データベースの作成と変更

Adobe AIR 1.0 およびそれ以降

アプリケーションでデータの追加や取得ができるようになる前に、アプリケーションがアクセスできるデータベースにテーブルが定義されている必要があります。ここで説明するのは、データベース作成タスクと、データベース内にデータ構造を作成するタスクです。これらのタスクはデータの挿入や取得よりも使用回数は少ないですが、ほとんどのアプリケーションに必須のものです。

データベースの作成

データベースファイルを作成するには、まず SQLConnection インスタンスを作成します。次に、SQLConnection インスタンスの open() メソッドを呼び出して接続を同期実行モードで開くか、 openAsync() メソッドを呼び出して非同期実行モードで開きます。 open() メソッドと openAsync() メソッドは、データベースへの接続を開くために使用されます。 open() メソッドまたは openAsync() メソッドで、存在しないファイルの場所を参照する File インスタンスを reference パラメーター(最初のパラメーター)に渡すと、その場所にデータベースファイルが作成され、新たに作成されたデータベースへの接続が開かれます。

データベースを作成する際には、 open() メソッドを呼び出すか openAsync() メソッドを呼び出すかに関係なく、任意のファイル名拡張子を持つ任意の有効なファイル名をデータベースファイル名として使用できます。 reference パラメーターに null を渡して open() メソッドや openAsync() メソッドを呼び出すと、ディスク上のデータベースファイルではなく新しいインメモリデータベースが作成されます。

次のコードリストは、非同期実行モードを使用してデータベースファイル(新しいデータベース)を作成する手順を示しています。この例では、データベースファイルが「DBSample.db」というファイル名で アプリケーション記憶領域ディレクトリの参照 に保存されます。

// Include AIRAliases.js to use air.* shortcuts 
     
var conn = new air.SQLConnection(); 
     
conn.addEventListener(air.SQLEvent.OPEN, openHandler); 
conn.addEventListener(air.SQLErrorEvent.ERROR, errorHandler); 
     
// The database file is in the application storage directory 
var folder = air.File.applicationStorageDirectory; 
var dbFile = folder.resolvePath("DBSample.db"); 
     
conn.openAsync(dbFile); 
     
function openHandler(event) 
{ 
    air.trace("the database was created successfully"); 
} 
     
function errorHandler(event) 
{ 
    air.trace("Error message:", event.error.message); 
    air.trace("Details:", event.error.details); 
}
注意: File クラスでは特定のネイティブファイルパスを参照できますが、その場合、アプリケーションが複数のプラットフォームにわたって機能しなくなる可能性があります。例えば、C:¥Documents and Settings¥joe¥test.db というパスは、Windows 上でのみ機能します。このような理由から、 File.applicationStorageDirectory などの File クラス の静的プロパティおよび resolvePath() メソッド(前の例で示したように)を使用することをお勧めします。詳しくは、 File オブジェクトのパス を参照してください。

操作を同期的に実行する場合は、SQLConnection インスタンスでデータベース接続を開くときに open() メソッドを呼び出します。次の例は、操作を同期的に実行する SQLConnection インスタンスを作成して開く方法を示しています。

// Include AIRAliases.js to use air.* shortcuts 
     
var conn = new air.SQLConnection(); 
     
// The database file is in the application storage directory 
var folder = air.File.applicationStorageDirectory; 
var dbFile = folder.resolvePath("DBSample.db"); 
     
try 
{ 
    conn.open(dbFile); 
    air.trace("the database was created successfully"); 
} 
catch (error) 
{ 
    air.trace("Error message:", error.message); 
    air.trace("Details:", error.details); 
}

データベーステーブルの作成

データベースのテーブルを作成する際には、 SELECT INSERT などの SQL ステートメントを実行するときと同じ手順を使用して、そのデータベースに対して SQL ステートメントを実行 します。テーブルを作成するには、新しいテーブルの列と制約の定義を含む CREATE TABLE ステートメントを使用します。SQL ステートメントの実行について詳しくは、 SQL ステートメントの操作 を参照してください。

次の例では、非同期実行モードを使用して既存のデータベースファイルに「employees」という名前のテーブルを作成しています。このコードでは、 conn という名前の SQLConnection インスタンスが既に作成されてデータベースに接続されていることを前提としています。

// Include AIRAliases.js to use air.* shortcuts 
     
// ... create and open the SQLConnection instance named conn ... 
     
var createStmt = new air.SQLStatement(); 
createStmt.sqlConnection = conn; 
     
var sql =  
    "CREATE TABLE IF NOT EXISTS employees (" +  
    "    empId INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, " +  
    "    firstName TEXT, " +  
    "    lastName TEXT, " +  
    "    salary NUMERIC CHECK (salary > 0)" +  
    ")"; 
createStmt.text = sql; 
     
createStmt.addEventListener(air.SQLEvent.RESULT, createResult); 
createStmt.addEventListener(air.SQLErrorEvent.ERROR, createError); 
     
createStmt.execute(); 
     
function createResult(event) 
{ 
    air.trace("Table created"); 
} 
     
function createError(event) 
{ 
    air.trace("Error message:", event.error.message); 
    air.trace("Details:", event.error.details); 
}

次の例では、同期実行モードを使用して既存のデータベースファイルに「employees」という名前のテーブルを作成しています。このコードでは、 conn という名前の SQLConnection インスタンスが既に作成されてデータベースに接続されていることを前提としています。

// Include AIRAliases.js to use air.* shortcuts 
     
// ... create and open the SQLConnection instance named conn ... 
     
var createStmt = new air.SQLStatement(); 
createStmt.sqlConnection = conn; 
     
var sql =  
    "CREATE TABLE IF NOT EXISTS employees (" +  
    "    empId INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT, " +  
    "    firstName TEXT, " +  
    "    lastName TEXT, " +  
    "    salary NUMERIC CHECK (salary > 0)" +  
    ")"; 
createStmt.text = sql; 
     
try 
{ 
    createStmt.execute(); 
    air.trace("Table created"); 
} 
catch (error) 
{ 
    air.trace("Error message:", error.message); 
    air.trace("Details:", error.details); 
}