PDF への署名

文書の内容を証明するか、または文書を承認するために、文書に署名できます。目的に応じて、異なる種類の署名を使用します。

署名の種類

文書には、証明用署名、承認署名、またはその両方を含めることができます。必要な署名の種類は、作成者と署名者両方の目的によって異なります。署名の種類には以下が含まれます。

証明用署名
証明用署名は、承認署名より高度な文書制御を提供します。文書内の最初の署名である必要があるため、別の署名がすでに存在する場合は証明メニューオプションが無効になります。また、他のユーザーが行うことが可能な変更のタイプを制御できます。

承認署名
承認署名は、証明用署名ではない文書に適用される電子署名です。証明用署名以外のすべての署名が承認署名として分類されます。

証明用署名と承認署名の両方は欧州電気通信標準化機構(ETSI: European Telecommunications Standards Institute)によって規定されたデータ保護標準に準拠しています。また、両方の署名タイプは PDF 長期署名(PAdES: PDF Advanced Electronic Signature)標準にも準拠しています。Acrobat および Reader は、デフォルトの署名形式を CAdES 形式に変更するオプションを提供しています。このオプションを表示するには、編集/環境設定/セキュリティ/詳細環境設定/作成に移動し、デフォルトの署名形式リストを展開します。このオプションは、PAdES 標準の Part 3 に準拠しています。タイムスタンプ機能および署名の長期検証のネイティブサポート(Acrobat 9.1 以降)は、PAdES 標準の Part 4 に準拠しています。デフォルトの署名形式は、適切に設定される場合、PAdES 標準の Part 2 に準拠しています。

PDF 文書への署名

電子署名または直筆署名を使用して、PDF 文書に署名することで、承認を表すことができます。電子署名は、PDF を複数回署名するために、また異なるユーザーによって署名するために使用できます。文書に署名すると、電子署名が署名フィールドに表示されます。署名の表示方法は選択したオプションによって異なります。電子署名の実際の情報は PDF に埋め込まれています。

Acrobat では、文書に最初に署名するユーザーは、証明用署名を追加して文書に対する変更を制限できます。

注意: Reader ユーザーがどちらの方法でも署名できるようにするには、ファイル/名前を付けて保存/Reader 拡張機能が有効な PDF を選択します。次に、リストからオプションを選択します。

PDF への署名 - 簡単な操作

署名は、基本的には簡単な操作です。ただし、異なる立場用に異なる署名を作成する場合や、タイムスタンプを追加する場合など、特別な要件によって複雑になることがあります。複雑でない署名を作成する場合は、次の手順に従います。

  1. 署名の前に、編集を完了します。署名後に文書に変更を加えると、署名が無効になる場合があります。

  2. 自分の組織からデジタル ID を入手するか、デジタル ID を購入するか(セキュリティパートナーについては、Adobe Web サイトを参照してください)、または Self-Sign ID を作成します。Self-Sign デジタル ID の作成を参照してください。PDF に署名するには、デジタル ID が必要です。

  3. ポインタをドラッグし、署名用のスペースを作成します。

  4. 画面の指示に従って、PDF の署名を終了します。

新しいデジタル ID を使用した署名

  1. PDF を開き、ツール/電子署名/文書に署名を選択します。電子署名パネルが表示されない場合は、パネルを追加する方法についてタスクパネルウィンドウを参照してください。
  2. ダイアログボックスが表示されたら、情報を読み、「OK」をクリックします。
  3. ポインタをドラッグし、署名用のスペースを作成します。
  4. 「今すぐデジタル ID を新規作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
  5. デジタル ID を追加ダイアログボックスで、デジタル ID の格納場所を選択します。
  6. 名前や電子メールアドレスなど、デジタル ID に使用する個人情報を入力します。この名前は、文書の信頼性を証明したり、文書に署名したりする際、署名パネルおよび「署名」フィールドに表示されます。
  7. (オプション)拡張文字に Unicode 値を使用する場合は、「Unicode をサポート」を選択し、適切なボックスに Unicode 値を指定します。
  8. 「デジタル ID の使用方法」で、デジタル ID を署名に使用するか、データの暗号化に使用するか、またはその両方に使用するかを指定します。
  9. デジタル ID ファイルのパスワードを入力します。キーストロークごとに、パスワード強度メーターがパスワードを評価し、カラーパターンを使用してパスワード強度を示します。
  10. パスワードを確認し、「完了」をクリックします。

