テキストの操作の基礎

Flash Player 9 以降、Adobe AIR 1.0 以降

Adobe® Flash® Player または Adobe® AIR™ の画面にテキストを表示するには、TextField クラスのインスタンスまたは Flash Text Engine クラスを使用します。これらのクラスを使用することにより、テキストを作成、表示、フォーマットできます。または、Text Layout Framework（TLF）を使用することもできます。Text Layout Framework は、Flash Text Engine クラスに基づいたコンポーネントライブラリですが、使いやすいように設計されています。モバイルデバイスでは、StageText クラスを使用してテキスト入力を作成できます。

テキストフィールドに特定のコンテンツを設定するかテキストのソースを指定してから、そのテキストの外観を設定することができます。また、テキストの入力や、ハイパーテキストリンクのクリックなどのユーザーイベントに応答することもできます。

TextField クラスと Flash Text Engine クラスのどちらを使用しても、Flash Player および AIR でテキストを表示および管理できます。TextField クラスを使用して、表示および入力するテキストオブジェクトを作成できます。TextField クラスでは、TextArea や TextInput のような他のテキストベースコンポーネントの基礎が提供されます。TextFormat クラスを使用して TextField オブジェクトの文字および段落の形式を設定し、Textfield.styleSheet プロパティと StyleSheet クラスを使用して Cascading Style Sheets（CSS）を適用できます。HTML 形式のテキストをテキストフィールドに直接割り当てることができます。HTML形式のテキストには、埋め込みメディア（ムービークリップ、SWF ファイル、GIF ファイル、PNG ファイルおよび JPEG ファイル）を含めることができます。

Flash Player 10 および Adobe AIR 1.5 以降で使用可能な Flash Text Engine は、テキストメトリック、フォーマットおよび双方向テキストの高度な制御の低レベルのサポートを提供します。改善されたテキストフローと強化された言語サポートも提供します。Flash Text Engine を使用してテキストエレメントを作成および管理できますが、基本的にはテキスト処理コンポーネントの作成の基盤として設計されており、より多くのプログラミング知識が必要です。Text Layout Framework には Flash Text Engine に基づいたテキスト処理コンポーネントが含まれており、新しいテキストエンジンの拡張機能を容易に使用することができます。Text Layout Framework は、すべて ActionScript 3.0 で作成されている拡張可能なライブラリです。既存の TLF コンポーネントを使用できますが、このフレームワークを使用して独自のテキストコンポーネントを作成することも可能です。

StageText クラス（AIR 3 以降で使用可能）は、ネイティブなテキスト入力フィールドを作成するクラスです。これはデバイスの OS に用意されているフィールドなので、そのデバイスのユーザーに最もよく馴染んだ使い勝手を実現することができます。StageText インスタンスは表示オブジェクトではありません。表示リストに追加するのではなく、インスタンスをステージに割り当て、そのステージ上のビューポートと呼ばれる表示領域に割り当てます。StageText インスタンスは、他の表示オブジェクトよりも前面に表示されます。

これらのトピックについて詳しくは、以下を参照してください。

重要な概念と用語

次の参照リストに、テキスト処理に関連する重要な用語を示します。

カスケーディングスタイルシート（CSS）: XML（または HTML）形式で構造化されたコンテンツのスタイルやフォーマットを指定するための標準的なシンタックスです。
デバイスフォント: ユーザーのコンピューターにインストールされているフォントです。
ダイナミックテキストフィールド: コンテンツを ActionScript で変更することはできるが、ユーザー入力で変更することはできないテキストフィールドです。
埋め込みフォント: 文字のアウトラインデータがアプリケーションの SWF ファイルに保存されるフォントです。
HTML テキスト: 実際のテキストコンテンツと共に HTML フォーマットタグを含み、ActionScript によってテキストフィールドに入力されるテキストコンテンツです。
テキスト入力フィールド: ユーザー入力と ActionScript のいずれでもコンテンツを変更できるテキストフィールドです。
カーニング: 文字のペア間のスペースを調整して、単語内のスペースを均一にし、テキストを読みやすくすることです。
静止テキストフィールド: オーサリングツールで作成された、SWF ファイルの実行時にコンテンツを変更することができないテキストフィールドです。
テキスト行のメトリック: テキストのベースライン、文字の最上部の高さ、ディセンダ（一部の英小文字でベースラインよりも下側にある部分）のサイズなどの、テキストフィールド内のテキストコンテンツの様々な部分のサイズの測定情報です。
トラッキング: 文字のグループまたはテキストのブロック間のスペースを調整して、密度を増減し、テキストを読みやすくすることです。