Flash 用の FLV および F4V ビデオ形式



Adobe Media Encoder の初期設定では、F4V ビデオ形式を使用する Flash ビデオを Flash Player 9.0.r115 以降で使用する場合は、H.264 ビデオコーデックを使用してエンコードされ、FLV 形式を使用する Flash ビデオを Flash Player 8 で使用する場合は On2 VP6 コーデックを、Flash Player 7 で使用する場合は Sorenson Spark コーデックを使用してエンコードされます。Flash が低いバンド幅で高品質なビデオを生成できる理由を理解するには、ビデオ圧縮について把握する必要があります。

デジタルメディアに適用できる圧縮形式には、空間的および時間的の 2 種類の形式があります。空間的圧縮は、周囲のフレームにかかわらず、単一フレームのデータに適用されます。空間的圧縮は、可逆(画像からデータが一切失われない)方式または非可逆(一部のデータが破棄される)方式で行うことができます。空間的圧縮が適用されたフレームは、イントラフレームと呼ばれます。

時間的圧縮では、フレーム間の差を特定し、その差だけを保存します。このため、フレームは前のフレームとの差に基づいて記述されます。変化していない領域については、前のフレームのデータが繰り返し使用されます。時間的圧縮が適用されたフレームは、インターフレームと呼ばれます。

H.264、On.2 VP6 および Sorenson Spark はインターフレームコーデックです。その他の多くのコーデックはイントラフレーム圧縮方式を使用していますが(例えば、JPEG はイントラフレームコーデックです)、H.264、On.2 VP6 および Sorenson Spark コーデックの効率的なインターフレーム圧縮方式は、他の方式よりも特に圧縮技術が優れています。これらのコーデックでは、はるかに低いビットレート(ビットレート)で品質の高いビデオを生成することができます。

注意が必要なのは、インターフレームコーデックはイントラフレームも使用しているという点です。イントラフレームは、インターフレームの基準フレーム(キーフレーム)として使用されます。On2 VP6 および Sorenson Spark コーデックは、常にキーフレームで始まります。各キーフレームは、それに続くインターフレームのメイン基準フレームになります。次のフレームが前のフレームと大きく異なる場合、コーデックは新しいキーフレームを圧縮します。

キーフレームの間隔は FLV または F4V ファイルでの Flash Player のシーク(早送りまたは巻き戻し)操作に影響するということに注意する必要があります。Flash Player はキーフレームからキーフレームへの移動のみをサポートします。このため、異なる位置にスキップしてフレームを一時停止する場合は、キーフレームの間隔の値を小さくする必要があります。FLV または F4V ファイルの任意のフレームに移動できるようにする場合は、キーフレームの間隔を 1 に設定します。キーフレームの間隔の値を低くすると、ビデオファイルのビットレートが上がり、同程度の画質が維持されます。

H.264、On2 VP6、および Sorenson Spark ビデオコーデック

Adobe Media Encoder を使用してビデオをエンコードする場合は、3 つの異なるビデオコーデックから任意のコーデックを選択して、Flash Player で使用するためのビデオコンテンツをエンコードできます。

H.264
H.264 ビデオは Flash Player バージョン 9.0.r115 以降でサポートされています。F4V ビデオは H.264 ビデオコーデックのコンテナ形式です(MPEG4 AVC (Advanced Video Encoding)とも呼ばれます)。H.264 ビデオコーデックでは、以前のバージョンの Flash Player で使用していた Sorenson Spark ビデオコーデックや On2 VP6 ビデオコーデックよりも、高品質のビデオが低いビットレートで提供されますが、これらのコーデックよりも高い処理能力が必要になります。

Flash Player 9.0.115.0 以降のバージョンでは、F4V コンテナ形式に加えて、標準 MPEG4 コンテナ形式から派生したファイルがサポートされます。H.264 ビデオまたは HE-AAC v2 エンコード済みオーディオ、あるいはその両方が含まれている場合、MP4、M4A、MOV、MP4V、3GP、および 3G2 がサポートされます。

注意: コンポジション用のアルファチャンネルをサポートするビデオを使用する場合は、On2 VP6 ビデオコーデックを使用します。F4V では、アルファビデオチャンネルをサポートしていません。

On2 VP6
On2 VP6 コーデックは、Flash Player 8 以上で使用する FLV ファイルの作成時に使う推奨ビデオコーデックです。On2 VP6 コーデックでは次のものが提供されます。
  • 同じビットレートでエンコードした場合、Sorenson Spark コーデックよりも高品質のビデオ