既存のデジタル ID を使用した署名

  1. 文書を開きます。
  2. ツール/電子署名/文書に署名を選択します。電子署名パネルが表示されない場合は、パネルを追加する方法についてタスクパネルウィンドウを参照してください。
  3. 既存の署名フィールドをクリックするか、ポインターをドラッグして署名用のスペースを作成します。
  4. 文書に署名ダイアログボックスで、次のオプションを設定して署名を完成させます。
    パスワード
    そのデジタル ID に関連付けられたパスワードを入力します。

    表示方法
    日時など、署名に表示する情報を変更する場合に選択します。

    署名後に文書をロック
    このオプションを利用できる場合、自分が文書に署名する最後の受信者であるときにのみ選択してください。このオプションを選択すると、署名フィールドを含むすべてのフィールドがロックされます。

直筆署名による署名

直筆署名は、鉛筆ツールによる注釈のデフォルト色を使用します。署名に使用する色を変更するには、注釈/描画マークアップを選択すると表示される描画マークアップパネルの鉛筆ツールを右クリックします。次に、ツールのデフォルトのプロパティを選択して、「表示方法」タブで色を変更します。

  1. 直筆署名で PDF 文書に署名するには、次のいずれかの操作を行います。
    • Acrobat で、ツール/電子署名/直筆署名を選択します。電子署名パネルが表示されない場合は、パネルを追加する方法についてタスクパネルウィンドウを参照してください。

    • Reader で、ツール/拡張機能/直筆署名を選択します。(このコマンドは、PDF 文書の作成者が電子署名と注釈機能を有効にしている場合にのみ使用できます)。

      カーソルが十字ポインターに変ります。

  2. 署名する場所をクリックし、署名を描画します。
  3. 文書に署名を含めるには、その PDF 文書を保存します。
注意: LiveCycle Designer ES または LiveCycle Forms ES で作成した PDF 文書に直筆署名を追加することはできません。これらのツールで作成された PDF 文書には注釈を付加できないからです。

文書プレビューモードでの署名

文書の整合性が署名ワークフローにとって重要である場合は、文書プレビュー機能を使用して文書に署名します。この機能では、文書の表示方法を変更する可能性があるコンテンツを確認できます。該当するコンテンツは無効になり、文書をスタティックで安全な状態で表示して署名できます。

文書プレビュー機能では、文書にダイナミックコンテンツや外部の依存関係が含まれていないかどうかを確認できます。文書の表示方法に影響する可能性があるフォームフィールド、マルチメディア、JavaScript などの要素が含まれていないかどうかも確認できます。レポートをレビューした後で、レポートに示された問題について文書の作成者に問い合わせることができます。

署名ワークフロー以外でも文書プレビューモードを使用して、文書の整合性をチェックすることができます。

  1. 編集/環境設定を選択します。
  2. 環境設定ダイアログボックスで、左側の「セキュリティ」を選択します。
  3. 「署名時に文書を文書プレビューモードで表示する」を選択し、「OK」をクリックします。
  4. PDF 内で、署名フィールドをクリックし、「文書に署名」を選択します。

    文書のメッセージバーに、準拠の状態とオプションが表示されます。

  5. (オプション)文書メッセージバーの「レポートの表示」をクリックし(表示されている場合)、一覧内の各項目を選択して詳細を表示します。詳細を確認したら、PDF 署名レポートダイアログボックスを閉じます。
  6. 準拠の状態が十分になったら、文書メッセージバーの「文書に署名」をクリックし、電子署名を追加します。
  7. 元のファイルとは別のファイル名で PDF を保存し、他の変更を行わずに文書を閉じます。

PDF の証明

PDF を証明する場合、PDF の内容を承認したことを示します。また、文書が証明された状態で許可される変更の種類も指定します。例えば、行政機関が署名フィールドのあるフォームを作成するとします。フォームの完成後に機関が文書を証明すると、ユーザーはフォームフィールドのみを変更して文書に署名することができるようになります。ユーザーはフォームに入力して文書に署名することができます。ただし、ページを削除したり注釈を追加したりすると、証明されたステータスは保持されなくなります。

