ボタンの使用

データの送信、Web サービスの操作、データベースクエリの実行などの操作をユーザーが開始できるようにする場合は、フォームにボタンを追加できます。Designer に組み込まれているクライアント / サーバー通信やスクリプティングのサポートを利用すると、ボタンを介して、次のような操作をフォームから実行できるようになります。

  • 計算を実行する

  • スクリプトによってデータを処理および操作する

  • サーバーにデータを送信する(オプションの添付を含む)

  • 送信されるフォームコンテンツに署名する

  • 送信されるフォームコンテンツを暗号化する

  • ホストへの接続を開く

  • サーバーにクライアント要求を送信する

  • Web サービス操作を呼び出す

  • データソースをクエリする

ユーザーがボタンをクリックすると、ボタンに関連付けられている操作が開始されます。

フォームデザインにボタンオブジェクトを追加してコントロールの種類を「送信」、「実行」に設定すると、オブジェクトパレットの「フィールド」、「送信」および「実行」タブで、キャプションテキストを編集したり、オブジェクトのプロパティを操作したりすることができます。次のプロパティを定義できます。

  • ボタンのキャプションを変更する

  • ボタンの境界線のスタイルを設定する

  • ボタンのハイライトスタイルを指定する

  • ボタンを表示、非表示または隠すのいずれかに定義する

  • ボタンのロケールを指定する

  • 実行時の動作を指定する

Designer には、特定の機能を実現する 4 つのボタンが用意されています。電子メール送信ボタン、HTTP 送信ボタン、印刷ボタン、リセットボタンです。

電子メール送信ボタン

電子メール送信ボタンは、特定のプロパティが既に設定されている標準ボタンで、特殊なオブジェクトパレットが関連付けられています。このオブジェクトを使用すると、ユーザーがクリックしてフォームデータを電子メールで返送するためのボタンを簡単に作成することができます。Adobe Reader では PDF ファイルに変更(フォームデータを含む)を保存することができないので、ユーザーが Adobe Reader 内で記入することが予想されるフォームには、電子メール送信ボタンを用意しておくとよいでしょう。

電子メール送信ボタンは、次のように設定された標準ボタンオブジェクトと同じ働きをします。

  • 「コントロールの種類」が「送信」

  • 「送信フォーマット」が「XML データ(XML)」

  • 「送信先 URL」が、mailto:name@adobe.com のような mailto: プロトコル

  • 「エンコーディング」が「UTF-8」

新規フォームアシスタントを使用してフォームを作成し、返送方法としていずれかの送信オプションを選択した場合は、電子メール送信ボタンが自動的にフォームに挿入されます。

フォームデザインにボタンを追加すると、オブジェクトパレットの「フィールド」タブを使用して、キャプションテキストを編集したり、オブジェクトのプロパティを操作したりできます。次のプロパティを定義できます。

  • ボタンのキャプションを変更する

  • ボタンの境界線のスタイルを設定する

  • ボタンのハイライトスタイルを指定する

  • 電子メールメッセージの宛先アドレスと件名を設定する

  • 送信されるフォームコンテンツに署名する

  • 送信されるフォームコンテンツを暗号化する

  • ボタンを表示、非表示または隠すのいずれかに定義する

  • ボタンのロケールを指定する

また、階層パレットでボタン名を変更したり、フォントパレットや段落パレットでキャプションのスタイルを設定したりすることもできます。

電子メール送信ボタンを設定するには

フォームデータの送信先となる電子メールアドレスと送信される電子メールの件名を指定できます。

  1. フォームデザインに電子メール送信ボタンを追加します。 フォームデザインにオブジェクトを追加するには を参照してください。

  2. オブジェクトパレットで、「フィールド」タブをクリックします。

  3. 「電子メールアドレス」ボックスに送信先の電子メールアドレスを入力します。

  4. (オプション)「電子メールの件名」ボックスに電子メールの件名を入力します。

  5. (オプション)送信データにデータ署名を適用する場合は、「送信時に署名」を選択し、「設定」をクリックして署名のオプション設定を指定します。

  6. (オプション)フォームコンテンツに XML 暗号化を適用する場合は、「送信を暗号化」を選択し、「設定」をクリックして暗号化のオプション設定を設定します。

HTTP 送信ボタン

HTTP 送信ボタンは、特定のプロパティが既に設定されている標準ボタンで、特殊なオブジェクトパレットが関連付けられています。このオブジェクトを使用すると、ユーザーがクリックしてフォームデータを HTTP Post で返送するためのボタンを簡単に作成することができます。

