだ利用できないセキュリティ修正やバグ修正が含まれていることがあります。
AIR でサポートされていない WebKit の機能
を参照してください。
HTML コンテンツでの AIR API の使用は完全にオプションです。HTML および JavaScript を使用して AIR アプリケーション全体をプログラムできます。既存の HTML アプリケーションの多くは、ほとんど変更することなく実行できます(WebKit との互換性がある HTML、CSS、DOM および JavaScript の機能を使用している場合)。
AIR では、アプリケーションのルックアンドフィールを完全に制御できます。アプリケーションをネイティブデスクトップアプリケーションのようにすることができます。オペレーティングシステムによって提供されるウィンドウクロムをオフにし、ウィンドウの移動、サイズ変更および終了を行うための独自のコントロールを実装できます。ウィンドウなしで実行することもできます。
AIR アプリケーションはファイルシステムへのフルアクセスを使用してデスクトップで直接実行されるので、セキュリティモデルは、一般的な Web ブラウザーのセキュリティモデルより厳格です。AIR では、アプリケーションのインストールディレクトリから読み込まれたコンテンツのみ、
アプリケーションサンドボックス
に配置されます。アプリケーションサンドボックスには最高レベルの権限が設定されており、このサンドボックスから AIR API にアクセスできます。AIR では、その他のコンテンツは、そのコンテンツの生成元に基づいて個別のサンドボックスに配置されます。ファイルシステムから読み込まれたファイルは、ローカルサンドボックスに含められます。http: プロトコルまたは https: プロトコルを使用してネットワークから読み込まれたファイルは、リモートサーバーのドメインに基づいてサンドボックスに含められます。これらの非アプリケーションサンドボックス内のコンテンツは、AIR API へのアクセスが禁止され、一般的な Web ブラウザーでの場合とほぼ同様に実行されます。
AIR の HTML コンテンツでは、アルファ、拡大/縮小または透明度の設定が適用されている場合、SWF コンテンツや PDF コンテンツは表示されません。詳しくは、
HTML ページに SWF コンテンツまたは PDF コンテンツを読み込む場合の考慮事項
および
ウィンドウの透明度
を参照してください。