証明用署名を適用できるのは、PDF に他の署名が含まれていない場合だけです。証明用署名には、可視署名と不可視署名があります。署名パネルの青いリボンのアイコン は、有効な証明用署名を示します。証明用電子署名を追加するには、デジタル ID が必要です。

  1. JavaScript、アクション、埋め込みメディアなど、文書のセキュリティを損なう可能性のある内容を削除します。

    他の Adobe Reader ユーザーに文書に署名させる場合は、ファイル/名前を付けて保存/Reader 拡張機能が有効な PDF を選択して、使用権限を有効にします。

  2. ツール/電子署名を選択して、次のオプションのいずれかを選択します。電子署名パネルが表示されない場合は、パネルを追加する方法についてタスクパネルウィンドウを参照してください。
    • 可視署名を使用。

    • 可視署名を使用しない。このオプションを選択した場合、署名は署名パネルにのみ表示されます。

  3. 証明済み文書として保存ダイアログボックスで「OK」をクリックします。

    可視署名を使用して証明する場合は、既存の署名フィールドに署名を配置するか、署名用のフィールドを作成できます。表示される指示に従って場所を選択します。

  4. 可視署名を追加する場合は、ページに署名フィールドを描きます。
    注意: セキュリティ環境設定で「署名時に文書を文書プレビューモードで表示する」を有効にしている場合は、文書メッセージバーの「文書に署名」をクリックします。
  5. メッセージが表示された場合は、画面の指示に従ってデジタル ID を選択します。
    PDF に署名するたびにメッセージが表示されないように、デフォルトの ID を指定します。
  6. 文書を証明ダイアログボックスで、許可する変更を指定し、パスワードまたはデジタル ID の PIN を入力し、「署名」をクリックします。
    注意: デジタル ID の設定によっては、「署名」ボタンをクリックした後でパスワードや他のユーザーの認証を求められる場合があります。
  7. 元のファイルとは別のファイル名で PDF を保存し、他の変更を行わずに文書を閉じます。元の文書とは異なる名前で保存すると、署名されていない元の文書を保持できます。

文書にタイムスタンプを付与

Acrobat X では、ユーザーに ID ベースの署名を要求することもなく、PDF に文書のタイムスタンプを追加する機能を提供します。このようにして、特定の時間での文書の認証と存在を確認できます。これらのタイムスタンプは、ETSI 102 778 PDF Advanced Electronic Signatures(PAdES)標準の Part 4 に記載されているタイムスタンプと失効機能でコンパイルされます。Reader X ユーザーは、文書に適切な Reader で有効になっている機能が含まれる場合は、文書にタイムスタンプを付与することもできます。

PAdES について詳しくは、blogs.adobe.com/security/2009/09/eliminating_the_penone_step_at.html を参照してください。

文書にタイムスタンプを付与するには:

  1. タイムスタンプを追加する文書を開きます。
  2. ツール/電子署名/文書にタイムスタンプを付与を選択します。電子署名パネルが表示されない場合は、パネルを追加する方法についてタスクパネルウィンドウを参照してください。
  3. デフォルトのタイムサーバーを選択ダイアログボックスで、一覧からデフォルトのタイムスタンプサーバーを選択するか、新しいデフォルトタイムスタンプサーバーを追加します。
  4. 「次へ」をクリックし、タイムスタンプと共に文書を保存します。

電子署名の削除

 次のいずれかの操作を行います。
  • 署名を削除するには、署名フィールドを右クリックし、「署名をクリア」を選択します。

  • PDF 内のすべての署名を削除するには、署名パネルのオプションメニューから「すべての署名をクリア」を選択します。

署名を挿入した本人で、署名のデジタル ID をインストールしている場合にのみ、署名を削除することができます。

Acrobat で署名フィールドを削除するには、ツール/コンテンツ/オブジェクトの選択を選択します。次に署名フィールドを選択し、Delete キーを押します。

その他のリソース

電子署名について詳しくは、次のリソースを参照してください。