Adobe Audition 3.0

Vocoder エフェクト(マルチトラックビューのみ)

マルチトラック/Vocoder エフェクトを使用すると、ハードウェアのボコーダをシミュレーションできます。Vocoder では 2 つの入力(通常は楽器とボイス)を使用し、一方の信号(プロセス信号、通常は楽器)を他方の信号(コントロール信号、通常はボイス)で変調します。この変調によって、一方の信号で他方の信号を「コントロール」することができます。ここでは、楽器(プロセス信号)をボイス(コントロール信号)で変調して、楽器が歌っているような結果を得る例を示します。

Vocoder エフェクトの適用

  1. 別々のトラックで、処理するセクションがそれぞれオーバーラップするように 2 つのオーディオクリップを配置します。
  2. ハイブリッドツール または時間選択ツール を選択します。
  3. メインパネルで、処理する範囲を選択します。
  4. Ctrl キーを押しながら、処理するオーディオクリップをクリックします。
    注意: 範囲選択時にクリップ上をドラッグすると、そのクリップがデフォルトで選択されます。選択解除するには、Ctrl キーを押しながらクリップをクリックします。
  5. エフェクト/Vocoder を選択して、必要なオプションを設定します。

Vocoder のオプション

コントロール波(ボイス)
セッション内にある任意のアクティブ波形(通常はボーカル)をコントロール信号として設定します。

プロセス波(シンセ)
セッション内にある任意のアクティブ波形をプロセス信号として設定します。多くの場合、ボーカルを置き換える合成音の波形を指定します。

出力先
波形を出力するトラックを指定します。

FFT サイズ
FFT(高速フーリエ変換)のサイズを指定します。通常、サイズを大きくするほど、正確な結果が得られますが、処理時間は長くなります。

オーバーレイ
オーバーラップする FFT の数を設定します。オーバーレイを多くすると、スムーズさが増しますが、処理時間がかかります。3 ~ 12 の値が適切です。

間隔
FFT あたりのミリ秒数を指定します。オーバーレイの設定が大きくなければ、通常は 10 ~ 30 ミリ秒に設定します。値を小さくするとハムが発生し、値を大きくすると、むらのあるサウンドになります。

ウィンドウ幅
FFT あたりの比率を指定します。通常は 90 %で良い結果が得られます。

ボーカルクロスオーバー
ソース波形に内在する基本周波数(ボイス)をボーカルのフォルマント(母音のサウンド)からフィルタで除外する(分離する)処理に使用する周波数を指定します。値を大きくすると、繰り越し対象のフォルマントが増え、ソースボイスが減ります。シンセサイザが「話す」ように処理させるには、ソースボイスをまったく繰り越さず、フォルマント情報をすべて繰り越すようにするのが理想です。

再合成ウィンドウ
ボコーダ処理した信号を再合成するのに使用するウィンドウの幅を指定します。ウィンドウ幅を狭くするほど、耳障りな音声がクリアになります。また、ウィンドウ幅を狭くオーバーレイ設定を大きくすると、ボコーダ処理した信号の変調率が低すぎる場合に時間分解能の向上により良好な結果が得られます。このオプションには、常にオーバーレイ数より小さい値しか指定できません。

アフェクトレベル
ボコーダ処理した信号が結果の波形に最終的に含まれる量を設定します。例えば、この値を 100 %に設定するとボコーダ信号だけが含まれます。50 %に設定するとオリジナル波形が占める割合がかなり増えます。15 %に設定すると、ボイスに影響されたプロセス波はわずかしか含まれず、サブリミナルエフェクトが得られます。

増幅
最終波形を調整するための増幅量を指定します。設定値は 0 でかまいませんが、結果のボリュームが小さすぎる場合や大きすぎる場合は必要に応じて値を増減します。
扱いやすさを重視する場合は、「ウィンドウ幅」を 90 %に、「オーバーレイ」を 3 または 4 に、「再合成ウィンドウ」を 1 または 2 に、FFT サイズを 2048 ~ 6400 に設定することをお勧めします。