デバイスバンドル拡張とスタブ拡張

テレビデバイス用 Adobe® AIR® 向けのネイティブ拡張を記述する際には、拡張の次の 2 つのバリエーションを作成する必要があります。

  • デバイスバンドル拡張(実際の拡張とも呼びます)

  • スタブ拡張

さらに、オプションで 3 つ目のバリエーションであるシミュレーター拡張も作成できます。

デバイスバンドル拡張

デバイスバンドル拡張は、デバイスにインストールされるバリエーションです。ActionScript 側ではネイティブ実装の関数を呼び出します。ネイティブ実装と共にこの実際の ActionScript 実装を構築し、ZIP ファイルを作成します。デバイス製造元は、デバイスの特定のディレクトリにこのファイルを解凍します。

スタブ拡張

ネイティブスタブ拡張は、実際の ActionScript 実装と同じ ActionScript インターフェイスを持っていますが、この ActionScript メソッドは何も実行しません。スタブ拡張は、ActionScript 専用の拡張です。つまり、ネイティブ実装はありません。ActionScript スタブ実装を構築する際には、ANE ファイルを作成します。

AIR アプリケーション開発者は、次の 3 つの目的でこの ANE ファイルを使用します。

  • ネイティブ拡張を使用する AIR アプリケーションをコンパイルします。

  • ターゲットデバイスではなく、デスクトップコンピューター上で AIR アプリケーションを実行します。

  • AIR アプリケーションパッケージに含めます。

シミュレーター拡張

オプションである 3 つ目のバリエーションは、シミュレーター拡張です。この実装も、実際の ActionScript 実装と同じ ActionScript インターフェイスを持っています。ただし、その ActionScript メソッドは、ActionScript 内の拡張の動作をシミュレートします。スタブ拡張と同様に、シミュレーター拡張は ActionScript 専用の拡張です。つまり、ネイティブ実装はありません。ActionScript シミュレーター実装を構築する際には、ANE ファイルを作成します。

AIR アプリケーション開発者は、シミュレーター拡張 ANE ファイルを使用してアプリケーションをコンパイルできます。この ANE ファイルを使用して、スタブ拡張でテストするよりも徹底的に、デスクトップコンピューター上でアプリケーションをテストできます。また、AIR アプリケーションパッケージにシミュレーター拡張を含めることもできます。

注意: シミュレーター拡張は、スタブ拡張の代わりに、またはスタブ拡張に追加して作成できます。

デバイスバンドル拡張、スタブ拡張、シミュレーター拡張の使用

AIR アプリケーション開発者は、スタブ拡張およびシミュレーター拡張を使用して以下を実行します。

  • スタブ拡張またはシミュレーター拡張を使用して AIR アプリケーションをコンパイルします。

  • スタブ拡張またはシミュレーター拡張を使用してデスクトップコンピューター上でアプリケーションをテストします。

  • 配布可能な AIR アプリケーションに、スタブ拡張またはシミュレーター拡張をパッケージ化します。

    注意: AIR アプリケーション開発者にスタブ拡張とシミュレーター拡張の両方を提供する場合は、どちらを配布可能なアプリケーションと共にパッケージ化するのか指示してください。

AIR アプリケーションがデバイス上で実行される場合、AIR for TV は以下を実行します。

  1. 次の 2 つのデバイス上の対応するデバイスバンドル(実際の)拡張を検索します。

  2. 見つかった場合は、AIR アプリケーションで使用するために、AIR for TV がその拡張をロードします。

  3. 見つからなかった場合、AIR for TV は、アプリケーションと共にパッケージ化されたスタブ拡張またはシミュレーター拡張を代わりにロードします。