HTTP 送信ボタンは、次のように設定された標準ボタンオブジェクトと同じ働きをします。

  • 「コントロールの種類」が「送信」

  • 「送信フォーマット」が「URL エンコードデータ(HTTP Post)」

  • 「送信先 URL」が http: プロトコル

セキュリティで保護された https: プロトコルを通じてデータを返送する必要がある場合は、標準ボタンオブジェクトを使用することもできます。

フォームデザインにボタンを追加すると、オブジェクトパレットの「フィールド」タブを使用して、キャプションテキストを編集したり、オブジェクトのプロパティを操作したりできます。次のプロパティを定義できます。

  • ボタンのキャプションを変更する

  • ボタンの境界線のスタイルを設定する

  • ボタンのハイライトスタイルを選択する

  • データの送信先 URL を指定する

  • 送信されるフォームコンテンツに署名する

  • 送信されるフォームコンテンツを暗号化する

  • ボタンを表示、非表示または隠すのいずれかに定義する

  • ボタンのロケールを指定する

また、階層パレットでボタン名を変更したり、フォントパレットや段落パレットでキャプションのスタイルを設定したりすることもできます。

HTTP 送信ボタンを設定するには

  1. フォームデザインに HTTP 送信ボタンを追加します。 フォームデザインにオブジェクトを追加するには を参照してください。

  2. オブジェクトパレットの「フィールド」タブをクリックし、「URL」ボックスに URL プロトコルを入力します。

    宛先

    使用する URL プロトコル

    パッケージを FTP サイトに送信する

    ftp

    ftp://ftp.gnu.org/gnu/GPL

    パッケージを Web サーバーに送信する

    http

    http://myserver/cgi-bin/

    セキュリティで保護された Web サーバーにパッケージを送信する

    https

    https://myserver/cgi-bin/

    パッケージを電子メールアドレスに送信する

    mailto

    mailto:username@domain.com

    注意: データを URL に送信する場合は、ターゲットを絶対的な形式で指定することをお勧めします。相対ターゲットはユーザー環境に基づいて解釈されるので、実行するユーザーによって変化する可能性があります。
  3. (オプション)送信データにデータ署名を適用する場合は、「送信時に署名」を選択し、「設定」をクリックして署名のオプション設定を指定します。

  4. (オプション)フォームコンテンツに XML 暗号化を適用する場合は、「送信を暗号化」を選択し、「設定」をクリックして暗号化のオプション設定を設定します。

印刷ボタン

印刷ボタンは、ユーザーがフォームを印刷できる印刷ダイアログボックスを表示するためのボタンです。印刷ボタンは「コントロールの種類」が「標準」に設定されている標準ボタンオブジェクトで、このボタンの click イベントには、ボタンがクリックされたときにフォームを印刷するスクリプトが含まれています。

スタンドアロンバージョンの Designer では、新規フォームアシスタントを使用してフォームを作成し、返送方法としていずれかの印刷オプションを選択すると、自動的に印刷ボタンがフォームに挿入されます。

リセットボタン

リセットボタンは、フォーム上のすべてのフィールドをデフォルト値にリセットします。リセットボタンは「コントロールの種類」が「標準」に設定されている標準ボタンオブジェクトで、このボタンの click イベントには、ボタンがクリックされたときにフィールドの値をリセットするスクリプトが含まれています。

演算またはスクリプトを実行する標準ボタンを挿入するには

  1. フォームデザインにボタンを追加します。 フォームデザインにオブジェクトを追加するには を参照してください。

  2. オブジェクトパレットで、「フィールド」タブをクリックします。

  3. 「表示」ボックスからイベントを選択します。例えば、このボタンで計算を実行する場合は、「Click」を選択します。

  4. スクリプトエディターで、言語リストから言語を選択します。

  5. スクリプトエディターに演算またはスクリプトを入力します。