6.1.2 サーバーの開始引数の設定

LiveCycle オプションを追加するには、LiveCycle クラスターの各 WebLogic Server インスタンスに対してサーバーの開始引数を設定する必要があります。

この手順を開始する前に、クラスターで使用している JVM が 32 ビットと 64 ビットのどちらであるかを確認する必要があります。クラスター構成に必要な JVM を確認するには、『LiveCycle のインストールの準備(サーバークラスター)』を参照してください。

クラスターキャッシュのサーバーの開始引数を正しく設定できるよう、この手順を開始する前に、LiveCycle クラスターにクラスターキャッシュをどのように実装しているか確認してください。クラスターキャッシュは、UDP または TCP を使用して実装できますが、両方使用することはできません。クラスターに適切な実装を選択してください。

  • クラスターが IPv4 ベースの場合のみ、UDP を使用できます。

  • クラスターが IPv4 ベースまたは IPv6 ベースの場合は、TCP を使用します。IPv6 ベースのクラスターには、IPv6 に準拠するように TCP を使用します。

    TCP を使用してクラスターキャッシュを実装する場合は、TCP ロケーターを正しく設定します(「キャッシュロケーターの設定(TCP を使用するキャッシュのみ)」を参照)。

TCP プロトコルには継承の信頼性があるので、実稼働システムには UDP マルチキャストではなく TCP を使用することをお勧めします。

サーバーの開始引数を設定するには:

  1. WebLogic Server Administration Console の「Domain Structure」で、EnvironmentServers をクリックし、右側のウィンドウで LiveCycle クラスターのサーバー名をクリックします。

  2. Configuration」タブ/Server Start をクリックします。

  3. 「Change Center」で、「Lock & Edit」をクリックします。

  4. Arguments」ボックスに、以下の JVM 引数セットのいずれか 1 つを追加します。

    • (32 ビット JVM のみ)-XX:MaxPermSize=256m -Xms256m -Xmx1024m を追加します

    • (64 ビット JVM のみ)-XX:MaxPermSize=512m -Xms256m -Xmx2048m を追加します

    注意: 上述の適切なテキストブロックをテキストエディターにコピーして、すべての改行が削除されていることを確認してください。
  5. (IPv4 のみ)「Arguments」ボックスに、以下の JVM 引数を追加します。

    -Dadobeidp.RootDirectory=<appserver domain> -Djava.net.preferIPv4Stack=true -Dfile.encoding=utf8

    -Djava.security.policy=<appserver root>/server/lib/weblogic.policy

  6. (IPv6 のみ)「Arguments」ボックスに、以下の JVM 引数を追加します。

    -Dadobeidp.RootDirectory=<appserver domain> -Djava.net.preferIPv6Stack=true -Djava.net.preferIPv6Addresses=true -Dfile.encoding=utf8

    -Djava.security.policy=<appserver root>/server/lib/weblogic.policy

    注意: 64 ビット UNIX プラットフォームを使用している場合、次の JVM 引数を追加します。
    -d64
    注意: adobeidp.RootDirectory は、クラスターのすべてのノードで同じ場所に作成する必要があります。
    上述のテキストブロックをテキストエディターにコピーして、すべての改行が削除されていることを確認し、以下のテキストをすべて置き換えます。
    • <appserver domain> をアプリケーションサーバーのドメインパスに置き換えます。

    • <appserver root> をアプリケーションサーバーのルートディレクトリに置き換えます。

  7. クラスターキャッシュ用に JVM 引数を構成します。JAVA_OPTS 行で、次のいずれか 1 つの引数を追加または変更します。

    UDP 検索を使用したキャッシュ

    • マルチキャストポート引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.multicast-port=<port number>
      注意: <port number> の値は、1025 ~ 65535 の使用可能なポートにすることができます。マルチキャストポートは LiveCycle クラスターに対して一意である必要があります(同じネットワーク上の別のクラスターが、そのポートを使用していてはいけません。同じネットワーク上の別のクラスターで同じポートを使用すると、ブートストラップに失敗します)。次の例のように、LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <port number> を設定することをお勧めします。
      -Dadobe.cache.multicast-port=33456
    • マルチキャストアドレス引数の設定はオプションです。IPv4 および IPv6 用のデフォルトのマルチキャストアドレスは、次のとおりです。

      IPv6 - FF38::1234 
      IPv4 - 239.192.81.1

      ネットワークのマルチキャストアドレスに制限を設けている場合は、次の引数を使用してマルチキャストアドレスを設定します。

      -Dadobe.cache.multicast-address=<ip address>

      <ip address> の値は、マルチキャストネットワーキングに使用する IP アドレスです。adobe.cache.multicast-port の値が 0 の場合、この IP アドレスは無視されます。

      マルチキャストアドレスは LiveCycle クラスターに対して一意である必要があり、同じネットワーク上の別のクラスターがそのアドレスを使用していてはいけません。LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <ip address> を設定することをお勧めします。次に例を示します。

      -Dadobe.cache.multicast-address=239.192.81.1
    • 複数のネットワークインターフェイスを持つマシンの場合

      複数のネットワークインターフェイスカード(NIC)を介して複数のネットワークに接続するマシンもあります。そのようなマシンでは、JVM プロパティ -Dadobe.cache.bind-address を、LiveCycle Server に使用するネットワークインターフェイスカードの IP アドレスに設定します。

      -Dadobe.cache.bind-address=<IP Address>
      注意: 1 つのネットワークインターフェイスカードを持つマシンに対しても、JVM プロパティ -Dadobe.cache.bind-address を設定することをお勧めします。
    TCP のみを使用したキャッシュ
    • IPv4 の場合、クラスターロケーター引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.cluster-locators=<IPaddress>[<port number>],<IPaddress> [<port number>]

      IPv6 の場合、クラスターロケーター引数を次の形式で設定します。

      -Dadobe.cache.cluster-locators=<hostname>@<IPv6 address>[<port number>],<hostname>@<IPv6 address>[<port number>]
      注意: クラスターのすべてのノードのロケーターを、カンマ区切りのリストで設定します。<IPaddress> の値には、ロケーターを稼働しているコンピューターの IP アドレスを指定します。<port number> の値には、1025 ~ 65535 の未使用のポートを指定します。次の例のように、LiveCycle クラスターのすべてのノードに同じ <port number> を設定することをお勧めします。
      -Dadobe.cache.cluster-locators=10.20.30.5[22345],10.20.30.6[22345]
      注意: LiveCycle Cluster のすべてのノードで TCP ロケーターを実行しないでください。 最低 2 つ実行することをお勧めします。 1 つの TCP locator がプライマリロケーターとなり、他の TCP ロケーターがフェイルオーバーの問題を処理するセカンダリロケーターになります。 3 つ以上の TCP ロケーターをバックアップロケーターとして追加できますが、必須ではありません。 TCP ロケーターの設定の詳細については、「4.4 クラスター内のキャッシュロケーターの設定(TCP を使用するキャッシュのみ)」を参照してください。
  8. アプリケーションサーバーへのサービス拒否攻撃を防ぐには、次の JVM 引数を設定します。
    -DentityExpansionLimit=10000
  9. Save」をクリックし、「Activate Changes」をクリックします。

  10. クラスター内のサーバーごとに、手順 2 ~ 8 を繰り返します。