出力デバイスでのカラーの表示のシミュレート



作業に使用しているコンピュータモニタ以外のデバイスで表示したときにムービーがどのように見えるかをプレビューする必要がある場合がよくあります。カラーマネジメントの目的の 1 つは、どのデバイスでも同じ色で再現できるようにすることですが、After Effects のカラーマネジメントでは、次のような条件はシミュレートできません。

  • ムービーを作成する出力デバイスの色域がプロジェクトの作業用カラースペースよりも狭く、デバイスで同じ色を再現できない場合。

  • ムービーのカラーを表示するデバイスまたはソフトウェアが、カラーを変換するときにカラーマネジメントを使用しない場合。

そこで、例えば Windows でムービーを作成しているとき、そのムービーがカラーマネジメントを使用しない Macintosh でどのように表示されるかを確認する場合があります(Macintosh を実行しているコンピュータシステムでは、一般にカラーが明るく見えます)。極端な例では、コンピュータモニタや高精細ビデオモニタを使用してムービーを作成しているときに、ムービーを特定のフィルムストックに転送して標準の映画館の表示条件で投影するとどのように見えるかを確認する必要がある場合もあります。

このような場合、作業中のコンピュータモニタ以外のデバイスで表示したときにカラーがどのように表示されるかを確認する必要があります。出力シミュレーションでは、モニタのカラーマネジメントが必要です。

出力シミュレーション時には、次の手順でカラーがプロジェクトの作業用カラースペースからモニタのカラースペースに変換されます。

1. 作業用カラースペースから出力時のカラースペースにカラーが変換されます。
カラーは、出力カラープロファイル(最終出力のレンダリングに使用されるのと同じもの)を使用して変換されます。

2. 出力時のカラースペースからシミュレートされた再生デバイスのカラースペースにカラーが変換されます。
「RGB を保持」が選択されていない場合は、シミュレーションプロファイルを使用して、カラーが出力カラースペースから表示用メディアのカラースペースに変換されます。この設定は、シミュレートされたデバイスでも、カラーマネジメントによってカラーを変換して表示することを想定しています。見た目の色は維持されますが、RGB 値は維持されません。
「RGB を保持」が選択されている場合は、この手順でのカラー変換は行われません。この場合、RGB カラー値の数字が維持され、シミュレートされたデバイスのカラースペースに再変換されます。このようにシミュレーションを行うと、意図していた以外のデバイス、またはカラーマネジメントを実行しないデバイスでムービーを再生したときに、ムービーがどのように表示されるかを確認できます。
注意: キャプチャフィルムストックとプリントフィルムストックの組み合わせをシミュレートする場合も、「RGB を保持」を使用します。

3. シミュレーションされた再生デバイスのカラースペースから使用しているモニタのカラースペースにカラーが変換されます。
カラーは、再生デバイスのカラースペースから、モニタプロファイルを使用して、作業するコンピュータモニタのカラースペースに変換されます。

出力シミュレーションプリセットを作成すると、これらの各ステップで使用するプロファイルを選択できます。

プリセットの出力シミュレーションを使用する場合でも、そのシミュレーションで行われる変換や再変換によって再現されるカラーを確認した後に、ビュー/出力をシミュレートメニューで「カスタム」オプションを選択できます。

出力シミュレーションは、特定のビューア(コンポジション、レイヤーまたはフッテージパネル)だけに適用され、プレビューのみを行うことができます。出力シミュレーションのカラー変換は、値がモニタに送信されるときに行われます。プロジェクトの実際のカラー値は変更されません。

すべてのカラースペース変換と同様に、出力のシミュレーションでもパフォーマンスが多少低下するので、リアルタイムの処理が必要なタスクを実行しているときは出力のシミュレーションを行わないことをお勧めします。

注意: 正しいプロファイルを適用するだけでは、異なるデバイスに対するそれぞれの色域は補正されません。例えば、一般的なパーソナルコンピュータの LCD モニタには、HDRV 出力を完全にシミュレートするために必要な色域がありません。

Shift+テンキーパッドの / キーを押すと、モニタのカラーマネジメントのオン/オフを切り替えることができます。モニタのカラーマネジメントをオフにすると、出力シミュレーションもオフになります。モニタのカラーマネジメントがオフになっている場合、シミュレーションの設定(「出力シミュレーションなし」を含む)は保持されます。

