InDesign ドキュメントの推奨ワークフロー

Adobe InDesign の使用に最適なワークフローを構築すると、処理速度が向上し多くの問題を防止できます。

整理されたコンピュータシステムの維持

長期間の使用により、ソフトウェアやハードウェアの構成が変わり、パフォーマンスの低下やシステム問題が生じることがあります。ハードディスクの最適化、古いバージョンのソフトウェアの削除、デバイスドライバの更新、メモリの最適化、ウイルス対策ユーティリティの実行などのメンテナンス作業により、アプリケーションやファイルの損傷を防止できます。これらの作業を定期的に実施することで、InDesign で期待どおりにドキュメントを開き、表示し、印刷することが可能になります。

プロジェクトの作成

プロジェクトを開始する前に、必要なファイルを判断し、保存方法を決めておきます。リンク切れの問題が発生したことがある場合は、リンク先ファイルをドキュメントと同じフォルダに格納することを検討してください。InDesign では、ドキュメントに配置したファイルへのリンクが維持されますが、リンクが壊れている場合、InDesign はドキュメントのフォルダにファイルがあるかどうかを検索します。ドキュメントとリンクファイルを同じフォルダに保存しておくと、別のコンピュータに移動するときに便利です。また、ファイルが 1 つのフォルダに保存されていると、ドキュメントを印刷するとき、InDesign がオリジナルのグラフィックを見つけることができます。リンクされたグラフィックが見つからないと、オリジナルのグラフィックに加えた変更が反映されず、グラフィックが適切に印刷されないか、まったく印刷されない場合があります。

プロジェクトが複数のドキュメントで構成されている場合(例えば、ブックに複数の章がある場合)、プロジェクトフォルダの中に各ドキュメントのフォルダを作成してリンクファイルと共に保存しておくと便利です。

テンプレートの使用の検討

類似したプロジェクトを頻繁に作成する場合は、テンプレートを使用します。テンプレートを使用すると、一貫性のあるドキュメントを迅速に作成でき、元のファイルを保護できます。例えば、ニュースレターを毎月発行する場合は、定規ガイド、ページ番号、ニュースレターの発行人欄、毎回使用するスタイルなどを含むテンプレートを作成します(詳しくは、ドキュメントテンプレートの使用を参照してください)。

ドキュメントをローカルで開く

ネットワークボリュームやリムーバブルメディアに保存されたドキュメントを開く場合は、最初にドキュメントとリンクグラフィックをローカルハードディスクにコピーしてから開いてください。ネットワークボリュームまたはリムーバブルメディアでは、アクセス時間やデータ転送レートがローカルディスクよりも遅いことが原因で、データの損失や破損が生じ、ドキュメントが損傷する可能性があります。一方、ローカルにコピーして作業する場合は、ファイルをネットワークサーバーに戻すとき他のユーザによる作業を上書きしないように注意が必要です。

Adobe Version Cue などファイル共有アプリケーションの使用を検討してください(詳しくは、Adobe Version Cueを参照してください)。

ファイル変換前の問題解決

Adobe PageMaker または QuarkXPress® の破損したファイルを InDesign で開くと、通常は破損したままです。変換されたファイルでエラーやその他の予期しない動作が発生した場合は、元のファイルをソースアプリケーションで開き、損傷のトラブルシューティングを行います。

ドキュメントの保存

ドキュメントは頻繁に保存し、重要なファイルはバックアップコピーを作成しておきます。「別名で保存」コマンドを使用すると、不要なデータをドキュメントから削除できます。「保存」コマンドを使用した場合は、新しい情報がドキュメントに追加されますが、削除されたグラフィックの情報など、不要になったデータは削除されません。一方、「別名で保存」コマンドを使用すると、ドキュメントが完全に書き直され、ドキュメントに現在含まれるオブジェクトやページに関する情報だけが保存されます。必要なデータのみを含むドキュメントは、大きなディスクスペースを使用しないので、再描画や印刷が速くなります。

確実な設計習慣

  • ドキュメントを開いてスタイルを作成します。開いているドキュメントがない状態でスタイルを作成すると、新規ドキュメントを作成したときにスタイルが重複して表示される可能性があります。複数のドキュメントでスタイルを共有するには、ドキュメント上でスタイルを保存してから読み込みます。

  • 適切なフォントを使用します。ドキュメントのフォントを選択する場合は、テキストのフォーマットや印刷方法を考慮します。InDesign では、OpenType®、Type 1(PostScript とも呼ばれる)、および TrueType フォントを効果的に使用できます。損傷したフォントや不適切なフォントを使用すると、InDesign ドキュメントが破損したり、予期しない印刷結果が生じることがあるので、定評のあるフォントベンダーが作成した信頼性の高いフォントを使用してください。出力・印刷会社を利用する場合は、フォントの要件を確認してください。

  • テキストフレームを多用しないようにします。最小限のテキストフレームを使用することで、ドキュメントのファイルサイズが小さくなり、レイアウトを操作しやすくなります。

グラフィックをよく理解する

  • 適切なグラフィックファイル形式を使用します。プロジェクトのグラフィックを作成する場合は、ドキュメントの印刷方法を考慮します。最適な結果を得るには、EPS または TIFF に変換するのではなく、Photoshop や Illustrator のネイティブファイルを使用してください。出力・印刷会社でドキュメントを印刷する場合は、その出力・印刷会社で使用する出力デバイスに最適なグラフィック形式を問い合わせてください。画像の最適な解像度についても出力・印刷会社に相談することができます。

  • グラフィックを外部に保存します。グラフィックファイルを配置すると、デフォルトでグラフィックへのリンクが作成されます。リンクによって、ドキュメントのファイルサイズが最小化され、InDesign のパーフォマンスの向上に役立ちます。ドキュメントを印刷するときは、オリジナルのグラフィックファイルが使用可能な状態でリンクされている必要があります。InDesign でオリジナルファイルが見つからなかった場合、低解像度のプレビューまたはグレーのボックスとして印刷される可能性があります。

  • InDesign に配置する前に、グラフィックの変形(傾斜や回転など)を実行した方が適切に印刷される場合があります。InDesign でグラフィックを変形して印刷すると、グラフィックは変形されていない状態でプリンタに送信され、後から変形が適用されます。この処理では、印刷時間が長くなることがあり、変形のために必要なプリンタメモリが増加します。

印刷する前のリンクおよびフォントの確認

ドキュメントを正しく印刷するには、損傷したリンクがなく、すべてのフォントが使用可能であることを確認します。オリジナルのグラフィックを削除、移動または名前の変更を行うと、リンクが解除されます。プリフライト機能やパッケージ機能を使用してから、出力・印刷会社にファイルを提出します。

ドキュメントの作成についてのビデオを www.adobe.com/go/vid0068_jp でご覧ください。