  • コンポジットビデオの 8 ビットアルファチャンネルの使用のサポート

    同じビットレートでより高品質のビデオをサポートするために、On2 VP6 コーデックはエンコード時間が明らかに遅くなり、デコードと再生を行うために、クライアントコンピュータには、より処理能力の高いプロセッサが必要になります。このために、FLV ビデオコンテンツにアクセスする一般的なユーザのコンピュータの中で、最も処理能力の低いコンピュータに対して十分に配慮する必要があります。

Sorenson Spark
Flash Player 6 で導入された Sorenson Spark ビデオコーデックは、Flash Player 6 および 7 との後方互換性を必要とする Flash ドキュメントの配信に対応しています。ユーザの大部分が旧式のコンピュータを使用していると想定される場合は、On2 VP6 または F4V ビデオより低い計算能力で再生できるため、Sorenson Spark コーデックでエンコードした FLV ファイルを使用します。

F4V および FLV エンコードプリセット

Adobe® Media Encoder CS4 で書き出しを行う場合、FLV | F4V 形式を選択すると、想定される配信状況に合わせて設計された、関連付けられているプリセットのリストが自動的に有効になります。プリセットを選択すると、各設定タブ(「ビデオ」、「オーディオ」など)で該当するオプションが有効になります。ほとんどの場合、用意されているプリセットのいずれかが目的の出力と一致するはずです。ただし、既存のプリセットのパラメータを調整してカスタムプリセットとして保存することもできます。次の表は、FLV | F4V プリセットを選択したときに使用されるエンコード設定をまとめたものです。表では、指定したプリセットで生成したビデオの寸法と、任意の Flash Player バージョンで使用されるビデオコーデックを示しています。

形式

プリセットラベル

サイズ

H.264 ビデオコーデックによる F4V(Flash 9.0.r115 以降)

ソースと同様

ソースと同じ寸法とフレームレートを維持

 

1080 ピクセル、ソース、ハーフサイズ

960 x 540 ピクセル

 

1080 ピクセル、ソース、1/4 サイズ

480 x 270 ピクセル

 

720 ピクセル、ソース、ハーフサイズ

640 x 360 ピクセル

 

720 ピクセル、ソース、1/4 サイズ

320 x 180 ピクセル

 

HD 1080 ピクセル

1920 x 1080 ピクセル

 

HD 720 ピクセル

1280 x 720 ピクセル

 

Web(大)、NTSC ソース

NTSC ビデオの適切な縦横比を維持

 

Web(大)、PAL ソース

PAL ビデオの適切な縦横比を維持

 

Web(大)、ワイドスクリーンソース

ワイドスクリーンビデオの適切な縦横比を維持

 

Web(中)

360 x 264 ピクセル

 

Web(中)、ワイドスクリーンソース

ワイドスクリーンビデオの適切な縦横比を維持

 

Web(小)

328 x 240 ピクセル

On2 ビデオコーデックによる FLV(Flash 8 以降)

ソースと同様

ソースと同じ寸法とフレームレートを維持

 

Web(大)、NTSC ソース

NTSC ビデオの縦横比を維持

 

Web(大)、PAL ソース

PAL ビデオの縦横比を維持

 

Web(大)、ワイドスクリーンソース

ワイドスクリーンビデオの適切な縦横比を維持

 

Web(中)

360 x 264 ピクセル

 

Web(中)、ワイドスクリーンソース

ワイドスクリーンビデオの適切な縦横比を維持

 

Web モデム

164 x 120 ピクセル

 

Web(小)

328 x 240 ピクセル

Sorenson Spark ビデオコーデックによる FLV(Flash 7 以降)

ソースと同様

Sorenson Spark のソースと同じ寸法とフレームレートを維持

Adobe Media Player での使用のための書き出し

Adobe Media Player は、FLV ファイルのサーバからのストリーミングとローカルハードディスクからの再生のいずれにも対応した、優れたプレーヤーです。Adobe Media Player での再生用に FLV ファイルを書き出すことができます。書き出し設定ダイアログボックスで、形式メニューから「FLV | F4V」を選択します。次に、FLV ホストや対象となるユーザの要件を満たす設定を選択します。

書き出し設定ダイアログボックスでの FLV コーデックの選択について詳しくは、Developer Center Web サイトの「ビデオのキャプチャとエンコーディング」ページの「On2 VP6 および Sorenson Spark ビデオコーデックについて」を参照してください。

対象となるオーディエンスに最適なビデオ、オーディオ、エンコードおよびビットレートの設定の選択については、Developer Center Web サイトの「Flash video (FLV) bitrate calculator」を参照してください。

Adobe Media Player 用のビデオの書き出しについて詳しくは、「http://www.adobe.com/go/lrvid4116_xp_jp」を参照してください。