プレビュー用に出力をシミュレートする

  1. コンポジションパネル、レイヤーパネルまたはフッテージパネルをアクティブにします。
  2. ビュー/出力をシミュレートを選択し、シミュレートする出力の種類を選択します。
    注意: 出力シミュレーションは、モニタのカラーマネジメント(初期設定ではオン)と連動しています。モニタのカラーマネジメントがオフになっている場合は、ビュー/モニタのカラーマネジメントを使用を選択します。
    出力シミュレーションなし
    モニタのカラーマネジメントはオンになっていますが、出力の種類をシミュレートする変換は行われません。

    Macintosh RGB
    Macintosh コンピュータ(ガンマ値 1.8)のカラーマネジメントされていないアプリケーションでカラーがどのように再現されるかを表示します。「作業用スペースをリニア化」が選択されている場合、このオプションは使用できません。

    Windows RGB
    Windows コンピュータ(ガンマ値 2.2)のカラーマネジメントされていないアプリケーションでカラーがどのように再現されるかを表示します。「作業用スペースをリニア化」が選択されている場合、このオプションは使用できません。

    Kodak 5218 から Kodak 2383
    Kodak 5218 ネガフィルムストックに出力した後で映画館で Kodak 2383 ポジティブフィルムストックから投影されたときに、カラーがどのように再現されるかを表示します。
    注意: After Effects 7.0 の「カラーを校正」コマンドで使われていた DPX Theater Preview と DPX Standard Camera の 2 つのプロファイルは、「出力をシミュレート」コマンドの Kodak 2383 と Kodak 5218 のプロファイルに変更されました。

    カスタム
    シミュレートする出力のタイプがない場合は、「カスタム」を選択して独自の出力シミュレーションプリセットを作成できます。変換または再変換の各段階で使用するプロファイルを指定できます。

    • ムービーをデバイスに出力して同じデバイス上で表示するときにムービーがどう見えるかプレビューするには、出力プロファイルとシミュレーションプロファイルに同じ値を使用します。

    • ムービーをデバイスに出力してカラーマネジメントされた別のデバイスで表示するときにムービーがどう見えるかプレビューするには、出力プロファイルとシミュレーションプロファイルに異なる値を使用して、「RGB を保持」の選択を解除します。

    • ムービーをデバイスに出力して別のデバイスで表示するときにムービーがどう見えるかプレビューするには、出力プロファイルとシミュレーションプロファイルに異なる値を使用して、「RGB を保持」を選択します。

それぞれのビューにおいて、出力シミュレーションプリセットを選択できます。「カスタム」出力シミュレーションの設定は、すべてのビューで共有されます。

出力なしシミュレーションと最後に使用した出力シミュレーションを切り替えるには、ビューアの一番下にあるチャンネルおよびカラーマネジメントの設定を表示ボタンをクリックして、出力をシミュレートを選択します。

最終出力用にレンダリングしたムービーの出力の種類をシミュレートする

出力シミュレーションのカラーマネジメントはプレビュー専用ですが、特定の出力の種類をシミュレートするムービーをレンダリングできます。例えば、フィルムをシミュレートする HDTV 用ムービーをレンダリングできます。これは、映画作成においてフィルム作業を行う場合に特に便利です。

  1. レイヤー/新規/調整レイヤーを選択し、コンポジションの一番上に新しい調整レイヤーを作成します。
  2. エフェクト/ユーティリティ/カラープロファイルコンバータを選択し、カラープロファイルコンバータを調整レイヤーに適用します。
  3. 編集/複製を選択し、エフェクトを複製します。
  4. エフェクトコントロールパネルで、エフェクトの最初のインスタンスに次のオプションを設定します。
    入力プロファイル
    プロジェクトの作業用スペース

    出力プロファイル
    シミュレートする出力の種類を選択します。例えば、フィルム印刷密度のプロファイル(Kodak 5218/7218 Printing Density など)を選択します。

    マッチング方法
    絶対的な色域を保持

  5. エフェクトコントロールパネルで、エフェクトの 2 つ目のインスタンスに次のオプションを設定します。
    入力プロファイル
    シミュレートする再生の種類を選択します。例えば、シアタープレビュー用のプロファイル。

    出力プロファイル
    出力メディアのカラースペースを選択します。例えば、HDTV(Rec.709)など。

    マッチング方法
    相対的な色域を保持

このような出力シミュレーションを有効または無効にするには、タイムラインパネルで調整レイヤーのビデオスイッチを選択または選択解除することにより、調整レイヤーのオン/オフを切り替えます。